15話 ルーミアという修道女
私達はギルドに帰ってくるとドラゴンの討伐確認とドラゴンの首の刃キズと今回討伐に向かったメンバーの証言で私がドラゴンのトドメを刺しそれなりの活躍をしたことを認められ正式にドラゴンスレイヤーとして認められた。
それが終わると簡易パーティーは解散した。
紅炎さんにパーティーメンバーのお誘いをしようとしたがどこかへ行ってしまった。
ドラゴン討伐の報酬の他に人害ドラゴンの討伐特別報酬金として1千万オシリスを受け取る権利を得た。
なんですぐ受け取らないか?それは明日が転生してきてちょうど1週間。
所持金調整日だからだ。
それに明日は口座が開設される日だ。
それになんと言っても家の完成予定日でもある。
でも家は私の知ってる家は普通数ヶ月かけて作るものだから1週間というのはまぁ嘘というか商売で売ろうとして口が滑ったのかなと思っている。
人間お金があるだけで心が広くなりなんでも許せてしまうように感じてしまう。
なんて人間はチョロいのだろう…。
お金があるないで性格まで変わってしまうなんて…。
と思っているとギルドのお姉さんがこんなことを言った。
「なんか全てが上手く行き過ぎてる人ってあとで大暴落するのよね」
ちょ!なんてことを言ってくれてる!フラグがたった…それも結構大きな…死亡フラグレベルか…。
ドタバタドタバタ
「かっ楓!たったたた大変だよ!」
由香が大急ぎで来た。
あーあフラグ回収始まったか…早すぎだよ…。
「由香どうしたの?何があったの?」
「あっあのさそのルーミアさんから貰った袋開けた?」
袋?ああなんか名前の書いてある小袋か。
まだポケットに入ったままだ。
「まだ開けてないけどどうしたの?」
「ははははっ早くあっ開けてみてよ。」
とりあえず落ち着けと言いたい。
「まぁ落ち着いて落ち着いて。」
「無理!」
即答かよってか何がそんなに由香を興奮させてるわけ?異世界転生決めた時より楽しそう。
私は袋の口を緩め手の上に何かを出した。
それは12色に輝く石だった。
とても綺麗で光が当たるとキラリと輝く。
これがどうしたのだろう。由香ってストーンマニアとか石の好きな子だっけ?
「この石綺麗だね。この石がどうしたの?キラキラしてるのが凄いってこと?」
「違うのいや違わなくはないけど違うのそうじゃなくてえっとえっとその石はねあのその」
なんか訳分からんな。
何かを言おうとしているがよくわからない由香の代わりにギルドの職員の黒縁メガネの良く似合う人が
「それ…もしかしてマジカルストーンじゃないですか?光る色だけ強くなるとかいう。それに光ってる色の属性が超特化するという」
マジカルストーン?名前からして魔石の1種だろう。
「マジカルストーンは他の上級魔石が1立方平方キロメートルに10個~15個に比べマジカルストーンの天然純度100パーセントは200万立方平方キロメートルにひとつあるかないか。この石はかつてのドラゴンや魔族の上位種の死体からあふれる魔力が閉じ込められたとかイシス様の降臨地やオシリスの降臨地で幸福を閉じ込めて置いていったとか様々な説があり純度100パーセントなんて見た事がない。それも天然の。人工的に作ろうとしても純度83パーセントが限界で純度90パーセントを超えないと輝かないし強くもなれない。でもなぜ君たちが持っているのだい?」
「えっとこれはイシス教会に龍の肉を届けに行って帰りにルーミアさんという修道女さんから全員に渡されたのです。」
「「「全員に!?」」」
ギルドの人がものすごい反応をした。
「私は若草色で風属性強化の石だったの。楓ちゃん12色って全属性特化じゃない?すごいよ!」
そうなんだ。なんかわかんないけどとてもすごい石らしいことはわかった。
「ギっギルドからも教会にお礼をしておきます。どこのイシス教会ですか?」
「アーミル教会です。」
「今すぐ内線通して!」
ルールルルールル呼び出し音が聞こえる。
ピッ「はいこちらアーミルイシス教会です。ギルドから連絡とは何かありましたか?」
「あのですね。お礼がしたくて連絡をさせてもらいました。ルーミアさんという修道女さんは今いらっしゃいますか?」
「ルーミア…ですか?うちの教会にそのような修道女はおりませんが何かあったのですか?」
「えっ?いない?えーっと事情としては龍の肉を届けに行ったところルーミアさんという修道女の方に出迎えられ龍の肉鎮魂の儀式を行い教会内の紹介と料理を振舞ってもらい、帰りに小袋をもらいその中身を開けてみたら純度100パーセントのマジカルストーンが入っていてお礼の連絡をさせて頂いた次第なんですが…」
「龍の肉を?確かにありましたね。それを届けてくださったのですか?鎮魂も清めも終わって完璧な状態のものがありましたね。修道女でも作法は極1部しか知らないはずだし普通の人なんてもっと知らないはずなのに出来ていて驚いていたのです。ちょっと届けに来てくれた方に変わってもらってもいいですか?」
「えっと代わりました氷川楓です。」
「カエデさんですか。えっと教会に入った時にルーミアさん以外に修道女は見ましたか?祭壇前でも食事を取った広間でもいいのですが。あと精霊の話を聞いたことはありませんか?」
他の修道女さんかそう言えば見てないな
「修道女さんは見てないです。精霊の話はアキュアという精霊がいることや守護弓の話も聞きました。」
「やっぱり…ルーミアさんの容姿はどんな感じでした?」
「青髪碧眼ですらっとしたオトナって感じの方でした。」
「いつ頃訪問されました?」
「朝の8時頃です。」
「その時間は私達修道女が朝の礼拝をしていた頃です。でも会っていないということはやはりそのルーミアさんという方はイシス様であった可能性が高いです。あなた達はイシス様に会ったのですよ。わかりました。協力ありがとうございました。女神イシス様の御加護がありますよう。」
ピッ 一方的だが内線が切れた。
あの修道女さんが祭壇にあったあの像の本物?確かに似てなかったこともないな。
私達はオシリスの次にイシス様の加護を受けたことになる。
なんとまぁ出来すぎてる異世界生活だろうか。
このままならいいがほんとにお姉さんの言う通り大暴落したら大変なことだ。
問題は起こさないようにしよう。それが引き金になりかねないからね。
私はオシリスとイシスと雷炎竜の加護を得た。
由香は水風龍とイシスの加護を得た。
疾風の魔女は加護に入るのか微妙なので保留だ。
ちょっと更新ペースが遅くなりすいません。理由としてはあまり言えませんが生活が忙しく書く時間が減ったのと並行して作ろうとしているもののどれになってもいいように次のを考えたり他の人のを手伝ったりしていると「私の異世界生活」に割ける時間が減ってしまったのです。すいません(>_<)
だからといって「私の異世界生活」を疎かにする気はありません。なのでそこは安心してください。