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それから三日後、理沙さんに学校帰りに捕まった。まるで人さらいかのようにして。

「もしかして、俺が通るのを待っていたんですか?」

「文士君なかなか来ないだから。随分と待ったわよ」

「電話してくれればいいじゃないですか」

「そうなんだけどさ、授業中だったらいけないと思ったし」へぇ。そういう気遣いは出来るんだ。そこはユースケと違うところかも。

「それならメールでもくれれば」47

「だって私、文士君のメアド知らないし」

「そりゃあ、そうッスけど、いきなり待ち伏せされてもビックリしますって。なんならユースケにでも言って伝えてもらうたか」

「それもそうね。気が付かなかったわ。今度はそうしようかしらね。でも待って、貴方たちが同じクラスじゃないと意味がないじゃない?」

「同じクラスですって。聞いていなかったんですか?」

「あら、本当に?そういえば、そんな事聞いた様な気がするわね」

まぁ興味ない話だろうし、そもそも覚える気もなさそうだしな。

「でも今日はどうして?これからどこか行くんですか?」

「正解」そう言いながら、信号待ちをしている間にルームミラーで俺の顔を覗きながらそう言った。

 鏡越しの意志の強そうな濃いめの眉毛に、目が行く。

「一体どこに?」

「実はね、新たな証言が出てきたのよ」

「証言が?」

「そうなの、山地さんが亡くなった車内に一緒にいるのを見たって言う人が現れたの」

「間違いないんですか?」

「同乗していた人との証言とも一致しいるから間違いないわ」

「で、どんな人だったんですか?」

「それが、若い女だったらしいのよ」

「って事は、やっぱりユリンが?」

「そう見て間違いないと思う」

「でもなんで殺すなんてことを……」

「そうなのよね。そこなのよね。これと言って納得できるような動機が無いのよね」

「で、今からその動機を探しに行こうってわけですか?」

「そう正解!冴えてるじゃない」



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