2話 屋上の幽霊
私は、青木明菜。高校2年で、相沢女子高校に通っている。もう高校2年だから高校の生活に慣れて、順風満帆に通っていることだろう。
でも、私は違った。クラスに馴染めずいつも一人だった。クラスの子と話せず、顔色を伺っては落ち込んでいた。長いこと、家族以外の人と話すことは無かったから、クラスメイトと何を話せばいいのか、分からない。
だから、昼休みは屋上で一人だし、授業が終われば直ぐに家に帰った。そんな事をしていて、話す機会が無く、いつの間にか私は一人だった。
クラス内はグループが出来ていて、
仲良く話している中、話しかけることなんて出来なくて、孤立した。
話しかける勇気が、無かった。
人見知りしてしまう、この性格さえ無ければ。
私がこんなんじゃなかったら、高校生活も、もっと楽しかっただろうか……?
△△△△△△△
そして今現在、
私は屋上にいる…。
幽霊と一緒に。
何で??
いつも屋上に来るけど、こんな事は初めて。
どうして突然幽霊が見えるの?
どうして今になって見えるの?
私今、高校2年よ?普通見えるなら、1年の時じゃない?
色々疑問は尽きないけれど、今はとにかく…
「近いから離れて?」
「なんで?」
この子距離感可笑しくない!?
顔が目の前にあるんだけど!?
「いや、話しずらいから」
「なんで?」
んん?逆に話しずらくないの?こんなに近いのに?というか、恥ずかしいのが1番の理由なのに!
「とにかく、離れて」
「はぁ〜い」
なんかもうどっと疲れたよ。改めて彼女を見る。制服はもちろん私のとは違う。
違う高校の制服みたいな感じだ。
でも、ここの幽霊?みたいだし昔の制服だったりするのかな?
それと彼女の見た目は性格に反してクール系だ。
黒髪ロングに目は二重、顔が整っており完全に生徒会長やってますよって感じの。
「はぁ…。それで貴方は一体誰?」
「あたし?あたしはねぇ〜幽霊!」
「それはわかるよ!えっと、名前とかは?…ある?」
「ん〜名前はねぇ、赤井涼花だよ!貴方は?」
「私は青木明菜だよ」
彼女は赤に井戸の井、涼しいに花という漢字で書くらしい。
赤井涼花か。何だか彼女にピッタリな名前。
そういえば自然と話してるけど悪霊ではないみたい。
悪霊だったら今頃生きてないのか、いやこの考えは偏見か……?
「えっと、それで、赤井さんはどうしてここに?」
「んーとね、いつの間にかここに居たの!」
「そっか。赤井さんはいつもここに?」
「うん、ここにいたよ!」
「そうなの?……ん?という事は…私のこといつも見てた…?」
「そうだよー?いつも寂しそうにお弁当食べてたよね」
首を傾げながら、可愛らしく彼女は言うが、
(嘘!いつも見てたの!?は、恥ずかしいんだけどぉ!)
顔を赤面させながら蹲く。
「あれー?耳、真っ赤だよ〜?」
笑いながら彼女は私のほっぺをつっつきながら言う。いつも見られていたとは知らず、独り言なんか言っていた気がするし、小説を読んでニヤニヤしてしまう顔も!全部!?
「知ってるの?」
「うん、全部知ってるよ〜?」
(うわあああ!!恥ずかしい!!)
思わず悶絶する。
「大丈夫だよ!可愛かったから!」
(そう言うことじゃないー!)
恥ずかしすぎて涙目になる。
彼女に見られないよう背を向ける。
「あれー?からかい過ぎちゃった?ごめんね〜!」
「それで何処まで話したっけ?」
「えっと〜あたしの名前と、ここに居る理由、それと、いつもここに居たか?かな〜?」
「そっか、いつも此処に…」
屋上にまさか幽霊が居たなんて、しかもずっと私のことも…。それは忘れておこう、うん。
彼女が此処に居るとなると、もう屋上でお弁当を食べることはないかな。
ずっと見られてるなんて、それに幽霊とこれ以上関わるのはダメな気がする。
ろくな事がないだろうし。
「じゃあ明日から此処には……」
「来るよね?」
食い気味で聞かれる。
「あたし、ずっとここにいるんだけど、誰もあたしのことに気づいてくれなかったの。ここ以外には行けないから、屋上に来る人達はあたしのこと見てくれるかな?って。でも、誰も気づく人なんていなくて、…ずっと寂しかった」
屋上は天気が良く、太陽も輝いていて陽気としているのに、彼女の周りだけは、哀愁が漂っていた。
(彼女も寂しかったのか……。ずっと独りで。)
「……じゃあ昼休みはいつも通り、此処に来るね?私も一人だったから、お話しする子が欲しかったんだ」
私も寂しかったし、虚しかった。私と喋ってくれる子なんて…いなくて、でも、彼女と一緒なら気も紛れるかもしれない。
彼女も…、赤井さんも一人ぼっちでずっといたから。
「ほんとに!?ここに来てくれる?」
「うん…」
「やったー!約束だよ!」
「分かってる。ふふっ」
彼女に弾ける笑顔が咲く。また顔が近くて引き気味になって返事をするけれど、彼女の笑顔見れて良かったと思った。明日から彼女とお話しするのは、今からとても楽しみで、胸が弾んだ。