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01S.魔人樹の管理者

☆「無性魔人ジェンダレス」と「新たな淫魔王の誕生物語」

今回の物語は、前作の続きで有る「無性魔人ジェンダレス」の物語と、新たな淫魔王と成る「リュウ・ペイン」の誕生物語に、成ります。前作の主人公で有る、3人の内の「鳴神蜃気郎」と「城ヶ崎ホタル」は、彼等の舞台が前回の「左側神の世界」から「右側神の世界」に、変わった為に、男女の組み合わせが、逆転と成り「城ヶ崎椿郎」と「鳴神由美子」の組み合わせに、成りました。


今回の「神界のアンバランスの解消」が、行われる場所は、2ヶ所に成ります。そこは、今回から新しく出現した「中央神の世界」と「原初のたね」が、蒔かれた「惑星アデルの世界」に、成ります。その為、椿郎達は「部外者」と成り、今回は「狭間の世界」の1つと成った「右側神の世界」の彼らの1室が、拠点と成りました。その部屋で、椿郎達3人のインカが、共同生活を送りながら「妖精アイリス」の報告を、聞いて「2つの世界」の傍観者と成り、見守ることを、今回の「デュデス(役割)」としました。またそのことは「左側神ミカエフ」からの、指示でも有りました。


「鳴神蜃気郎」と「城ヶ崎ホタル」の子供「蓮沼はすぬまシロ」は、3人の居城で有る、ホリエナ城が「原初のたね」に変貌すると、シロは本体で有る「中央神アラル」の元に、帰還しました。シロは「中央神のインカ(化身)」でした。「前右側神サタナス」の離脱により起きた「神界のアンバランス」は、蜃気郎達が、存在した「左側神ミカエフ」の世界に於いて「神の城・ホリエナ城」が、出現したことにより若干、軌道修正されました。


「新たな左側神」と成った「ミカエフ」の手元にも、神の「キューブィ(六面立方体)」が、出現したように、今回は「新しく中央神」と成った「アラルの手元」にも、それが出現しました。アラルのものも、その内部世界は、左側神や右側神の持つものと、同等の広大な世界が、構築されました。しかし「中央神の内部世界」は、まだ何も無い「荒野のような大地」が、広がって居ました。その内部世界の小高い山の中腹に、1人の少女が、暮らしました。今度の物語の舞台は「中央神アラル」の世界でした。


この世界の住人達は「無性魔人」と言って「生殖器の無い存在」でした。その者達は、生殖行為をせずに、数を増やしました。またその者達は、一般的な魔人類と同じように、男女の区別が有りました。しかし男女の見た目の違いは、有りましましたが、どちらとも生殖器は、有りませんでした。


小高い山の中腹で、1人で暮らす少女も無性魔人でした。彼女は、この辺一帯に自生する「無性魔人」を、生み出す「魔人樹メイジン・ツリー」の管理者でした。それが生み出す無性魔人は、凶暴性のまるでない、静かな存在でした。彼等は、魔人樹から生まれ落ちると、それから供給される樹液を飲んで、大きく育ちました。


彼等は或る程度、成長すると自分と、その魔人樹から生まれた者同志で、生んでくれた魔人樹の世話を、するように成りました。こうして、それを中心としたコロニーが、出来始めました。無性魔人を生み出す「魔人樹」の管理統治者が、彼女で有り、その名前を「蓮沼シロ」と、言いました。彼女は何故か、過去の記憶の大半を失いました。自分が何故ここに居て、ここで暮らすのかも、良く分かりませんでした。しかし自分の名前は、憶えて居ました。微かに両親の存在の記憶も、有りました。


彼女も、その世界の無性魔人でした。しかし不思議なことに、彼女を生み落としたと思われる「聖母樹バージン・ツリー」が、そこには在りませんでした。自分には、専用の聖母樹が無いのに自分は、それらの「管理統治者」でした。それは少し不思議な、ことでした。ここに居る無性魔人達は「蓮沼シロ」のことを、このエリア一帯の「絶対的な統治者」で有ると、誰もが認識しました。


