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闇のそこから  作者: 兵頭
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はじまり

死ぬということは生きることと同意語であると祖父は言った。


「よいか、邑見おうみ

 わしらは人ならざる妖なる者共と共に時間を過ごす

 だからと言って奴らに魅入られてはならん

 奴らとは過ごす時間も、種族も、ましてや根源すら違う

 しかしわれらもろとも、死ねば力となりて

 更なる繁栄を手に入れるであろう

 われらの死とは、次代に紡ぐ新たな力よ

 生に囚われ、死と戯るな、邑見よ

 われら一族彼の者らと共に永劫の闇を生き抜くものぞ

 われらの死はわれらの生でもある

 それこそ人が人である前から続けてきた永劫の闇ぞ」


いつごろから僕らの力は発現したのか、そんな問いだったと思う。

祖父はいつも答えをくれているようであまり関係ないことを僕に答える。

以前の祖父はいつも威厳があり、うちの関連の一族の長たる力があるように見えた。

いつごろからだろうか。

いつのまにかそれらしいことをそれらしいようにいうだけの人形になった。


「承知しております

 しかし私の問うていますのはそういうことでは・・・」


「よいのだ

 承知しておればよいのだ

 それこそがあの狗神の者との違いとなる

 承知さえしていれば・・・」


狗神。

僕には師匠と呼べる人がいた。

もちろん、小さな頃からこうした訓練を受けていた僕は

いろいろな、例えば陰陽師というような人たちから

師事を受けてはいたが、彼ら人の身で異能の力を扱うものと

僕らは完全に力の根源が違う。

彼らは祈り、呪い、他者の力を自らのものとし扱う。

(中には例外もいるが・・・。)

その為人によってはとても万能に見える。

しかし僕らは他者の力を借りるわけではない。

己のうちにある、異形の者の血を引き出すのだ。

できることは限られているが、その分力は彼らの比ではない。

そのうちに彼らのような力を扱うこともできる、が。

僕は自分の力を抑えるためにもそれを覚えた。

自分の力を扱わなければ飲まれることも少ないからだ。


師匠は、飲まれることを恐れず、むしろその力を

「人」たる自分の意思で飲み込もうとするような人だった。

そのくせ、死にたがる。と、いうかそう見える人だった。

いつも危険だ、近づくなといわれるような場所に行き、

そこに犇めく悪霊やら妖怪やら(という表現のほうが分かりやすいからそういっておく)

そういうものたちを片っ端から殺しつくした。

そのうち逆に狙われるようになったようだがすべて返り討ちにしていたようだ。

あの人はそいつらを殺すとき決まってこう言う。


「バケモノを打ち倒すのはいつだって人だ

 貴様らバケモノに、俺を倒すことはできねえよ

 俺は獣を超え、妖を超え、人すら超える『魔人(神)』

 俺は狗神(が身)・・・

 俺を殺したければ、俺と同じく

 人を超えた神をつれて来い」

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