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 授業が始まっても、早見さんとのコンビにでの出来事が頭から当分離れることはなかった。学年で一番可愛い早見さんに声をかけられることなんて、俺の人生でそんな光栄な事は初めてだったから。


 翌日の学校の帰り道、「文士君、乗って」と理沙さんが待っていた。「本当いきなりですよね。前もって連絡くださいよ」

「ごめんねー」


 理沙さんの車に乗り込むと理沙さんは話がきこえない様に配慮したのか、窓を閉めた。

「ユリンのことだけど、自殺だと確定されたわ」

「え、でもそんなのは素人意見だっていっていたじゃないスか」

「もう一度戸勝強の所に行ってみようと思うのよ。スーツに着替えてね」

「なんでまた戸勝強の所になんか?」

「ユリンが自殺と確定した時点で、山地静雄の殺人犯はユリンである可能性が高くなったんだけど、殺人犯の証拠としては、それだけじゃ足りないから当然のことなのよ」

そんなもんなのか、刑事の仕事も大変だよなあと、線路を走る貨物列車を見た。

スーツに着替え戸村強の家に行くと、相変わらず家は綺麗に整頓されていた。

「草野哲美が自殺されたのはご存じで?」

「えぇ、残念です。まさか自殺するなんて思っていなくて、何と言っていいか」


寝室の方に置いてあったブラジャーが今日は落ちていないか、気になって、まるで理沙さんと戸勝強の会話が入ってこなかった。

「それで、草野哲美さんとのご関係をもう一度聴きますが、肉体関係はなかったんですよね」

理沙さんが事実確認をしている時に、コンビニで感じた偉和感を明らかにさせようと、懸命に話を聞いている様なフリをして左手の肘を机に付けてから、おでこの方で左手を置いて、戸村強の裸を確認した。

 すね毛の無い綺麗な脚。いったいなにがおかしいのだろうか。男のくせに綺麗な上半身。綺麗な顔に似合った身体とでも言おうか。

 ん? それにしたって、なにかが足りねえ。戸村強の頭のてっぺんから足まで、眺めてから、その正体が判った。

 意外な展開に驚きはしたが、そういう目で見てみたら色々と納得がいく点が多い。戸村強がトイレに言った隙に、理沙さんに衝撃の事実を伝えた。

 トイレから戻った戸勝強に「山地静雄さんってユリンと肉体関係があったことを戸勝さんに話したという証言があるのだけど、ご存じでしたか?」

「いいえ」

「そうですか。二人はどうやら、かなり肉体の相性が良かったようで、一日に3度身体を重ねる事があったみたいで、ここだけの話、山地さんは草野さんに愛していると何度も口にしていた様です」

「……」


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