1話 出会い
暖かい布団の中、外の日が明るくなる。起きたくなくてもぞもぞしていると
「明菜ー!朝よ、早く起きなさい!」
「んぅ……。ふぁぁ…」
怠い、今日も一日が始まる。はぁ、学校に行かなくちゃ。スッキリしない頭を無理矢理起こして、制服に着替え、身支度を整える。
リビングに行けば、変わらない母親の姿が映る。
朝食を食べ、母親からお弁当を貰う。いつものルーティン。学校に行くため玄関の扉を開ける。今日も日差しが強く鬱陶しい。ずっと曇っていればいいのに。
学校に着き、授業を受け、変わらない日々を過ごす。
昼休みになり、私はいつも通り屋上に行く。昼休みもあり、ほとんどの人が教室でお弁当や購買で買ってきた物を食べる。
でも私は教室で食べたりしない。居心地があまり良くないから。
皆が賑やかに楽しくしている所で1人で居たくない。教室内で黙々と食べよう、なんて考えただけで息が詰まる。
屋上に行くため階段を上る。踊場にある鏡を通り過ぎ、ドアを開ける。日が差し、眩しくて目を細める。すると、
「あっ!また来た!」
「…え?」
吃驚して呆然とその姿を目にする。
満面の笑みで私を見つめる少女の姿だった。
「あれ?今…あたしに反応した? いやいやまさか……」
「…誰?」
少女いや、彼女も吃驚した顔になる。
「嘘!?あたしが見えるの!?」
「近い近い!見えるけど、何をそんなに…、」
前のめりになる彼女に気押されながらも、彼女の姿をよく見ると、制服も違うし、何よりも決定的に違うのは、下半身が透けていた。
「ん?…透けてる?」
何故?もしかしてゆうr いやそんなはずは!そんな事があるはずが無い。ま、幻に決まって……
「そう!あたし幽霊だから見えないはずなのに、
貴方あたしが見えてる!」
「えぇ?うそぉ」
こうして彼女との奇妙な交流が始まった。