第14話 アフリカゾウと立夏の未来
あれだけ部屋から出るのを渋っていた立夏が、
人生ゲームの辛さからか、冷静な判断を失い、
ジャンケンと言う1/3で全てが決まる賭けに出て、
そして…秋菜の前で俺をすっぽんぽんにさせようとしている。
これは…
「…負けられない」
立夏は床に座り込んだまま。
俺はそのばで立ち上がり。
互いに拳を握り、挑むは心理戦。
「…いくよ、じゃーんけーん」
「ま、待って立夏! まだ心の準備がっ」
あれから泣き止み、少し疲れた表情を見せている立夏。
まるで何も考えていないかのように、さっさとジャンケンをしましょ的なノリに乗っていた。
「…もう、早くやろうよ」
と、ぷくーっと不機嫌そうに俺を急かす立夏。
泣き垂れたそのジト目も相まり、完璧駄々っ子みたいになってる。可愛い。
「お、おう! こうなりゃヤケだ、お兄ちゃんも覚悟を決めるぜ!」
負けたら秋菜の前ですっぽんぽん。
恐らく…そうなったら、
先ずに始まるアフリカゾウの象牙の密輸。
つまりは…チョッキンチョ!
次に象の紅玉叱りに狩り後の剥ぎ取り。
何かレアな防具の素材にでも。
そして森林伐採の如き焼き討ち。
黒く深い森は跡形もなく焼け…2度と象は戻って来ないだろう。
「……っ」
何故だかお股がヒュンってした。
負けられない…絶対に負けられない…
「……いくよ」
立夏の合図で、始まる1回のジャンケン。
グーを出すか、チョキを出すか、はたまたパーを出すか。
3択の心理戦。
吉と出るか凶と出るか。
守り通すは我がアフリカゾウ。
全ては、生命の未来を守るため。
そして、
立夏の未来を守る為に。
「じゃーんけーん…ぽいっ」
一か八かの大勝負。
あっさり決まる大勝負。
俺はもう何も考えずに、拳を出した。
今回すんごく短くてスミマセン…
…ニートな妹と血塗られたぱんつ、残り2話で完結です。