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メンマ解放


 外れない。止まらない。迷いがない。

 回避や受け流しをしない限り、必中する死の弾丸。

 救いなのはわたししか狙ってこない。

 正確無比。時に当たらない弾丸も混ぜてくるのでなお質が悪い。

 それほどわたしのカグツチを危険視しているのよね。

 ミリアに負けるくらいわたし自身は弱いのに。

 カキンと甲高い音を響かせるわたしをよそにミリアが疑問を呟く。


「誘われているわね」


 みたいね。

 走っている間、エルフと遭遇しない。

 何度も撃たれていると何秒間隔で撃たれているのか分かりかけてくる。

 ここまで来るとガーリックも無駄だと悟ったのか弾丸が飛んでこなくなる。

 代わりに見える範囲で十以上のエルフが姿を現した。

 メンマが前へ飛び出す。


「ここは私がやるであります!!」


 メンマは竹槍を振り回す。

 獰猛な顔を晒してエルフへと突撃する。

 ただの竹槍。されど竹槍。

 名槍のように振り回すメンマの動きはまさに天下一品。

 その一撃一撃がエルフの意識を狩っていく。

 ハルナが思わずといった口調で呟く。


「なにあの日本兵」


「本人は要塞すら打ち落とすって豪語しているわ」


「飛んでたのかよ!? この森周辺を?」


「ちなみに打ち落とすこと自体には成功しているわ。あの時ほど自分の常識を捨て去ろうと思った日は無いわ」


「打ち落としたの? えっ、マジで? 打ち落とせたの?」


 一々驚き過ぎよ。

 あんまり戦争中で喋るのもどうかと思うけど、一応言っておこうかしらね。


「要塞は比喩よ」


「ああ、そうだよな。それじゃ違うよな。うん」


「正しくは銀色の怪鳥と言われし魔物ね。別名で要塞ってついていたのよ」


「そうだよな。鳥だよな。うん。待って? はっ、えっ? 待って待って?」


 待ってが多すぎるわ。

 そんなに待っていたらハルナはともかく、わたしとミリアが殺されちゃうわ。

 メンマが最後にわたしたちに言葉を叫ぶ。


「お姉ちゃんとミリアちゃん、ハルナさん!! 三人ともイクであります!! メンマの役目は、ここで三人を先にイカせることであります!!」


「ニュアンス! ニュアンスがちげぇよ! ってかマジでメンマちゃんあれ打ち落としたの!?」


 いつまで気にしているのよ。

 ちょっと炎をばらまいてくるだけよ?

 長期戦ができないという弱点持ちだったし。

 メンマだけじゃなく、ラオウさんとメラチャルさんも打ち落とせていたわよ、あれ。

 わたしじゃカグツチが届かなくて無理だったのよね。

 ともあれわたしはハルナの手首を掴み、ミリアを連れて駆ける。


「さぁここから先は通さないであります!! 女の子はみんな私の手で鳴かせてやるでありますよ!!」


「逆に生き残りそう!」


 いつもと変わらない調子のメンマの言葉を背にして。


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