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滅亡回避し栄華を手に! 名門だけど滅び歴史に埋もれた豊嶋家の嫡男に転生したので天下統一を目指します。  作者: 武雅


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江古田原沼袋の戦い 1

大泉館に移動し4日が経った、風魔衆の乱波組と情報収集組の一部には江戸城内とその周辺を監視させ、動きを逐一報告させている。

その結果、恐らく道灌は史実通りに明日、5月25日に江戸城に集まった兵のほぼ全軍を率いて出陣するつもりのようだ。

夕方になって入った情報によると城内が出陣準備で騒がしくなり、炊飯の煙が異常に多くなったとの事で携帯用の握り飯などを量産していると思われる。


現在は大泉館の一室には主だった俺の家臣が集まっており軍議と言う名の指示を伝えている陣立ての最中だ。

明日起こるであろう道灌と豊嶋家の合戦で豊嶋家を勝利に導く事を最優先に、出来れば江戸城の奪取、道灌と援軍に来た上杉朝昌を始め三浦高救、大森実頼、千葉自胤、吉良成高を捕縛する事が目標として各将へ役割を割り振る。

今回は専業兵士1000人全員に加え雇って間もない訓練中の兵100人、風魔衆も50人程の総勢1150人、それを3部隊に分けて参戦する。


俺が率いる部隊、騎馬100人、足軽300人、鉄砲100人、訓練兵100人の600人で付き従う将は馬淵家定を副将として、矢野元信、馬場勇馬、多々良一鉄の4人が付き従う。

因みに矢野元信は雇用した兵士から将にした奴で声が異常に大きく、指揮訓練でいつも良い成績を残していたので将として登用した人物で今回は足軽隊を指揮する。

馬場勇馬はもともと馬が好きで騎馬の訓練をよく見に来ていたので声をかけ、試しに馬に乗せて訓練内容をさせたらずば抜けて馬の扱いに長けていた為、名前を与え、訓練教官の1人として雇い、そのまま将とした人物で今回は騎馬隊を指揮する。

多々良一鉄は元罪人ではあるが、大泉寅吉同様、鉄砲の試し撃ちをしているうちに射撃の腕が上がり、また人をうまく使うのが得意なので将とした人物で今回は鉄砲隊を指揮する。

この4人の将と兵を率い俺の部隊は練馬城の脇を迂回し通り抜けて進軍し、江古田原沼袋に陣を張る道灌の後ろ側面を突く。


もう1隊は武石信康を大将とし、騎馬100人、足軽200人、鉄砲50人、大鉄砲50人の400人で補佐する将として大泉虎吉、羽馬一馬、多田弘雅、大関力正が付き従う。

羽馬一馬は馬を華麗に乗りこなし、障害物なども馬を華麗に操り軽やかに避け、飛び越えと馬と一心同体ともいえる程乗りこなしているのを見て、名を与え将とした人物で今回は武石信康の副将として騎馬隊を率いる。

多田弘雅は、名前の通り、実家が多くの田を持っており、専業兵士にならなくても相応の暮らしが出来る家の次男だったが、刺激が欲しいとの事で兵士募集に応じた変わり者だが、的確な指摘や物言いを物怖じせず言っている所を俺の目に留まり、名前を与え将とした人物で今回は足軽隊を率いる。

大関力正は一言で言うと巨漢、というかこの時代に珍しい肥満体で下総の漁師の息子だったらしいが大食いなうえ体重の関係で船にも乗れない為、家を追い出され江戸湊に職を探しに来た際、大泉で兵士を募集していると聞きつけてやって来た。

持久力を付ける訓練は苦手でいつも途中で力尽きるが、腕力などがとても強い為、同様に体格が…というかポッチャリ系の者を集めた力士隊の隊長として名前を与え将とし、今回は体重と力を活かし大鉄砲隊を率いる。

この部隊は、石神井城から父である泰経が出陣したと言う報告を受け次第出発し、石神井城を通り抜けた後、迂回して鷺ノ宮方面を通り妙正寺川を渡り道灌軍の側面を奇襲する。


そして江戸城を奪取する為の部隊、この部隊には風魔衆を率いる風間元重を大将とし、配下の乱波組50人に加え、間宮秀信が副将として付き従う。

間宮秀信は最近頭角を現した将で、目だった所はないが大体の事をそつなくこなせるのが目に留まり名前を与え家臣とした人物で、今回は足軽衆100人を率いる。

江戸城奪取部隊の役割はその名の通り江戸城の奪取、だがもし奪取出来なければ城下は言うに及ばず城へも放火し道灌軍を動揺させる役割であり、奪取出来たらそのまま占拠した江戸城で帰って来た道灌軍の戦闘継続能力を無効化し戦闘不能に追い込む役割だ。

