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風待月

6月を示す別名。暑くなり、風が吹くのが待ち遠しい月という意味らしい。


僕は風を待っている

 6月の上旬、地球温暖化で今年はまだ梅雨入りしていないらしい。昔は5月には梅雨入りをしていた気がするのだけれど…

 僕は年々上昇しているこの気温と夏に近づく蒸し暑さに苛立ちながら学校に登校していた。


 ホームルーム、今日も転校生が来るだとか行事があるなどもないらしい。なにもないなら特別なこともない変わらない1日になるだろう。

「変わらないか…つまらないな」そう呟く。ファンタジーなアニメ、転生もの、恋愛などの非日常がやってこないものか。


 ―授業中は自分が転生ものに慣れたら、などのほかから見るととても痛い妄想をしている。授業を真面目に聞くより遥かに楽である。はぁ…転校生が美人な子で付き合っちゃうとかないかな…

 そんなことをしているとあっという間に昼休みになった


 ―やっとお昼休みだ、そういえば授業なんも聞いていなかったな。まぁいつもの事だな。けど妄想の記憶もない寝ていたのか…?この後先生に怒られるかもしれない。友達をつれて音楽室にでも逃げておこう。

「よし、音楽室で昼飯たべようか」

「なんでだよ、まぁいいけどさ」

なんだかんだで着いてきてくれるいい友達だな。

音楽室に向かい、ガラガラと音を立てドアを開ける。

音楽室に人が居ることは珍しい、しかし今日は先客がいるらしい。

その先客の顔はかくれていて見えないが髪は少しウェーブのかかった黒髪ロング、至って普通の女の人だった。僕の好…いや、辞めておこう

そしてひとつ引っかかったのはその先客はこの学校の制服を着ていなかったことだ。

不審者?だったら僕が捕まえてヒーローになる?いつもしている妄想が頭によぎる。

「なに、そんなに気持ち悪い顔して」

透き通っていて、綺麗な女の人の声だ。あの女性が話したのだろうか…

「気持ち悪い顔ってなんだよ、ひどいな」

「事実でしょ、」

「………」僕は何も言い返せなかった

「まぁ、ひとつ聞きたい、君は誰だ?」

「自分から先に名乗るのが普通じゃないかしら?」

「君は正論しか言わないね…まぁいいや、僕は黒澤結城。」

「…風川 結奈?」疑問形で答える

「なんで疑問形なんだ?」

「わからないけど、結奈よ」

「そうか、結奈。なんでこの学校の制服じゃないんだ?」

「転校生よ、制服間に合わなかったの」

「そうかならいいや。」

そう言って僕は席に着いて友達とご飯を食べ始めた。不審者だったらな、と思ってしまったな。


続く

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