魔人樹から生まれた者達は、ここでは「ツリーマン」と、呼ばれました。男型も女型も共に、それでした。「蓮沼シロ」は、自分の股間が、他の者達と違って居ることに、恐れを抱きました。そんな或る日、彼女は身体の不調を、感じました。そんな日は、外に出ないで1日中家の中で、休みました。彼女は、股間がおかしかったので、自分の手で、そこを触りました。すると彼女の掌には、大量の血が付着しました。彼女が知らない内に、自分のそこから出血して居ました。彼女は、それを見ると、恐れ慄きました。しかしどうすることも、出来ませんでした。そんな日の彼女は、家の中で、ジッとしました。その出血は、その日を境にしてから、定期的に彼女の身体から、出るように成りました。


そんな或る日、家の外に出た「蓮沼シロ」は「麓のツリーマン達」が、騒いで居るのに、気が付きました。彼女は様子を伺いました。その原因は、身元不明のツリーマンが、現れたので皆、騒いで居たのです。その者は「男型」でした。そして驚くべきことに、その者の股間には、この世界には、無い筈の「生殖器」が、有りました。


「その者」は、若い男型でした。自分よりもいくらか、年上のような感じがしました。麓のツリーマン達の話しを総合すると「その者」は、この世界では、まだ誰も住んで居ないとされる、遠方の荒野からやって来ました。長距離を1人で、歩いたようで、薄汚れて居ました。彼の髪は伸び放題で、丸裸でした。彼は全裸でも、恥ずかしくないようで、股間は剥き出しでした。


この世界では「その者」も、ツリーマンと同じ人型をして居たので、彼等も初めは、同族だと思いました。しかし彼の股間の形が、普通のツリーマンのものとは、違いました。彼等は、一様に「第3種が来た。」と言って、騒ぎました。彼等が騒いだ「第3種」と言うのは、自分等と「股間の形の違う者」を、呼びました。例えば「蓮沼シロ」を「第1種」と仮定すると、自分達ツリーマンを「第2種」と、呼びました。そして今日は、そのどちらでもない「第3種」が、出現したのです。


ツリーマン達の寿命は短く、生まれると30年位で死にました。彼等は人間と同じように、赤ん坊の姿で生まれ、子供と成って成人して、30歳前後の姿と成り、老人に変わることなく、短い一生を終えました。彼らは死亡するとわずか、数時間程で、土に変わりました。今のツリーマンの成人態は「第3世代」と、呼ばれました。初めて生まれたツリーマンを「第1世代」と、呼びました。そして彼らが15歳頃に生まれた、新しい個体を「第2世代」と、呼びました。そして「第1世代」が、死ぬ頃に生まれた、今の新しい世代が「第3世代」に、成りました。


「蓮沼シロ」が、ツリーマン達に取っては「特別な存在で有る」と、思われる理由は、その「第1世代」が、生まれる以前から、彼女の存在が、確認されたからでした。シロは初め、彼女が住んで居るエリアの「中央部の花園」の中に有る、盛り土の上に、薄絹をまとって、寝かされました。彼女は、さながら「眠れる森の美女」でした。ツリーマン達には、彼女に直接、近づくことが、出来ませんでした。また彼女の住んで居るエリアにも、入ることが出来ませんでした。ただ遠くから彼女を、見て居るだけでした。


「シロの存在が、自分達の生まれる以前から、ここに居たもので有る」と、言うことが、今のツリーマン達にも、先代から伝わって居ました。また、ツリーマン達から見ると、彼女の身体からは「光のオーラ」が、出て居るのが、見えるらしく、そのことも有り、彼女は「畏敬の存在」でした。


眠れる彼女が、目覚めたのは「第3世代」のツリーマン達が、15歳に成った頃でした。シロも、その位の年齢に見えました。彼女は初めて目覚めると、まだ身体を動かすことが、出来ませんでした。目だけ、ぐるぐる動かして回りを見ました。


そのときは、ツリーマン達も何かの異変を感じたようで、少し離れた場所から、大勢で群れて、彼女を見ました。彼等は「シロの傍」には、近寄れないようで、そこから固唾を飲んで、彼女を見ました。それから数時間程でシロは、自分の身体を自由に、動かせるように、成りました。彼女が、初めて上半身を起こして、彼等を見たときには、ツリーマン達は驚き、悲鳴を上げて霧散しました。彼等とシロとの間には、見えない壁が、有るわけでは、有りませんが、彼等は一様に、シロとの距離を、保とうとしました。


