美少女魔王 第7話 [喜び]
「おめでとうございます!あなた達はCランクに昇格です!」
俺たちは先の一件でDランクからCランクに昇格したのだ、理由は魔王級魔物を倒したからだ、どうやらこの盗賊の一件は上のほうでかなり頭を抱える問題だったようだ、現在この街では別の一件でAランクはいなかったらしくそうとう問題視されているのをやってのけたので昇格することになったのだ
「そんな簡単にあげていいのかなぁ…?ランク…」
「いいじゃないですか、私も前はCランクだったんですよ?パーティが壊滅しなければ」
ちょっと遠い目をするカレンさん
「何そのランクって?」
不思議そうにギルドの仕組みを理解しない猫耳娘マイさん
「それなら私が説明します!でもめんどくさいので大まかに説明しますと、ランクは5つありどんどん依頼をこなしていきランクを上げるんですよ!高ランクになればなるほど高難度依頼を受けることが可能になります」
「へぇ…そうなんだ?」
「ちなみに…マイさん?でしたっけ、あなたもこの人達のパーティに加入であればCランクからのスタートができますよ」
「へぇ~そうなんだ!」
かいつまんだ説明を受けてようやく理解した猫耳娘マイさん
「でも私たちはただ取られたものを取り返したついでに魔王討伐しただけなんだけどなぁ」
「いや…それが異常なんですけど…」
受付嬢は苦笑いをしてらっしゃる
「じゃあ、Cランクに上がったからもう少し違う依頼を受けようか…な…?」
なにやら後ろの方で騒がしいな?なんかこうキラキラしたなにかが来ているような気がする?
「道を開けたまえ!Aランク冒険者ライボルト様のお通りだ!」
取り巻きがなにかを言っているけどまぁこっちには向かないだろうと思い依頼書をじっくりと見ていると、後ろからなんか来た
「君?そこは僕が見るからどいてくれないかな?」
「はぁ…まぁ別にいいですけど…」
なんだ依頼書を見に来たのか、俺はそこからどいてちらっと顔を見たらばったりと目が合ってしまった
「…う…」
う?
「麗しい!なんてなんて可愛い女の子なんだ!こんな女の子がこんなところにいるなんて!しかも周りの女の子も可愛い子だらけじゃないか!美人に猫耳少女!」
な、なんだ急になんなんだこいつ!?俺たちのパーティをジロジロみて、まぁ俺が美少女なのは間違っていないがな
ふふんとした顔をしているといきなり肩を掴まれた、うわ…こいつ力強よ!?
「是非僕のパーティに入らないか!大丈夫僕はAランクだから色んなものを与えられるよ!もし良かったら僕の家まで…ぐぼぉ!?」
なんかナンパらしいものを受けているとカレンが杖でライボルトの顔をぶっ飛ばしていた
「ハルさんをナンパなんて百億年早いんですよ!行きましょこんな人と関わっていけないと私の勘が囁いています」
おや、そうとう激おこであるカレンさんに腕を引っ張られた、生前でなにかされたのかな?
「ま、まってくれ!僕はただ君たちとお茶をしたいだけなんだ!」
「いい加減にしないと、私のメテオ放ちますよ?割とまじで」
「ひぇ!?」
やっぱり激おこを超えてるレベルだった、今後カレンさんを怒らせないようにしようと思うハルとマイであった
そして俺たち一行はギルドを後にした
「はぁースッキリしました!ハルさんもだめですよ!あんな男に言い寄られては!」
ちょっとだけ怒りが混じっているけど、カレンはどうやら俺のことを守ってくれたらしい、つっても元が男なのでナンパされてもなんだこいつしか思ってないんだけど
「さてどうしようかな、ギルド内にはライボルト…さん?もいるから気軽に依頼を受けれない」
「でしたら、1回宿屋に帰りませんか?マイさんにも私たちのことを知ってもらうことがありますし」
あぁエルフのことね、確かに現状仲間内でわからないことがあるのは今後の為にもよくないし、一旦帰ることにした
「と、いうわけで!第二回食事会を開催しまーす!」
勢いよく宣言するカレンさん、おいまて第一回目は、どこにいったまさか俺がもぐもぐ食べてたあれが1回目なの!?
ちなみに用意されたのは、日本特有の鍋料理だ、この異世界にも鍋自体はあるんだが使い方を知らない人が多いためあまり売れないらしい
「な…鍋?私いまから鍋料理食べれるの?やだ…嬉しいし久しぶりすぎる…」
目の前の光景に目を奪われじゅるりとヨダレが落ちるのをどうにか防いでいる、鍋料理を知っていると言うことはやっぱりこの子も転生してきちゃった類いなのかな
「へっへーん、今回の目玉はこれですよ!そう蟹です蟹!今回の依頼の成功報酬でたんまり貰えたので奮発しちゃいました!」
「おぉぉおぉおおおお!蟹!?この世界にも蟹がいるのか!」
「えぇでも普通の蟹はバカデカイので今回は子蟹です、こっちなら一般的サイズなのでしかも身が固くなく柔らかいしジューシーなんですよ!お米が進みますね!」
ものすごくテンションが高いためキャラがブレブレのカレンさん
「…」
猫耳少女はえらくだんまりだ
「どうしたの?マイ?鍋いやだった?」
「ううん…違うの…ただねいいのかなって、私こんな贅沢してもいいのかなって…こっちに来たときから盗賊でこきつかわれ、食事もろくに取れなかったし…私こんないい思いしていいのかな?」
猫耳少女は泣いていた、目を紅くさせこの幸せを感じて泣いていた
「なにいってるんですか!いいに決まってるじゃないですか、前にも言いましたけど私たちはマイさんに助けられたんです、マイさんの行動が今の未来を導いてくれたんです」
「そうだよ、マイ…君は君の力で自由を勝ち取ったんだ!そして涙は似合わないやっぱり笑顔じゃないとな!」
俺とカレンはニッコリと笑う
「うん…ありがと!私…2人に会えてよかった!」
マイも泣きながら笑顔で答えた
その日、俺たち3人は仲良く鍋をつつき一緒に夜を過ごした
ー読者のみなさまへ
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