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第一章 ラブ注入

第一章 ラブ注入


 「文士お前に力を分け与えてやろう」そう言って、叔母は俺の身体に魂の様なものを身体に向かって投げつけてきた。

 眩しい光に包まれながら目を瞑る。

一体なにが起きているのだろうか?


――ジリリリリリリン


ん、んん。


なんだ、夢だったのか。よく死んだ人が、お世話になった人に挨拶回りをするっていうけど、おばさんも挨拶をしに俺の所にきたのか?

もっと「ありがとう」とかさ、そういう言葉があるだろう?


「文士、朝ご飯出来ているから早く下に下りていらっしゃい」

「分かってる」


 毎日毎日、なんでこうオカンは朝っぱらからあんなに元気のいい声がだせるのかねえ。 

「やっと、下りてきた。早く顔洗っていらっしゃい。っていうかその髪どうしたの?パイナップルが出来ましたって感じになっているわよ。水で濡らして髪の毛も整えなさいよ」

「へ~い」


 なんだよ、頭がパイナップルってゆうのはよ。

……いや。そう言われれば俺の髪の毛、たしかにパイナップルに似ている。ウマい事言うよな。って感心している場合かよ。


 高校生にでもなったら、俺だってオシャレに目覚めるだろう、と思っていたのだが、あれだな。

 ただ、中学生から高校生になったというだけで、特別なにも変わらんな。あれだな小学一年生の時には小学六年生がすげえ大人に見えていたのだが、いざ自分が小学六年生になってみた時に、まだまだ子供じゃねえかって思う事に似ているよな。


 髪の毛を水に濡らしたのはいいが、水の量が多すぎたのか水がしたたり落ちてくる。俺は外見をそこまで気にする方じゃないにしても、さすがにパイナップル頭じゃ学校に行けないもんな。

 まず、後ろにいるやつが黒板がみえんだろ?俺の頭のせいで。って待てよ? 俺そういえば一番後ろの席じゃん。


 そんなどうでもいい事ばかりを考えながら食パンをかじっている時に気が付いた。なんも味がねえ。

 そうだったわ、バターも塗らずに食べていたわ。たまにあるんだよな、こういう事が。

 

「文士、なに一人でうんうん頷いているのよ。早く食べて学校に行かないと遅れるわよ。弁当作ったけど、お味噌汁も持って行く?」

「いや、味噌汁はいい。学校に行ってまで味噌汁食いたくねえから」

「あら、そう。まあ持って行きたくないものを無理に進める必要もないわね」


 味噌汁じゃなくてさー、せめてコンソメスープとかさコーンポタージュとかなら持って行ってもいいけど、味噌汁っていうのはなあ。

 誤解のないように言っておくけど、あれだぞ?


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