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遺跡の秘密

無断転載、無断翻訳、無断朗読、その他の類似行為などは禁止します。


<R15> 15歳未満の方は移動してください。

この作品には 〔残酷描写〕 が含まれています。


本作品は、作者の空想の世界です。

 子供部屋に戻ったレンは、ドア横の壁にランタンを掛けた。

 眠そうに椅子に座ったレイは、ダンジョンでは一切話さなかった遺跡の秘密について、じーっと、レンを見つめ、問い詰める。


 ベッドに座ったレンは、立ち上がり部屋を仕切る衝立パーティションを端に寄せて、代わりに折りたたみ式のテーブルを広げて置く。そして、ため息をつき腕を組んで話し始めた。

(腕を組むと、腕の上にパフパフな双丘が乗り、より一層大きいのが強調される。)


 「今回の遺跡は実に面白い、あれは三つを一つにまとめる装置だよ。おそらく神々が新たなる生命誕生、合成生物キメラの実験で使用していたもので間違いないよ。実験してみよう!まずは、生物を三匹集めようよ。」


 話すうちに段々と興奮し、右手を握りしめ、熱く語り始めた。


 ダンジョンから持ち出した石板をテーブルの上に並べた。そこには三角の絵と、三角の中央に丸が描かれ、キメラの作成方法が書かれていた。


「動物やモンスター、それに植物にも生命が宿る。形の無い、実態が無い精霊はどうかな。さすがにレイス(霊体)やスケルトン(骸骨)のようなアンデット(不死の生物)は、召喚や集めたりできないわ。」


 レイは、レンとは逆に冷静に話を聞き実験対象を考えた。


「大丈夫だよ、アンデットも召喚できるよ。召喚の魔導書グリモアには、ちゃんと記載があるよ。」


 本棚からグリモアを数冊、手に取り、レイに見せた。


「ん〜そうね。最初は、最弱のモンスター、ゴリンから様子を見だわ。」


「祖父様の書斎に、外界から持ち込まれた【隷属の首輪】がいくつかあったはずよ。それで、ダンジョンまで、モンスターを引っ張り込んで合体よ。」


 普段は用意周到に計画を準備するレンだが、レイには今回は、行き当たりばったりに思え、どこまで本気でやるのかを掴みかねていた。


「ねぇ、レン。実験に協力してあげても良いけど、頼みがあるのだわ。」


 レイは少し考えを巡らせてながら語った。


「何かな?レイが言葉に出して、頼みとかお願いとか、初めて聞いたよ。」


 唇に指を当てて、熱くレイを見つめた。


「レンの狼の子が、欲しいわ。」


「むぅ〜はぁ〜。ぜーたいに、あげないよ。レイの頼みとかお願いでもよ。」


 ほっぺたを一杯まで膨らませて、怒った顔を見せた。


「じゃぁさぁ、今回の遺跡で、実験が成功したら、私たちも一つになってみない?」


「レイ!一つって。そこまで、あの狼の子が欲しいの?確かに一つになったら、レンのものはレイのもの、レイのものはレンのもだけどさぁ〜。」


「あの狼の子だけではない。祖父様から双子は忌み子と色々言われるお母様が可哀想。それにレン・・・。」


 レイは、残念な胸に手を置き、レンのパフパフな双丘に目をやる。


「確かに、お母様は、色々言われて可哀想だけど。三つを一つにするものだから、レイと私ともう一人必要だよ。それに装置を動かす協力者も必要だよ。」


「そうね、だから実験に必要なものを色々と探しながら、協力者も探しますわ。」


「さて、問題点をあげていくよ。協力者、実験生物、そもそも、どう言い訳して二人だけで、今回の遺跡に行くかよ〜。」


「あっ!お母様がドアンに、外界から来たハーフ・エルフについて情報を集めてと言っていたはずだわ。」


「情報の収集と捜索とで里を出ていく。で、見つけたハーフ・エルフや実験生物は、ダンジョンに隠して置くのよ。」


「ハーフ・エルフは、劣等種レッサー、種族特有の特殊能力を半分しか受け継がないわ。一つになったとき、それで足を引っ張らないか、少しだけ不安だわ。」


 レイは、精霊召喚のグリモアを手に取り、ハーフ・エルフと合成させる妖精や精霊について想いを巡らせた。


「朝になったら、狼の子を二匹とも洗ってあげようっと。ついでに、お母様と獣人侍女の気は惹き付けてあげるから、その間に祖父様の部屋から【隷属の首輪】を持ち出して欲しいよ。」


「ドアンとライラは、どうする?」


「ドアンは、どうせ飲みに行ってしまうでしょう。ライラは、神託の話を聞きながら信用できそうならば、協力者として仲間に引きずりましょよ、ね。」


「わかったわ。ところで、今日のダンジョンまでの地図は、持ってきた?」


「うん、もちろん大丈夫だよ。ちゃんとあるよ。」

と、テーブルに地図マップを広げた。


 そのとき子供部屋のドアが、ゴンゴンと叩かれた。


「まだ起きているなら、お風呂に入りなさい。」と、シャーゼの少し怒った声が聞こえた。

 (双子の話し声が、外まで漏れていたようだ。)


 「お母様、もう寝ますよ。」


 レンはベッドに潜り込み丸くなった。


 レイは、ランタンの明かりを消し、壁に取り付けたハンモックに入り丸くなった。眠りにつくまでの間、シルフに揺らすよう命じ、寝たら消えて良いよと命じた。購入したアミュレットを手に取り、『生活魔法コモンマジック:鑑定 L1』の魔法を使用した。



 鑑定結果は、このようになった。


 アイテム名称:戦乙女のアミュレット


 効果

 ・【物理防御:小強化】


 ・【魔法防御:小強化】


 ・【一部の状態異常:無効化】


 ・精霊魔法:雷撃の魔法が使用可能。


 ・効果は、女性の装備時のみ有効。


 ・クリスタルには、戦乙女:バルキリーが封じられ破壊することで開放可能。


 満足のいく鑑定結果に微笑みながら、眠りに落ちていった。

誤記は、気にしない。

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