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悪役令嬢ですので護衛騎士を断罪しました  作者: ましろゆきな


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第四章:王太子へのハニートラップと屈辱の進捗報告

 王都へ戻ったルクレツィアは、カインの「道具」として、再び社交界の舞台に立った。与えられた使命は、王太子アシュトン殿下を完全に篭絡し、王室中枢の機密情報をカインの元へ流すこと。


 王太子アシュトン殿下は、輝く金髪と空色の瞳を持つ、正統派の美青年だ。彼は政治的な才覚も備えていたが、ルクレツィアはカインの冷徹な命令を背に、悪役令嬢としての全てを賭けたラブゲームを仕掛けた。


 1. 完璧な情報戦と献身


 ルクレツィアは、アシュトン殿下の政治的な弱点を徹底的に洗い出し、彼が老練なマルケス・グレイフ公爵との権力闘争に苛まれていることを知る。彼女は知恵と献身で彼を支える完璧な理解者を演じた。


「殿下、グレイフ公爵家の財源を断つには、この裏ルートを使うのが得策かと。わたくしが、公爵家の情報網を使い、先手を打ちましょう」


 ルクレツィアの明晰な頭脳と、公爵令嬢としての権力が、アシュトン殿下の孤独な戦いを確実に優位に進めていく。殿下は、美貌だけでなく、知恵でもルクレツィアに深く依存し始めた。


 2. 肉体の誘惑と最後の「貞節」


 そして、肉体的な誘惑。


 ルクレツィアの細身でありながらも、殿下の理性を揺さぶる計算された体躯と、完璧に計算された振る舞いは、アシュトン殿下の理性を壊すのに十分だった。


 夜会の後、自室で二人きりになったとき、殿下の理性は何度も限界を迎えた。彼はギリシャ彫刻のような均整の取れた体でルクレツィアを寝台に追い詰め、熱い口付けを繰り返した。


「ルクレツィア……君は、私の心の支えだ。君なしでは、私は王になれない」


 その口付けは深く、激しいものだった。ルクレツィアの首筋や鎖骨には、殿下の愛と執着の印であるキスマークがいくつも刻まれた。


 しかし、ルクレツィアは最後の境界線だけは守り抜いた。


「殿下、わたくしは貴女様の王妃になるのです。その貞節は、婚姻の夜まで、貴女様だけの特権として残したいのです」


 王太子は、ルクレツィアの『純潔の盾』を、「愛の深さの証」として受け入れた。この巧妙な駆け引きによって、彼の執着心はさらに強まった。


 3. カインへの屈辱的な報告


 そして毎週、ルクレツィアは、この屈辱的な成果を、辺境の「無冠の支配者」へ報告しなければならなかった。


『私の主人、カイン様。王太子殿下の篭絡は順調です。今朝も殿下は、私の首筋に愛の証を刻まれました。私の貞節が、彼の独占欲を刺激する鍵となっています。 ご覧ください、カイン様。あなたの道具は、これほどまでに優秀なのです』


 この赤裸々な報告は、カインへの忠誠であると同時に、「あなたの支配は、私がいなければ成り立たない」という、ルクレツィアの最後の抵抗でもあった。


 そして、この手紙こそが、辺境の執務室で冷徹な支配者の仮面を被っていたカインの理性を破壊する引き金となるのだった。

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