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私の心臓(ハート)はスライムビート  作者: お花畑ラブ子
剣闘士の町マスルリア
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剣闘士の町マスルリア3

「力を示せ?」

「あぁ、この町に初めて入る時に手形が発行されるのさ。」

「て、手形ですか」

不安そうにフィーが聞く。

「あぁ、どんな形でもいいから、自分の力を示す。発行された手形の種類でこの町はサービスしてくれる。宿代や値引きとかな。ちなみに姉御は上から2つ目の獅子の手形、おれやケンは上から3つめの熊の手形とかな、1番下の犬の手形でもペナルティはなんも無いから安心しな。ほかの町でも、冒険者ギルドとかで身分証の役割を果たしてくれる。」

「なるほど。どんな形でもいいと言うのは」

「商人なら財力、職人なら技術力とかな。なんでもいいのさ」

「ま、今回は商人としてきてるんだ。この荷物見せりゃいい」

「ポンさん。これは個人的に受けてもよいでしょうか。今の私が如何程の力があるか見てみたいので」

ララさんが言った。

「わ、わたしも!」「俺も」

自分の実力を知っておきたい。

「もちろんいいぜ。力試しならゴーレムか100人の魔道兵か好きな方を選んべばいい」

「では、門番さん100人の魔道兵でお願いします。アルくん。一振り。刀を買い取らせてください」

「あげるよ。ララさん」

「いえ、そういうわけには」

「こないだ、どっかのだれかさんに取られちまったからね。お好きなのをどうぞ」

「ありがとうございます。では、これを」

刀を抜き、構える。両刃の大剣。片手で扱うには、かなり重そうであった。

「始め!!」

ララさんに次々と人形が襲いかかる。

魔身マジックブースト

大剣が軽々と持ち上がる。

「行きます」

次々と人形が切られていく。

「やっぱりララさんは強いですね」

「お前には、そう見えるか?」

ポンさんが戦いぶりを見て言った。

「え?」

「奴は曲がりなりにもあたし達を一人で制する力があった。片腕と片目を封じられている今はあれが限界だろう。ほら、見ろ」

たしかに、左側が死角になっているようで、攻撃を何度も受けていた。痛み以外の気持ちもあり悔しそうな顔を浮かべながら戦っている。

「落胆なんて面を見せるなよ。あいつはあいつで報いようと必死なんだ。仲間ならカバーしてやれ」

「百人斬り達成。熊の手形をどうぞ。宿泊施設で割引。コロシアムの出場権を与えます。次の方どうぞ!」


「は、はい!え、えっと、ゴーレムでお願いします」

「フィー!魔力探知で、魔力の濃いとこを狙って撃て!」

「はい!師匠」

弾を込めて、撃鉄をあげる。だいぶ様になっている。

「はじめ!」

門番が、人形をほおり投げ地面に着くともりもりとその人形に土が集まっていき、人二人分ほどの高さの大きさで固まった。

「く、首の後ろ!」

まず1発。動きが遅いため、きちんと当たっている。だが、ゴーレムの動きは止まらない

「いてて…」

銃の反動が大きく、フィーは尻もちをついていた。

「フィーネ!」

ゴーレムがフィーを掴みあげていた。

「そこまで!お嬢ちゃんよく頑張ったね。犬の札だ。次の方」

落ち込んでいるのか

「おい、フィー!大丈夫か?」

「ん~!やったあああ!!」

「え?」

「当たった!当たった!当たった!ねぇ!アルも見た!?当たった!師匠!!」

凄く嬉しそうだった。ポンさんがたじたじになっていた。

「ははっ」

少し緊張が解れた気がする。そりゃそうだ。数日で強くなるはずがないのだ。だけど、彼女はたしかに努力をし、成果を勝ち取った。次は俺の番だ。


「おれも、ゴーレムで」

目の前のゴーレムを見て生唾を飲む。間近で見るとこんなにでかいのか。足が震える。感情のない瞳がこちらを見てくる。怖い。

「アル!」

はっとして飛び退いた先、ゴーレムの巨大なこぶしが振り下ろされていた。

「ま、魔力感知!」

ジャンさんから教わった。魔身マジックブーストを眼に集中させることで魔力を見ることができ、相手の魔法や魔身をある程度予測することができるようになる。

やはり首の後ろにある。

「魔手甲!起動!ライト!」

人差し指と親指を立て、子供がやる銃の形を作る。

「火弾」

火の魔石に魔力を流し、起動させる。かなりの熱を出して指先に魔力が溜まる。

「ショット!」

ゴーレムの頭をかするが、効果は薄そうだった。

だったら、

「魔手甲!起動!レフト!」

近くに落ちていたこぶし大の石を拾い、すぐさまに加工をはじめる。削り、形を整える。三角錐の形を作り、貫通力をあげるため、みぞをつける。出てくる道具は魔力で出来てるため、大きさも数も変幻自在。頭の中に作り方のイメージがあれば、自動で生成してくれる。

出来た弾を核に、もう一度!

ゴーレムの振り下ろされた腕を避けるため明後日の方向に飛んでいった。止まってはだめだ。走りながらだ。

狙いを定めもう一度!

走りながらだと相手も動いているし、狙いがズレる。

ゴーレムが腕を振り下ろした直後だ!

火回転銃レッドライフル!!」

3度目の調整でようやく首すじの人形を破壊する事ができた。

「お見事!君には、下から2番目の狼の札を与えよう」

手にした通行証を見る。まだまだ未完成だけど、ここが俺たちのスタートラインだ。

ゴールデンウィーク更新ラッシュはここまでです( ˊ꒳ˋ ) ᐝお読み下さってありがとうございます!(´▽`)

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