美少女魔王 第9話 [巨大なボアを叩く]
俺はどうすればいいか悩んでいた、まさかゴブリンロードの隠し玉が俺たちの依頼の標的だった、そしてやつの突進に巻き込まれたライボルトは無事なのか、こいつの突進を受けながら村人を守れるのかと俺はにらみ合いながらも考えていた
そのときふっとばされたはずのライボルトが民家から出てきた
「っつ…とてつもない威力の突進だったよ…正直死んだと思ったね」
ボロボロになりながらも立ち上がっていた、どうやらぎりぎりでガードが間に合いふっとばされただけのようだ、だがライボルトも限界ギリギリだろう
「ライボルト!無事か?」
「はは…これが無事に見えるかい?結構ギリギリだよ、後一発食らったら昇天しそうな勢いだよ」
「よかったね、マイとカレンがいなくて、間違いなく昇天させられているから」
さらっと毒を吐く俺
この状況どうしようか、後ろには手負いのライボルトと村人達、自分一人では守り切れないだろう、なら攻めの一択だ、速攻でボアを仕留めそこのゴブリンも屠ろう
「先手必勝!」
勢いよく飛び出し剣を構えボアの上空に飛び振り下ろした
が
キィイイイイイイン
弾かれたのだ、今まで一発で切ったこの刃が弾かれたのだ、しかもかなりの反動だった、この反動は金属のようななにか、自分の手が反動で痺れている
「か…硬い!?なんなのこの硬さは!?」
「やはり硬質のスキルかなにかで自身の毛に金属と同じ硬さを作り出しているのだろう、まさか…魔物にスキル持ちがいるとはうかつだった」
「硬質系スキル…そうか毛の一本一本に硬質化しているから切ろうとしても弾かれるのか…」
「僕の雷撃でもだめだったよ、電気を体外に受け流されて直接ダメージが入らない」
「なら…」
俺は剣を鞘に収め、手にグローブをつけた、前回のオーガロード戦で拳の戦いは不利になってたのでこういうことがあろうかと思い、事前に用意したのだ
「まさか直接殴りに行くというのか!そんなの無謀すぎる!」
「大丈夫これでも私、割と強いからね」
なんたって魔王だからね、自身の身体能力は自分がよくわかる、オーガロード戦のときはまだ自分の力に慣れてなかった、不安要素もあったからだと思う、でも今度は違う俺の後ろには守る存在があるだから今の俺は前回の俺よりかは違う
「え!?まさか物理で行くのかい?ぶ…物騒だね」
「そんなことはないよ、ライボルトあのボアの動きを一瞬でも止められないかな、次の突進後に一発殴るから」
「了解した」
「作戦会議は終わったか?なら二人まとめて死ねぇえええええええええ!」
ピィィィィィィィィィ
ゴブリンロードは汽笛を鳴らした、ボアはその音を聞き俺たちに突進する準備をしている
「来る…」
ギュッと拳を握り込み、ボアの挙動を見る
そして、ボアは突進を開始した、狙いはやはり手負いのライボルト、ライボルトは目を閉じ剣を構えている集中を乱さないように俺はじっとした
そしてボアの最高加速の突進がきた、ライボルトは自分の間合いに入ったことを察したら剣を自分の後ろに引き突きの構えをした
「喰らえ…!雷光剣!!」
自身の目の前に突きの型で大技を繰り出す、自身の剣に込められた魔力を解放し雷撃を帯、ボアにめがけて突き出した
ガキィィィィィィィン
やはり弾かれる音がするが突きなのでボアの突進の威力を殺し止めた
「今だ!とぉぉぉりゃ!」
俺はボアの顔面に思いっきりパンチをした、殴った瞬間ボアの体は吹っ飛んだ、やはり鋼鉄でも打撃には弱いらしい、ボアは少しピヨっている、だが俺は回復なんてさせないそこから叩き込む
ボアの体にめがけて蹴りを入れ、上に飛ばす、巨体なのでそこまで宙には浮きはしないが、それで十分だ少し上に上がれば身動きが取れなくなる、そしてそのタイミングを予期していたのかライボルトが下に潜り込んだ
「下からなら食らうだろ!穿て!雷斬!!」
一閃で貫く
ボアは動かなくなった、やはりこいつは外は大分硬いが内側は弱い、毛の生えていない腹には大ダメージを食らうようだ今度から覚えよう
