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#1 はろー異世界

僕は巻き込まれ体質のようだ。


「デスゲームの次は異世界か…」


「俺よりクラスメイトが可哀そうじゃないか。デスゲームのときもクラスメイトと殺し合って俺以外死亡」


「今回はどうなるんだ?」



デスゲームのときは『カミサマ』が主催者だったけど異世界は何なんだ?


「おい!南雲(なぐも)ぉ、てめぇが犯人か?」


俺の名前は南雲 生。生きるという字が使われながらにしては『死に関する事』が多いことに定評がある。

話は変わるが俺はイジメられている。

俺以外が行方不明になっているからだ。怪しすぎる


イジメと言ってもそこまで酷くない。机に花瓶、殴られ、いろいろ隠される。なんて程度。許す気もないが『身近にデスゲームの生き残り』がいることが不安だっただろう。

ちなみに主犯格がいま話している相手だ、名は楯岡


「いや違うね。自分までも移動するなんてメリットがなさ過ぎる。すこしは頭を働かせ」


「んだとテメェ!まぁた虐められてぇのか!!」


デスゲーム時代の俺なら恐怖していただろう。生き残りの俺は違う、滑稽に見えるね



「あれのどこがイジメなんだ?可愛がってほしかっただけろう?」


もう少し煽りたかったが阻まれた。現実離れした容姿を持つ人物に



「あ!あの皆様すみません!お話、聞いてもらえませんか?」


どこが現実離れしているかというと王女様みたい、ってことだ。金髪の青い目、幸薄そう

ザワザワと騒ぎ立てるクラスメイト。


「キレイだなぁ」

「あんな人見たことなぇ」


下劣な人間は発言までもゴミだ。



「皆様は勇者としてこちらの世界に呼ばせていただきました。協力してもらえませんか?」



「「わかったぁー」」


クラスメイトは彼女の発言に反抗することなく従う。どこをどう見てもおかしい状況だ。もしここが『魔法のある世界』なら彼らは魅了などにかかっているはずだ。

デスゲームのときもそうだった。主催者が麻薬を盛りクラスを崩壊させた状況と酷似しているからだ、ほしくもない経験だ。


「なぁ南雲、この状況おかしくないか?」ヒソヒソ



話しかけてきたのは大橋。なぜかイジメを見過ごさない人物で助けられていた。かれにはよく生きてこれたななんて寸表しかおもいつかなかった。


「まあな、薬物でも盛られているかもな。いかにも過ぎる。お前は薬物やら魔法やらに耐性があって良かったな」


「ん?魔法?ここ魔法あるのか?」


「なんだ使ってみたいのか?」



まるで教室にいるかのような話だった。異郷の地にいるとは到底思えない。



ここで反抗すると多数vs1、さらに知らずの土地。分が悪いのでそのまま案内される。



「みなさまはゆうしゃです。この世界にいる魔王を倒してください」


「「「わかりましたぁ」」」


間抜けな声が響く。黄金の王宮に見合わぬ声だ。


「じゃぁ出発ー!」


「「「おおー!!」」



まさか装備も訓練もないのか?だいたいこういうのは何かくれるんじゃ…


「能力開示と言えば自身の力が見えるのでがんばってください」


すごく強い能力もないのか?と考える隙もなく外に追い出された。



魅力されたクラスメイトは地図すら知らないはずなのにどこかへ走っていった。魅力で魔王城へでも行くかもしれない、まるで特攻隊のようだ


~~~~~~~~~~


「なぁオレたち協力しあわないか?」


来たのは大橋…と魅了にかからなかった数名のクラスメイト。


「…後ろにいる取り巻きも一緒にか?大人数ではリスキーだ。ついていけない」


異郷の地、おかしくなったクラスメイト、魔王を倒せ。異常な事態が発生しているこの状況では『確実に誰かが狂う』


これはデスゲームで学んだことだ。


「…そうか。あまり深くは言わないがいつでも強力するからな」


大橋はイイヤツだ。すぐ死にゆくだろう。大抵、勇者やリーダー的になった物は重圧に耐えられずに押しつぶされる。何度も見た。


「ああ」

そっけなく返す。情など湧いては死んでしまうから



やがて一人になった。孤独だが安心感もある、それは『裏切り』が存在しないからだ。


「街かなにかで情報を得ないと」


デスゲームでも現実でも情報は基本大切だ。情報を持つものが勝者とでも言えるくらいに。

ただし他人に引き渡すと『用済み』となることがほとんど。身長に動く必要がある。



行きつく先は酒場。これは定番の選択だ。


だが…なにやら一見さんお断り。そんな雰囲気が漂う。


「アンタ。始めて見る顔だな、もしかして勇者か?」


「あぁ?どうかしたのか?」


経験から言うとおそらく勇者は嫌われている。俺でも分かるくらいに『勇者』という単語を嫌っていた。



「まーた勇者さまがよぉ?店を荒らしていったんだ!」


「というと?」


俺は徹する。聞き役に。大事なのは相手に有利なフィールドで戦わないってことだ。

無駄にこちらの情報を与えるのは愚。


「ああ。奴隷の救出だよ!あっちの常識とか知らねぇよ!飼い主の腕も折りやがって帰りやがるし!」


…はぁ。耳が痛くなる。デスゲームより前だったら俺も助けに向かってた、なんて想像がつくからだ。

受動的に行動するのが吉ということも分かった。


「俺はな村で奴隷師をやってたんだ。だが勇者どもに潰されてこの国に来た。」

という設定だ。


「あんた可哀そうだな…仕事を奪われただけで良かったな。ひどいときだと命まで取られるからなぁ。力があるからって偉そうによぉー!ったくイラツクぜ!」


自分が勇者って名乗るのはNGだな。



「そうだお金について教えてくれよ。いままで物々交換で乗り切ったんだが…学園となると…」


「ああ良いぜ。勇者に潰された同士だ仲良くしようぜ?名前はエドっつうんだ。よろしくな」


エドという人物はグレーの髪でおっさんって感じだった。


「俺は**クラウド**だ。よろしく」


南雲の雲でクラウドだ。誤解を招く名前(勇者に間違われる)はやめる。これが俺の結論だ

握手を求められたので握手をした。それとハグもされた。汗臭いが情報のためだ仕方ない。


「~~~~~」



説明されたがおおよそ日本と変わりなかった。プラチナ硬貨だの金貨だのと説明されたが適当でも生きていけそうな感じだ。


「俺の村には狩人で生活するものもいたが、冒険者って職業はあるのか?」

まあ嘘だけど


「んーまぁ勇者がいるからオススメはしない。命をかける仕事だが勇者に関わる方がアレだな」


============


エドの良心で無料で部屋を借りた。酒場だからうるさいのを気にしないことを条件に


「勇者の評判はサイアク。か…面倒くさい世界に来ちまったな。」


「でももし、元の世界に戻ってデスゲームをもう一度しちまうよりマシだな。日銭を稼いで適当に生活するか」


「あの大橋はどうなったかな。ってああ、まだ能力見てなかったな。能力開示」



南雲(クラウド)= 詐欺の能力  愛想の能力


称号= デスゲームの勝者  嘘つき  いじめられっ子



…もしかして詐欺の能力があったから酒場を乗り越えられたのか?チッ慎重に動くべきだった



はぁめんどいな

==================================

<次回予告>


「あんた大嘘つきだね」

「?!」


「おめぇ勇者じゃねぇか?」


「南雲…手を貸してくれ!」

「大橋…」












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