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青に挑め  作者: ハイリ
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04 前進するために

 まさかの再会で驚いていると早川先生のあいさつが始まった。


「えー、皆さん。2年生に進級おめでとうございます。」


 そう言って黒板を向き『早川涼介』と書いて振り返る。


「今年度このクラスを担当する早川涼介(はやかわりょうすけ)です。担当教科は数学になります。

 さて、高校2年は将来の事を考えなければいけなくなってくる時期でもありますが、将来の夢を持つ人、まだ将来のことを決め切れていない人それぞれだと思います。

 そんな先の事を考えることも大切ですが、焦らずに今の高校生活をめいいっぱい過ごすこともこの時期には重要です。

 また、このクラスの仲間は3年生でも共に過ごすメンバーとなります。

 皆が高校生活を悔いのないよう1日1日大切に送ってもらいたいですが、先生の出来ることはそのサポートまでです。なので、君たちの何かに挑戦する気持ちや仲間と過ごす時間を大切にして将来の糧にしていってもらいたいと思います。

 これから1年、ないしは2年間よろしくお願いします。

 また・・・」


 あいさつ後は始業式の説明を受ける。先生の話を聞いて改めて新しい生活に胸が弾み、いろいろなことに挑戦できるように感じた。


 先生が話し終えると始業式の準備まで席で待機するようにとの指示があった。

 するとクラス内で近くの人と話し始める人が出てきてすこし騒がしくなる。また、あの人が話しかけてくれた。


「同じ学校で隣の席になるなんてビックリ。よろしくね。」


「こちらこそ、よろしくお願いします。・・・。」


 話しかけられたのに話を続けられない。他にも何か言わないといけないと思い、初めて会った時のお礼をすることにした。


「あ、あの時はありがとうございました。」


「そんなに気にしなくていいよ。そう言えば前の学校の学生証は届いたかな?」


「え?」


 急に学生証の話をしたので戸惑った。。


「実はスマホを拾ったあの時にポケットに潜り込んじゃったみたいで。交番には届けたんだけどどうなったか気になって・・・」


 どうやら交番に届けてくれたのは彼女のようだった。


「あれはもう使わないから大丈夫ですよ。それにちゃんと交番で受け取ったので。」


 気にしてくれているようだったのでしっかりと手元に戻った事を伝える。すると、あの時の様な笑顔で。


「良かった。お互いそそっかしから気をつけなくちゃね。」


 そう言われ照れ笑いを返す。



 しばらくした後、先生からの指示で体育館に向かい、始業式が行われた。


 新任の教師の紹介や校長先生の長い話といったようなお馴染みの流れで進行し校歌を歌う。


 もちろん、蒼栄高校の校歌はまだ覚えていないため周りに何となく合わせながら小さく声を出す。


(これも早く覚えないと。)


 新しい環境の中にいることを実感しつつ始業式が閉会となり、皆で教室に戻る。


 そして、皆がそれぞれの席に着いた所で出席番号順に自己紹介を行う。最初に自己紹介をしたのは窓際最前列にいるあの人。


(そう言えば名前知らなかった。)


 そう思い彼女の自己紹介を聞いた。


「赤羽空です。これから1年よろしくお願いします。」


(赤羽さんって言うのか。)


 それから、それぞれ名前とあいさつを言ったり、誕生日や趣味を言う人もいたりとそれぞれのあいさつをしている。

 そして、自分の番が回ってくる。


「如月彰人です。今年からこちらに引っ越してきました。よろしくお願いします。」


 結局無難な自己紹介になった。



 クラスの全員の自己紹介が終わったあとで早川先生が黒板の前まで出る。


「それじゃあ、今からクラスの学級委員を決めようと思う。」



 そう先生が言うとクラスがザワついた。


「ちなみにやりたい人?」


 今度は静かになった。やっぱり、自主的にやりたいという人の方が少ないののではないだろうか?


「誰もいないとなると推薦になるんだが・・・」


(学級委員・・・、さすがに挑戦する勇気が出ない・・・)


 すると、一人の女子が手を挙げた。


「私がやります。」


(あの人は・・・誰だっけ?)


「おお、それじゃあ須藤にやってもらおう。何かと学内の活動の時は任せると思うから頼んだよ。」


「はい、去年も学級委員はやっていたので大丈夫です。」


 先生に呼ばれ、須藤さんという人が答えた。


「それじゃ、今日はこれで終わるから帰る支度していいぞ。時間までは教室で待機しないといけないけどな。」


 そう言うとクラスメイト達は鞄を机の上に置いて待機したり、周りの人と話したりと各々の過ごし方で時間を待つ。


 僕はまず学校を知るために校内を回って探検してみようと考えなら時間を過ごした。

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