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06S.蒔かれた種

蓮沼シロは「妖精アイリス」に、言いました。「種は、蒔かれてどうなったの。」すると、それに反応するように、アイリスが答えました。「三位一体神の種(原初の種)は、既に相応しい大地が見付かり、そこに蒔かれました。そこは〝全知全能の神″の眼の中に在った、新しい星に蒔かれたのです。」


「星は、生まれたばかりで有れば、大気が燃焼しました。それが長い年月が経つと、大気が静かに成り、穏やかに成りました。そしてその星は、生物が生まれる環境に、変わるのです。その穏やかに成った大気の星に、種は蒔かれました。」妖精アイリスは、機械的に反応して、シロに語りました。


シロが続けて、言いました。「蒔かれた種から何が生まれるの。」するとアイリスが淡々と、答えました。「そこからは、最終的には三位一体神様に、良く似た魔人類達が、生まれます。それはシロ様達と良く似た形です。それが新しい星の魔人類に、成るのです。誕生後、彼等は分配され、左右神と中央神の世界の、新たな住人と成ります。」


「また彼等は、分配される前に、彼等の歴史を自身で、経験することに、成るでしょう。」シロには「妖精アイリス」の言った意味が、良く分かりませんでした。しかし、そこも自分に取っては、関係の無い場所ではないことが、分かりました。


「妖精アイリス」には、その世界のことも、良く分かるようで、シロに少しだけ教えてくれました。種が蒔かれて、新しい魔人類達が、出現するまでに、人間時間で言うと、数万年もの年月が掛かりました。しかしそれは、飽くまでも人間の時間の基準でした。


それを「本来の神」の時間で換算すると、僅か数日の出来事でした。その「新しい世界」は、原始人達が暮らす「原初の世界」で有り、そこに「1人の男が、やって来ます。」その男の名前を「リュウ・ペイン」と、言いました。


その者は「原始時代の魔人類」に、成ります。彼は肌色の白い、現代人のような容姿でした。そして彼は「エバンの使徒」と呼ばれる「強力な蛮族」を、従えるように、成ります。彼が、どのようにして、次の「神界のアンバランスの解消」をしていくのか、今の時点では、謎ですが彼は、その準備に入ったようです。


シロには、全く聞き覚えの無い人物名でした。「妖精アイリス」は、ハッキリと言いました。蒔かれた種から、その星の魔人類が現れると、それを追うように、或る人物が現れると、その者の名前を「リュウ・ペイン」だと、言いました。


シロは「グン・ペイン?」ではないのかと、咄嗟に或る人物名が、彼女の頭の中に、浮かびました。それは、その名前に良く似て居ました。しかしシロは、何故その名前を、知って居たのか。自分でも良く分かりませんでした。


「グン・ペイン」とは「右側神の世界」の「淫魔王の第1アニマス」で有り、転生して「第8アニマス」と成り、新しい「原初の魔神」と、成った者の「元の名前」でした。「グン・ペイン」は、その世界では単に「群平」とも、呼ばれました。或いはその世界は「右側神の力」が、及んだ世界なのかも、知れませんでした。


また「妖精アイリス」が、言いました。「シロは〝無性魔人ジェンダレス″だけれども、シロには雌雄に分かれた、親が居る。」と、言いました。シロを生んだ者は「右側神のインカ」で有り、そこには彼女の母親が、存在するのかも、知れませんでした。シロの心が、少し騒ぎました。「リュウ・ペイン」の世界には「あの人(城ヶ崎ホタル)」が、居るのかもしれません。


シロは、何故か急激に、思い出しました。「三位一体神」のこと。「インカ」のこと。「原初の種」のこと。「蜃気郎」のこと。「ホタル」のこと。そして「ロザリー」のこと。「ノエル」のこと。「中央神アラルの世界」のこと。それは全て「自分の世界」のことだったのです。


