表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/47

12

「それで、文士君が霊能力があるのね?」

「はい、霊能力とかまで言えるかどうかは……。でもまあ今日気が付いたばかりでして。いつなくなるかわからないし」

「裸が見えるっていうのは左手だけ? 右手では見えないの」

「左手だけです。右手は見えません」こんな話をしていて大丈夫なのだろうかと少し不安になった。少し間違えれば相当イタイ人間の話だ。


「どうしてそんな能力が急に使えるようになったのかしら。それは叔母さんと関係あるのかな? 神永先生、叔母さんには何か言われた?」

「特に何も言われては無いですけど。そう言われれば」

「なに、何か思い出した?」


「そういえば、夢の中に叔母が出てきたんです。それで貴方に何か力を与えるって言っていて」夢の話なんか信じてくれるのだろうか。でもやはり女性だからなのか、ユースケみたいに馬鹿にしたりはしないんだな。女性ってこういう話が好きって何かの本で見た気がするが、案外本当なんだな。


「なるほどね。ここからは姉ちゃん文士君と二人で話したいからユースケは部屋に戻っててくれる?」


 なに、その設定。二人で話すとか。とてつもなく嫌な予感しかしない。頼むユースケ俺を置いていかないでくれ捨てられた仔犬の様な顔をしてユースケの顔を見て助けを求める。

 おい、気付けユースケ。

 しかし、ユースケはお姉さんにの前では強く出れないのか、何故か部屋の壁を見つめている。


「いやあ、でも」仕方なく弱めすぎではあるが軽めに反論してみる。

「大丈夫よね。文士君。悪い事はしないから。なんだったらもう少し玖珂らむ子ちゃんの写真あげるから。好きなんでしょう?」

「本当ですか」玖珂らむ子ちゃんの事になると、自分が例え不利になろうともOKしてしまう俺。

なんだかもしかして、操られてる!?」


「本当よ。もう少し付き合ってくれたらさ、これドーンとあげちゃうから」


これは。玖珂らむ子ちゃんのカード写真じゃねえか。忘れもしない、金が足りなくて買いそびれていたやつじゃねえかよ。

「す、げえ。なんでこれを」お姉さんもファンなのか?

「うふふ、ちょっとしたコネがあってね」


「文士、俺そろそろ部屋に戻るわ。そのカードもらう為に頑張ってくれ。じゃ」


 俺が返事をする間もなく、ユースケはまるでライオンに狙われた獲物にでもなったかの様にしてお姉さんの部屋を出て行ってしまった。

 薄情者め!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