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元警察現探偵  作者: snow
1/3

始まり<1>

「すみません、鈴木探偵はいらっしゃいますでしょうか?」

そう言いながらドアをノックしている女がいた。

そこは聞いての通り探偵事務所だ。

「はいはい。依頼ですか?」

ドアを開けたのは、我らが主人公の鈴木薫だった。

「はい、依頼しに来ました。」

女は美人であった。しかし、汗をぬぐう仕草をしており暑がりだとわかるだろう。まだ5月後半だというのに。

それを見た薫は、

「どうぞ座っててください。今エアコン付けますから。」

「ありがとうございます」

「それにしても暑がりですね。自分の家ではどうしているんですか?」

そう、エアコンをつけながら言った。

「今ぐらいになってくるとエアコンをつけますね。来客が来てもたいていはそのまんまです。」

「そうなんですか。」

エアコンをつけ終わった薫は、依頼人の真正面に座った。

そして、

「お名前と依頼内容を教えてください。どれくらいの金額がかかるか聞いてから、正式に依頼するか決めてください。」

と定型文を言った。

「はい、私は星井瑞希といいます。

依頼内容は、ストーカーの対処をしてほしいんです。」

それを聞いた薫は

「警察には?」

「実害はないんです。」

「どう対処してほしいのですか?一時的なものなら恋人の振りが有効だと思いますが、それなら、友達などにお願いするでしょうし。」

「はい、できればそれはなしでお願いしたいんです。」

「そうですか、なら、具体的な金額は出せません。なので、依頼達成後相談ということで、よろしいですか?」

「はいお願いします。」

そう言いながら、星井さんは少し驚いていた。

「意外ですか?」

「えっ」

「驚いていましたから。“探偵”といっても雑用もしますよ。家は貧乏なんでね。」

「噂通りなんですね。」

「えっ、どんな噂!?」

次は薫が驚く番であった。

「フフフ」


「ゴッホン」

不利になった薫は、話題を変えた。

「できれば交友関係も知っておきたいですね。友達の容姿なんかも知っておきたいです。」

「今も関係が続いているのは、舞子ちゃんのみです。ほら、この子です。」

そう言って携帯の中の写真を1枚出した。

「これは高校時代のですね。」

「すみません、できれば今の容姿を。」

「アッはい。これです。」

「このネックレス、さっきもありましたよね。男物に似てますね。」

「えっはい。形見なんです。自殺してしまった彼の。それからは、いつもつけているんです。」


地雷を踏んでしまった薫は、また話題を変えた。

「それにしても星井さんはお綺麗ですね。」

「あ、ありがとうございます。」

「そんなにお綺麗なら彼氏さんもいそうですね。」

「いないから困っているんです。それに好きな人はいますし。」

「ほ~う、応援してますよ。」

「ありがとうございます。」

薫は微笑ましそうな顔をしていた。だが、何か忘れている。

「!携帯番号を教えてください。私の番号も教えておくので何かあったらここにかけてください。」

そう番号だ。聞かなければ連絡が取れない。危ない危ない

「はい。」

番号を書いてもらいそれを受け取った。

そして、

「では依頼が達成、もしくは達成不可能と分かりましたら連絡します。」

「はい、よろしくお願いします。」

そう言って星井さんは出て行った。

部屋に残ったのは薫1人のみだ。

「この依頼、嫌な予感がする。」

そう、つぶやいたのだった。

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