ノエルが、心配そうな顔をして、シロの顔色を、窺いました。彼は突然この世界に、現れた存在でした。その為、初めの頃は、人型とのコミュニケーションが、全く取れませんでした。出現したときの彼の本能は、ただ1つ。それはロザリーに会いに行くことだけでした。そして自分自身の長年の望みで有ったことを、彼女の為に実行することでした。


彼のロザリーが、この世界に転生したので、自分も神に遣わされて、この地に現れることが、出来ました。神は、ノエルのことを、祝福しました。彼の揺るぎない心が、この世界の「アンバランスの解消に、繋がることに成る。」と、神が言いました。


初めは良く分からないままに、生きて居た「蓮沼シロ」にも、何となくその方向性が、見えて来ました。父親で有った「鳴神蜃気郎」が、過去に言って居たことを、思い出しました。「シロには、次の段階が有るのだ。シロは、ここで死ぬことはない。まぁ、私達も死ぬことは、無いのだが。」


「私とホタルも、次の段階へと転生するのだ。そして必ず、シロの近くに現れる。私達は、三位一体神のインカで有るから、離れることが無いのだ。シロは、次の世界で〝アンバランスの解消″の続きを、することに成るだろう。しかしそれをシロ1人が、することはない。シロには〝強力な協力者″が、現れるので、その者と協力すれば、解消はスムーズに、終わりを迎えるだろう。そして余力が有れば、我々の手伝いをしてくれれば、非常に助かるだろう。」とも、言いました。


蜃気郎が、言った「シロの協力者」と、言うのは、現時点では「妖精アイリス」と、ツリーマンの「ノエル」しかおらず「このノエルが、その該当者で有る」と、思った方が妥当でした。シロにはノエルが、これから何をしようとして居るのか、その真意を、知ることが出来ませんでした。しかし何かの信念のようなものを、感じました。


「妖精アイリス」が言うには、ノエルが出現時に、麓のツリーマン達が、彼を見て騒いだ「第3種の出現」と、言う言葉は、正しくはなく「人型のツリーマン」には、実は「2種類の存在」しか、有りませんでした。麓のツリーマン達を「第2種」と呼び、蓮沼シロを「第1種」と、呼びました。


それは正しい指摘で有り、この第1種のことを「無性魔人ジェンダレス」と、言いました。この無性魔人には、実は後1人、該当者が存在しました。その該当者の名前が「ノエル」で有り、彼がもう1人の「無性魔人ジェンダレス」でした。その呼称は、シロとノエルのみを指す、言葉で有ったのです。


第1種と第2種は、逆の工程を辿る存在でした。麓のツリーマン達は、魔人樹の根から生まれて、大地を立ち活動しました。そして死を迎えると土に帰りました。一方、個別の雌雄の生物から生まれた者は、同種の雌雄の者とツガイに成ると「実を結び、樹に帰る。」と、言いました。第1種も、第2種も「中央神アラル」の民で有り、共にこの世界の魔人類でした。


何かの方向性が定まったのか、急激に「中央神の世界」が、開拓されました。大地が大きく変化して、山や川が出来ました。大地も豊潤に成り、様々な実りが起きました。海も出来ました。大空には、大きな浮遊大陸が、出来ました。地下世界も、誕生しました。さながらそこは、左右神の世界のように、成りました。


魔人樹の数も比較的に増えました。そしてそれからは、たくさんのツリーマン達が、生まれました。魔獣樹も然りで、その数が増えたことにより、魔獣達の数も比較的に増えました。


この世界は、閉ざされた「六面立方体の世界」でした。外観の大きさは、掌に乗るような「小さな箱」でしたが、その内面世界は、実に地球型惑星が、すっぽりと入ってしまうような、途轍もなく広大な空間を、有しました。この六面立方体は「神の積木」と言われ「前右側神サタナス」は「キューブィ」と呼んで、とても大事に、所有しました。


それを「前中央神ゼビス」が、サタナスから取り上げたことから「右側神の離脱」が、起きました。それが起きると、三位一体神のバランスが崩れて、そこに問題と成った「神界のアンバランス」が、発生しました。今の世界は、それの解消をする為に、この世界が、動いて居ました。

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