17話 オークロードΩの真実
私達はオークロードΩの討伐のためドラゴンを走らせてランベル高原に向かった。
討伐しなくてもいいかもしれない理由が会えばわかるか。楽しみだ。
どんな裏事情とかあるのかな?もしかして人間になりたかったオークロードとかかな?もしそうなら本にでもしてやろうとか考えながらドラゴンを走らせ、木々をかき分けランベル高原に出た。
とても広い。
端から端まで1キロちょっとはあると思う。
オークロードΩがとても強くてもこれだけあれば逃げれるだろう。
逆に言えばオークロードΩに逃げられる可能性も高いという訳だ。
まぁここで待つのもめんどくさい。
冗談のつもりで
「オークロードΩさ~ん出ておいで~討伐してあげから~」と言うと
「君たちは冒険者かな?それで僕を討伐しに来たのかい?遂にそんな日が来てしまったか。ちょっと待ってて今行くから。でも出来るならちょっと話聞いて欲しいな。」と低い声で返ってきた。
さすがに驚いた。
返事が返ってくるなんて思ってもなかった。
一応簡易結界張っておいた。
ズンズンズンズン
オークロードΩが近づいてくる。
まだ姿は見えない。
ドン
オークロードΩが来た。
体長180センチメートルほど私たちより数十センチ高いくらいだ。体重は推定300キロはありそうだ。武器はビックアックス 詳しい名前はわからないがとりあえず大きい斧だからそう呼ぼう。
話を聞いて欲しいとか言ってたな。
聞いてやろうというかなぜ話せるのだ。
「ねぇオークロードΩさん?なんで話せるの?」
「今から話す。長くなるかもしれないけど聞いてくれるかな?まず僕はもともと日本でサラリーマンをしてた。知らないと思うけど東京の大手食品会社の青葉食品会社でリストラをする仕事をしててね。他人を辞めさせたりする仕事にうんざりして会社を辞めようかと思ってた矢先僕はね今までにリストラした人に駅で電車に突き飛ばされて死んだんだよ。それで目が覚めると暗い部屋にいてね、そこでユーリアとかいう男の神にあったんだよ。それで異世界転生するか日本で赤子からやり直すか魔王にでもなるかの選択をさせられてね僕は異世界転生を希望したの。そしたら成功率は75パーセントくらいで残りの25パーセントは失敗で失敗するとどうなるかは知らないけどまぁいいかと言われて転生したんだよ。そしたらオークになっていた。異世界に転生すること自体は成功したよ、でも人間じゃない…失敗したんだ。」
ここまで聞いて由香が口を開いた。
「ねぇ東京の青葉食品って言った?社長の名前わかる?」
なんか悲しそうな顔をしている。
「青葉高志社長だったと思うがどうかしたのかい?」
「やっぱり…やっぱり私のパパの会社だ…うっぐすっぐすっごめんなさい話を続け下さいうっ」
「ということは君は社長の娘の由香さんかな?」
「はい…ごめんなさいごめんなさい」
「君が謝ることなんてないよ。悪いのは君じゃない。それじゃあ話を続けるよ。オークになってしまった俺はこんな姿になってしまったが心は人間だ。だから近くのゴブリンやオークやコボルトを殺しまくって人に危害を加えるやつを排除していたんだ。そしたらいつの間にかオークだったのに進化してオークロードになってしまっていたのだ。俺が人間だった証拠はこの会社に入って稼いだ金で買ったオメガの時計だけだ。これだけはそのままこの世界に入ってきた。」と言ってオークロードΩはズボンのポケットからひとつの時計を取り出した。
そうかこれがオークロードΩのオメガか、しかしこの世界の人があの時計をオメガのものなんて知るはずが無いはずだ。
日本とかからの転生冒険者が言ったのだろうか。
それよりも昔から由香とは一緒にいたがそんな大手の社長令嬢だなんて聞いた事ないぞ。
青葉食品って言ったらあれでしょ?月の利益金が49兆円とか言う会社でそのお金の大半は海外でボランティア活動の費用や栄養食品とかを貧しい地域に送ってるとかに使うというあの会社でしょ?ニュースで見た事ある。