「う…嘘だろ…あのビックボアがやられただと!?そんなはずはないあれは俺様が育てた最高傑作!」
「ふぅ…どうにかなったけどどうするゴブリンさんよ?」
「く…糞があああああ!こうなったらヤケだ!1人残らず殺してやるぅぅぅぅ!」
ゴブリンロードが躍起になる、ひどく興奮しているのか体にとてつもなく力がこもっているが
「ライボルト!さっきの借りだ、こいつは私がしばく」
俺は、さっきと同じ容量でゴブリンロードの間合いに詰めた、そして剣を抜いた
「うがああああああ!」
棍棒を振り回すゴブリンロード、俺はその棍棒をすべて避け徐々に距離をつめていった
「お前は、私を怒らせた…村人さん達に迷惑&危害を加えたこと、今ここで後悔するがいい」
「ひぃ…ひいぃぃぃぃぃ!」
ゴブリンロードはひどく恐怖を覚えた、いまから自分が狩られる側の存在になったからだ、恐怖のあまり棍棒をぶんぶん振り回すが、俺には当たらない、空を切ってるだけだ、俺は剣を構えゴブリンロードを切った
「ぐ…あぁ…」
そして魔石が落ちた、ゴブリンロードの討伐は完了したのだ、俺はこの日2つの依頼をこなした、一つはライボルトの依頼、ゴブリンロードの討伐とボアの討伐だ、まさかこんな奇跡あるなんて思いもしてなかったけどね
「はは…なんだ…すっごく強いじゃないか…僕は…そろそろげ…げんか…」
「ってちょ!?ライボルト!?完全に限界超えての戦闘だったの!?ちょっと!?あーもう気を失ってるし!?起きて!ライボルト!?ライボルトーーーーーーーー!」
俺は必死にライボルトを担ぎ、宿屋に移動した、道中村人達に感謝はされたがそれどころじゃなかったので報酬はまた後日にすることにした
「んで…なんで私がこの人の看病しないといけないのでしょうか」
宿屋についた俺は戦闘の疲れでダウンした、予想外のことだったので完全に体力不足だ、なのでライボルトの回復看病は復帰したカレンにやってもらっている、俺の看病はマイにしてもらっている
「にしても、まさかゴブリンロードとボアが同じ依頼だったとは…考えもしなかったわ」
「そうですよね、しかも私達がダウンしているときに限って現れるとは思いませんでしたけど、よかったです、無事に戻ってきてくれて」
ふたりとも少し目が潤っていた、不安にかられたんだろう、自分がその場にいなかったことの後悔で
「ごめん、ふたりとも次からは単独行動は控えるよ」
「当たり前です!私達3人は常に一緒に行動するんです!ね!マイ」
「そうよ、私の居場所はここしかないんだから勝手に死なれたら困るわ」
心配するカレンとすこしツンデレが入るマイ
「ん…ここ…は?」
「起きた?ライボルト、君戦闘終わって速攻で気絶かましたんだよ」
「はっ!?美少女3人に介抱されている僕!なんて幸せなんだ!こんな幸せは…ぐほぉ!?」
カレンがけが人に躊躇なく腹パンを決めている
「いい加減にしてくださいよ!あなたは何度言ったら諦めるんですか!」
「ははは!僕が諦めるなんてそうそうない…ぐばぁ!?」
ほんとけが人に躊躇なく蹴りを入れるマイ、そんなにライボルトをいじめないでやってくれよ…
「は…ははっ!ほんとライボルト君がいるとにぎやかだね、二人とも仲良くよってくれよ」
俺は笑った、この状況がおかしくて笑ってしまう、こんな日常はずっとずっと続けばいいなと心から思ってた
「嫌です!こんなストーカー紛いのことをする人と仲良くするなんて!」
「そうよ!まぁ…でも今回は感謝してあげる!あんたがいなかったら私達のハルが危なかったからね!」
おっと余計な一言が聞こえたけど、やっぱりツンデレかなマイは、後しれっと上からなのね
「ふっ僕は何度言っても諦めない!僕は君たちとお茶がしたいだけなのだ!後それと僕のことはライって呼んでくれ!ってぐばらぁああああ」
3人がドタバタやってる所みると結構いいパーティなんだな思う俺だった
ー読者のみなさまへ
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