この部隊には今回、合戦に初めて使う滑液包炎の小型版を1人2つずつ持たせ、バイケイ草の根茎とその抽出液を持たせている。


この3部隊で参戦し史実では道灌に惨敗し豊嶋家を滅亡させた江古田原沼袋の戦いの結果をひっくり返す…、はずだった。

照が私も行くと作戦概要を説明している所に乗り込んでくるまでは…。

その場に居た全員の満場一致で危ないから大泉館を守るのも仕事だと説得し引き止めたのだが出陣するの一点張りで留守番をする様子はない、というか置いて行っても後から追いかけて来る勢いだ。

道真のジジイが鎧や馬を贈るからその気になってしまっている。

どの部隊に配置しても危険が付いて来るが、道灌の娘という事で上手くすれば江戸城に残る兵を騙せるかもしれないという事で江戸城奪取部隊に加わらせた。


祖父、道真から送られた兵の助けを受けて石神井城から江戸城に逃れて来たと言う手が使えるかもしれないと言ったら、本人はノリノリでやると言っている。

照にとって良く遊びに来る道真の爺は味方で、4歳で嫁に出してから会いにも来ず手紙すら寄越さない道灌は他人と言う感覚らしい。

確かに4歳の時を最後に7~8年も会って無ければそうなるのかな…。


陣立てが決まり、出陣に備え兵達を休ませていると、午前0時を過ぎた頃、風魔衆よりの報告が入った。

どうやら道灌が5000程人の兵を率いて密かに江戸城を出陣したとの事だった。

進軍先は石神井、練馬方面との事なので恐らく、夜の内に江古田原沼袋にある氷川神社に陣を敷き豊嶋軍を待ち構えるつもりだろう。

というか記録では氷川神社を本陣にするはず。


報告を聞き、江戸城奪取部隊と武石信康隊に配属された大関力正の大鉄砲隊を密かに出発させる。

江戸城奪取部隊は夜の内に江戸城近くまで行き、昼頃まで近くに潜み、昼過ぎに事を起こす手はずとなっている。

そして大関力正の大鉄砲隊は、単純に持久力が無い為進軍速度に追いつけず合戦に間に合わない可能性がある為、早めに出発させ下井草辺りで武石隊と合流する事になっている。

力はあるんだけど自重によって走ったりするのが苦手な部隊なんだよね、力士隊って…。


そして25日、風魔衆より、夜間に出陣した道灌軍は江古田原沼袋(現在の哲学堂の近く)に陣を敷き、早朝には騎馬隊50人程が練馬城へ向かい、城下と城に火矢を放っては離脱し、暫くしたら再度火矢を放つのを繰り返し、練馬城から兵が向かって来たら引き、兵が去ったら今度は練馬城の近くまで近づき大声で罵詈雑言を繰り返しているとの事だ。


これに対し練馬城を守る豊島泰明は道灌軍が練馬城に来た事、兵は騎馬50程で本体は後方に居るであろう旨を伝える伝令を石神井城に出し、それを受けた豊嶋泰経は全軍で道灌軍との決戦の為、練馬城の全軍を率いて合流する命令を泰明に出し、自身は石神井城から出陣する準備に取り掛かった。


練馬城に道灌軍が現れたとの報告を聞き、俺が率いる部隊は練馬城を迂回する形で戦場へ向かうため出陣し、武石隊は、父である泰経の出陣を待ち、その後大泉館を出陣する予定の為、小泉館で待機している。

父が出陣したら即座に武石隊も出陣し、石神井城を通過して鷺ノ宮周辺で大関力正と合流し戦場へ向かう予定だ。

距離的にも時間的にも武石隊の負担が一番大きいが予想外の敵が出現した時に生じる敵軍の動揺は計り知れないはずだ。

何より、日本で始めて鉄砲が使われる為、初見の道灌軍の混乱するのは必定だと思う。

ただ父が泰明隊と合流後その勢いで江古田原沼袋に向かってしまわないかが唯一の気がかりの為、俺が出陣する直前に、石神井城へ道灌が江古田原沼袋の氷川神社に陣を張り待ち構えている事、途中伏兵が居る可能性が高いので泰明と合流後、一度軍を編成し慎重に進軍するよう伝える伝令を送った。


頼むから勢いで突っ込まないでくれよ…。

直ぐに合戦が始まったら俺の部隊もそうだが武石隊も戦場に間に合わないからな。

こればっかりは伝令から俺の言葉を聞いた父の判断次第だからどうしようもないからな。

聞き入れてくれることを祈ろう。


誤字脱字、稚拙な文章ではございますがお読み頂ければ幸いでございます。

宜しくお願い致します。


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― 新着の感想 ―
[一言] 主人公の軍の総勢が1150人のはずが1050人になってる。
[良い点] 歴史IFもの、大好きです。特に戦国時代。 毎朝とても楽しみにしています。 はてさて、見事太田道灌を捕らえられるか。 照姫さまがちょっと気がかり(笑)
[気になる点] 照が私も行くと作戦概要を説明している所に乗り込んでくるまでは…。 その場に居た全員の満場一致で危ないから 大泉館を守のも仕事だと 説得し引き止めたのだが 守るのも仕事 では?
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