「パンツ見せて?」「ダメだこいつ」
この作品はフィクションです。
願望、切望が入り混じっておりますが気にしないでください。
「――お願いだからパンツを見せて!!ね?ちょっとだけだから!先っぽ、先っぽだけ見せてくれたらいいから!!てかむしろ色と柄だけでいいから!!それだけ、それだけでいいから!!だからお願いします……やっぱり見せてくださいお願いしますーー!!」
「……ダメだこいつ、早くなんとかしないと」
「ネタに困ってるんだよー。女の子のパンチラがうまく描けないんだよー」
「……泣くなよいい大人が。てか本気の土下座してまでってところが軽くドン引きなんだけど……」
「期限が明日までなんだよー!恥も外聞も無いとは俺も思ってるけど、でも今はほんとそんなこと言ってられる余裕が無いんだ!これ落としたら担当に何を言われるか……。だから頼む!パンツを、ちょっと恥らいながらパンチラをする美少女の役をお願いします、この通り!!」
「……ほんとダメだこいつ、もう手遅れだ」
「お願いだって!俺もう怒られたくないんだよ……。あの担当おかしいんだって。俺が原稿一日遅れただけですげえ怒鳴ってくるの」
「いや、当然でしょ。それが漫画家ってもんでしょ」
「違うんだって。アイツ異常なんだって。俺の家に来る時手土産持って来るんだけどさ」
「へぇ、いい人じゃないか、普通に」
「いや、俺だってお菓子とかご飯物とかだったら別にいいよ?締め切り前とか作る余裕ないから凄く助かるからさ。でもアイツは違うんだ。アイツは俺に飲食物ではなく本やビデオを持って来るんだ」
「??気分転換にいいんじゃないの?あ、でもそんな余裕ないか」
「お前は勘違いしてる。アイツが持ってくるのはただの本やビデオじゃないんだ。アイツはいつもR-18系を持ってくんだぞ!」
「うわぁ……。作家が作家なら編集者も編集者ってことか」
「何を言うか。俺以上に紳士な人間普通どこを探してもいないぞ?」
「変態紳士ですね、わかります」
「未成年ダメ、無理矢理ダメ、行為は付き合ってから」
「そういうところだけは評価してあげようと思う。他は何一つ評価出来ないけど、その一つだけは評価してあげる。これからも大事にね」
「じゃあパンチラを……!?」
「聞いてなかったのかクソ野朗?私は一切評価してないんだからな?」
「……はぁ、親友が俺のことをけなしてくるんだけど、何か質問ある?っと」
「掲示板にスレを建てるな」
「『親友が男か女による?』女に決まってんだろ言わせんな恥ずかしい」
「はいはい消すからねーポチッとな」
「俺のデータがーッ!!」
「大丈夫、主電源消しただけだから。漫画は手書きだからいけるでしょ?」
「あ、確かに。よく考えれば消えて困るものなんかなかった」
「さ、そういうことだから早く漫画書けよ。何のために私が来たと思ってんだ」
「パンツ?」
「ふざけんな。昨日メールでお前に伝えたいことがある。だから明日かわいい服装で家に来てくれって言ったのは本気でこのためだったのか」
「うん」
「即答するなよ」
「仕方ないじゃん。俺にパンツ見せてくれそうな知り合いってお前しかいないし」
「担当がいるだろ」
「あんな奴のパンツ見るなら自分で女物のパンツ履いて鏡見ながら書くよ」
「……想像したら吐き気が」
「だからお前のパンツを見せてくれ」
「もうほんとダメだこいつ、早く原稿落とせばいいのに」
「こんなに頼んでいるのにダメか」
「当然だよ。私はパンツを見せるのは結婚する相手だけと決めているからね」
「じゃあ結婚して。俺も早く捨てたいんだよ、いろいろと」
「ほんとダメだこいつ、私がいないと何も出来ない――ふ、不束者ですがよ、よろしくおねがいします」
「こちらこそお願いします――さ、じゃあまずパンチラから」
爆発しろ