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「戸勝強とは、初めて会った時から二度違う場所で会っていたんですよ」

「えー。初耳じゃない。なんで教えてくれなかったのよ」

「いやまぁ、会ったって言っても話しかけたわけでもなければ、俺が見つけたって程度ですから。でも一度目は人形を買ったりしてて、二度目は成人エロ本を立ち読みしていました。人形はまぁ女心だったとしても、男物のエロ本をみるなんて性欲は男並みなんでしょうね」

「なにそれー。でもまぁ文士君が大活躍したことにはかわりはないはね」理沙さんに褒められてふと、大切な事を思い出した。

「そうだ。理沙さん。お礼を下さいよ。玖珂らむ子ちゃんの」

「あら、そうだったわね。忘れていたわ」

「忘れてたってそれはないですよ~。俺ずっとタダ働きだったんスからね」

「ごめんごめん。分かってるって。明日ユースケにもらってよ。今日は持っていないから」

そう言う理沙さんの声はいつもよりも声が高い。


 翌日学校に行くとユースケが「これ姉ちゃんから」と言って、小さな袋を渡された。ドキドキと胸を弾ませて中を開ける。

 そこには、2枚の写真と、一枚の封筒が入っていた。封を開けると便箋が入っていて中を読み進めた。


 「指田文士君へ


 高校生活頑張ってね。 玖珂らむ子」と書いてあるではないかー。

 自、直筆の手紙?

 しかも本人から俺宛で? 考えただけで頭がくらくらとしてきて、鼻字が垂れた。

「おい、文士大丈夫かよ」ユースケが笑いながらも心配そうに言う。

「これはマジやばい」そして俺はそのまま気を失ったみたいで、よく寝たと目覚めたらそこは学校の保健室だった。

「気が付いた!?」

「ん、んんん。ふぁー。なんで俺こんなところに?」

「気を失って倒れて、山田君がここまで運んできてくれたのよ」

「マジっすかー」

ふぁーあーと欠伸をしてから、なんでこうなったんだっけと思い返した。

うあ、そうだった。こんなところで寝ている場合なんかじゃない。急いでベッドから降りて教室を戻ろうとする俺に林田先生が「どこにいくの?」と少し怒ったように訊いた。

「いや、もう大丈夫何で教室に戻ろうかと。それに俺の荷物取にいかないと」

「荷物ならここにあるわよ!?」

俺はすぐにカバンを奪う様にして取り、中身を開けた。玖珂らむ子ちゃんからの直筆レター。ないない。もしかして夢だったのか? そ、そんなあ。

と、内側についている小さなポケットを見るとそこに、見覚えのある封と、小さな袋が入っていた。すぐにそれを取り出し中を確認した。


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