「これを見て日本を懐かしむんだ。そして俺が心まで獣にならないように言い聞かせるんだ。俺は人間だってね。そうして目に入ったゴブリンとかを処理して行くためにこのビックスマッシュアックスを自作したんだよ。ほら作りがだいぶ雑だろ?」
そういって斧を見せてきた。
確かに言われてみればあちらこちらに凹凸があるな。
「俺はこの前そこら辺にあったゴブリンの巣を潰しに行った時10匹程度のゴブリンを取り逃しちまってな下の方の人間の住む街に逃げていったんだよ。多分それで俺に討伐命令が出たんだよな。さっ俺は抵抗しない。殺してくれ。」
「できないよ!」由香が叫んだ。
「だってさだってさ日本で頑張ってて罪もないのに殺されて転生したらオークでそれでも人間のためにと思ってゴブリンとかを駆除してくれていた人を殺せって?出来るわけないじゃん!」
私も同意見だ。
人間に害を及ぼすどころかこの人は姿こそあれだが中はいい人だ。殺さなければならない理由がない。
「だって私の会社の社員さんだったんでしょ?絶対殺せない!何かあなたを助ける方法を探すから待ってて。」
「いやもういいよ。討伐依頼が出たのなら君たちがたとえ見逃してくれてもいずれ他の冒険者に殺される。結局は殺されるんだ。最後に会えたのが青葉食品の令嬢とその友達で良かったよ。さぁクエストを達成してくれ。」
どうにかして彼を助けたい。
そう思うが何が出来るかな?あっもしかしたらあれが使えるかも!と思い私はスクリーンを操作しmagicを開いた。
|Lower magic《小型化魔法》を使えるかもしれない。
これは魔法継承の時に面白いから使えるようになっておきなと言われ使えるようになった。
この魔法は基本なんでも小さくできるがモンスターにはやらない方がいい。
なぜかと言うと小さくなると素早さが上がるから逃げられやすいし小さいと隙間とかに入られると捜索できなくなるからだ。
そんなことよりこのオークロードΩさんをこれで小さくして無害を証明すればギルドもそれで許してくれるのでは無いかと考えた。
「ねぇオークロードΩさん?もしかしたらあなたを討伐せずに済むかもしれない方法があるかもしれません。試してみませんか?」
「だからお嬢ちゃん見逃しても一緒だよ」
「違います。私の魔法で大抵のものを小さくする魔法があるのです。それ使ってあなたを小さくしギルドに連れていき無害であることを証明し討伐依頼を無くしてもらうのです。どうですか?」
「ふーむ面白そうだな。まぁギルドに着いた瞬間斬られるかもな。はっはっはまぁ試してみようか。」
魔法を発動させた。
「スモールコンバージョン!」
するとオークロードΩは2.30センチ程になった。
ストレージの中に入れるのは可哀想なので私のドラゴンに乗せることにした。
ギルドで無害であることを認めてもらいむしろ人間を助けてくれてるから討伐なんてしなくていいと認めさせ討伐依頼を取り消してもらおう。
そうすればオークロードΩさんが死ぬことはない。
「ところでオークロードΩさん?名前は?なんて呼べばいい?」
「そうだな名前は武田勇羽だ。どう呼んでくれても構わない。」
「じゃあゆうちゃんね」
おい由香この人話聞いてた限りじゃそんな若い人じゃないと思うぞ。
「ゆうちゃんかふふっ学生時代に戻ったみたいだ。ところでお嬢ちゃん名前は?」
「私は氷川楓です。由香とは幼馴染です。討伐依頼取り消せるといいですね。」
そう言ってドラゴンを走らせた。
また更新遅くなってしまいすみません。理由としては続編を書いてたはずなのに完成してから見直したらストーリーが外伝かラストみたいな内容になっていてその時間で遅れました。言い訳ばかりですみません。
でも毎日1更新は守っていきたいと思います。