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卵かけご飯

作者: あやと

車の排気音が鳴り響く街中で、少年はゲップをした。

「車みたいだわ僕。」

胃の中で消化した食べ物のガスを出すことが、ガソリンをエンジンにして出たガスと似ていると気づきそうつぶやいた。

「ちょっと臭いのも似てるし、食べたものによって匂いが変わる。」

ガスの匂いが食べ物によって変わってくることも鼻の良さから知っていた。

「車は、ガソリンやハイオクしか食べないから匂いはおんなじだな。」

少年は、車の排気音はいつも同じ匂いであることの理由を知っていた。

「だったら、、、。」

少年は毎日同じ食事をすることに決めたのだ。

学校がある日は、給食が出てしまうから、夏休みという長期休みにそれをすることにした。

食べ物は好物の卵かけご飯だ。

「3食卵かけご飯なら、大好きだからだべれるもんねー。」

満面の笑みだ。

数日後、少年はゲップをした。

「これが卵かけご飯のガスか。」

少年の不適な笑みは何かおぞましささえ感じられた。

またあくる日も同じガス、またあくる日も同じガス、いつまで続くのかわからない中で事件は起こった。

少年は、体調を崩したのである。

同じものの食べすぎて栄養が偏り、体調不良を起こしたのである。

その日少年は嘔吐した。

さらにゲップをした。

「何か酸っぱい味がした。」

嘔吐したことにより、今まで卵かけご飯のガスだったものが、胃酸のガスが出てきたのである。

「人間には、食べ物だけでなく、変な匂いの酸っぱいガスも出るのか。」

少年は、不適な笑みを浮かべる。

「これは大発見だ。」

少年は違うガスが出たことで嬉しさのあまり笑いが止まらなくなっていた。

「げっ。」

胃の中に少し残っていた、卵かけご飯のガスがのぼっていく。

「またこのガスかよ。」

少年は、新たな発見とともに卵かけ生活を終了したのである。

夏休みの1人の少年の挑戦が、終わり卵かけご飯のガスが宙に舞っていった。


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