第二話
彼女と僕の共通点は、何となく性格が似ているという事。この何となくが、大切で、言葉ではなかなか伝えにくいが、どちらかといえば感じてほしいという感じ。
一見、おとなしそうに見えるが、二人きりになると、実はそうでもない。大胆と思っていたが、意外に恥ずかしがりの一面があるなど、恋愛には、こういうギャップは必要だ。
男という生き物は、ほとんど一瞬で恋に落ちえるが、女は、そう簡単に恋に落ちない。例えれば、男はガスコンロで、女は炭。
ガスコンロは、火がつくのは早いが、消えるのも早い。
炭は火がつくのは遅いが、一度火がつくと、なかなか消えない。
だから、男と女は難しいのである。そんなこといっても、この世には、男と女しかいないし、男から見れば、女は魅力的かつ神秘的であり、女から見てもまたそうである。
女心は秋の空とよく言うが、女は気分や機嫌がコロコロと秋の空のように変わりやすいし、移ろいやすい。だから、男は、そんな女に振り回されて、よく疲れる。こちらが主導権を握っていない恋愛なら尚更だ。
相手の言うことを、とりあえず聞いて、優しい男を演じ、嫌われないように神経を張りつめて努力し、家に帰って反省と無力感を何回も繰り返す。
そんなことを繰り返していくと、ある日こう思うことがある。
本当に好きなのだろうか?
この恋愛は楽しいのだろうか?
このまま続けていって何の意味があるのだろうか?
難しく考えれば考えるほど答えはでないし、無性に苦しくて、なぜか意味もなく腹が立つ時がある。
精神的におかしくなりそうになり、無理やり深呼吸をし、心を落ち着かせる。
こんな気持ちになる理由は彼女を好きになった以外、他にないのだが皮肉なことに、また彼女と会って抱きしめて、一時的に癒されて、また時間が経つにつれ苦しくなり、もがいては、またおかしくなる。
永遠の合法麻薬といっても過言ではない。