彼女も、目覚めた頃は「麓のツリーマン達」を警戒して、そのエリアから、出ることが、有りませんでした。彼女が目覚めると、彼女のエリア内の自然に、変化が現れました。作物が実り始めました。彼女は水を飲んで、果物を食べて生きました。その姿は、ツリーマン達と一緒でした。彼女は「女型めがたの存在」でした。


シロの容姿は、肌色が白くて、髪が長めで青味の掛かった銀髪でした。顔の彫が深くて、彼女の顔立ちは、美人顔でした。黒い瞳で目が大きくて、鼻筋は高く、唇が薄いピンク色でした。乳房は比較的大きく、大きめの乳首が、付いて居ました。彼女は、中肉中背の身体付きで、小柄な存在でした。


不思議なことに彼女が、自由に動けるように成ると、誰が建てたのか、分かりませんが、いつの間にか彼女の近くに、彼女専用と思われる、小さな家が、出来ました。中々センスの良い平屋で「蓮沼シロ」は、そこに入って、生活するように成りました。


そんなに遠く無い、その昔にシロの親子が「原初のたね」に、取り込まれると、シロは肉体を失い「アニマス(根源)」だけの存在と、成りました。それから暫く経つと彼女は「中央神アラル」の元で、新たな肉体を授けられました。彼女は「中央神の化身インカ」でした。下界では、中央神に代わり彼女が、場合によっては地上を、指導しなければ、成りませんでした。


肉体を失ったときの「シロのアニマス」に、新たな肉体を与えられたときに、彼女のアニマスの中に、もう1つ「別のペルソナ(人格)」で有る「ホムクロンのロザリー」のものが、注入されました。彼女は、中央神のインカ「蓮沼シロ」でしたが、新しいもう1つのペルソナを、持つ存在と成りました。彼女は、あくまでも「シロ」でしたが、正しくは「ロザリー系シロ」と、成ったのです。


彼女が、小高い山の中腹で目覚めると、彼女にしか見えない妖精が、出現しました。その妖精の名前は「城の妖精アイリス」でした。彼女は小さい女型の妖精で、背中に4枚の、昆虫のような羽根を持ちました。そして小刻みに羽ばたくと、空中停止が、出来ました。


「妖精アイリス」の容姿は、中肉中背で白い肌色でした。目が大きくて、瞳の色は、茶色でした。彼女の鼻と口は、やや小さめで有り、唇の色は朱色でした。眉毛は太くて「彼女の顔」の印象は、とても可愛い顔でした。また髪の色は、茶髪系のロングで、長さは背中まで有りました。彼女は、巨乳系美女の妖精でした。


「妖精アイリス」は、シロに様々な助言をする為に「中央神」より、遣わされた存在でした。彼女は、アラルの言葉を直接、シロに伝えることが、出来ました。シロは初めの頃は、この妖精との、共同生活に成りました。シロが、横たわった場所付近が、彼女の「生活エリア」と、成りました。彼女と妖精は、エリア内の清水きよみずを飲み、豊富な果実を食べて生きました。


シロ達が、その生活に慣れると「麓のツリーマン達」の代表者のような、3人組の若い「女型めがた魔人」達が、シロを訪ねて来ました。彼女達は、シロを見掛けると、エリア外の直ぐ傍まで来ると、そこで立ち止まり、シロから言葉を、掛けて貰うのを、待ちました。シロが「こちらに来なさい。」と言うと「女型のツリーマン」達が初めて、シロのエリア内に、入りました。


彼女達が「シロ」の元に辿り着くと「ツリーマン」達は跪き、こうべを、垂れました。彼女達は、自分の名前を「バイラス」「バラゴ」「ジャイガ」と、名乗りました。まるで怪獣のような名前でした。しかしツリーマン達は男女共、上品で有り「容姿の美しい者達」ばかりでした。この世界の神が、創り出すものは、とても綺麗で、厳かなものが、多く存在しました。


シロは、このとき初めて「ツリーマン」と、真面まともに、接触しましたが、彼等は「とても分をわきまえた、優秀な魔人類」でした。それからシロは、彼女達と多く、接触するように、成りました。そして暫く経ってから、あの「ツリーマン騒ぎ」が、起きました。

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