里帰り
無断転載、無断翻訳、無断朗読、その他の類似行為などは禁止します。
<R15> 15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕 が含まれています。
本作品は、作者の空想の世界です。
朝というか、昼になり四人は、ダンジョンより土壁を壊し這い出てきた。
倒した3匹のゴブリンは食い散らかされており、グロいことになっていた。
おそらくフォレスト・ウルフであろう。
レンは、ゴブリンの遺体を漁り魔石を回収した。
コアは、錬金術師に渡すと良い金額で引き取り、お小遣い稼ぎになるのだ。
太陽に真上から照らされ、来た道を戻り始めた、と言ってもドアンだけが獣道を進み、三人のエルフは、木の枝から枝へ森の中を軽やかに移動する。
ドアンの背負うバック・パックは、寝袋とテントをダンジョンの中に置いて、入口は土壁で塞いだ。獣やモンスターの住いにさせないためである。2日分の食料は、レンの必殺!食っちゃ寝により無くなり、いまは、ゴブリンから剥ぎ取った装備や持ち物が入っているだけである。このまま帰れば、シャーゼの手料理と樽で用意された発酵酒が楽しめる、と、気を取り直した。
エルフの里に辿り着いた四人は、閉じられた城門横にある城兵用小ドアから中に入り、城壁に隣接する兵士宿舎で水浴びをした。ここは兵士はもちろんだが、冒険者や猟師が利用するため普段から開放されている。
そうして四人は、闇夜に紛れ足早に族長の家へと向かった。
レンはレイの手を取り子供部屋に戻り、ライラは与えられた客室へと向かう。
リビングでは、ドアンが準備してくれた手料理に舌鼓をうち、シャーゼに御酒をさせ発酵酒を飲み、一日の疲れを癒やした。
『さて、今回のことを、どう報告したものか。』
と、ドアンは、レンとレイの調べた結果を聞けていないことを思い出した。が、すぐに忘れ、今は発酵酒を浴びるように飲むことに全力を注いだ。
獣人侍女は、ランタンを壁に掛け、ソファーに毛布をひき、ドアンの寝床を作り終え、別のランタンを持って侍女の部屋に向かった。
俺たち狼の子は、レンとレイが不在の間、シャーゼから麦粥と山羊のミルクを頂いていた。
「クーン」と鳴くリズがついに、空腹に耐えきれず、獣人侍女に飛びついたためだ。まぁそのあとブラックウルフのラウに咥えられて、ソファに戻されたが・・・。
ひとまず、お腹が満たされた。その後も粗相したり、リビングを走り回ったり、そして落ち着く先は、毛皮が引き締められた小さな木箱の中となった。
リズは、獣人侍女に撫でられて、深い夢の中。俺は、ぐすん。レンのパフパフな双丘が恋しい。
誤記は、気にしない。