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「お前だから教えるんだからな。絶対に誰にも言うなよ」

「分かってるって」

「ハダカが見えるんだ」

「誰の」ユースケがポカーンとした顔で訊いている。まぁ逆の立場でもこんなもんだろう。

「人間の」


――ガハハハハハハハハハハ


ユースケがありえないというように、ゲラゲラと笑った。なんだか馬鹿にされたようでイラつく。

「てめえこの野郎! 笑いやがったな。もういい」

「いや。ごめん、ごめん」

「どうせ信じてないんだろう。だから言うのは嫌だったのに」

「ごめんって、でも一ついい? それはお前の妄想のハダカじゃなくてか」こーいうやつだよ。コイツはよ。だから話たくなかったというのに。


「あ~もう。もういい。訊かなかったことにしてくれ。この写真はそこまで話した報酬として受け取っておく」妥当な判断だ。言いたくないことを言った挙句、馬鹿にされたのだから。


「ごめん、ごめん。もう絶対そんな事言わないから、お願い俺を助けてくれ」

「次、馬鹿にしたら一生お前とは縁を切るからな」

「そんな事いわないでさ~」

「俺も今日気がついたんだけど、こうやって左手かざしておじいさんを見たら手術の跡があって、それでおじいさんがこけそうになるのを助けたときに、その傷跡が本当にあるって事をおじいさんが自分で話してきたんだよ」

「でも、お前それあれだろう? 透けた服着てたとかじゃないのか」

「いや、左手をはずしたら普通の服だったよ。っていうか、傷跡が見えるくらいに透けた服って一体どんな服だよ」


「じゃあさー、例えば俺の裸もみえるわけか」

「多分な」

「じゃあここで、文士ちゃんにクイズです。僕ちゃんは今、どんなパンツを履いているでしょうか」

「馬鹿。パンツじゃなくて裸でみえるんだよ」

「うおぉお。 そっか。じゃあ一番大事な所は隠しておくから、それで俺の身体どんな感じかあててみてくれよ」

「なんで俺がお前の裸なんか見ないといけないんだよ」

「まぁまぁ、細かいことはいいじゃないの。そう固い事を言わないでも」


仕方がない、ここまで話したんだからやってあげるとするか。ユースケの身体に左手をかざす。

「あ、お前」


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