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【書籍化】八彩国の後宮物語 ~退屈仙皇帝と本好き姫~  作者: 富士とまと


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ルール

 在位30年。いったい今いくつなのか。仙皇帝宮では時間の流れが止まるというから、外に出ていなければまだ若いかもしれないけど……。仙皇帝宮にいる時間が短ければ普通に年を取っていくんだよね?半分外に出てれば15歳年を取る。20歳で即位したのだとすると35歳?逆に引きこもりでほとんど外に出てなくて、さらに即位した年齢が10歳なら、10歳だよ?よくまるっきり分からない相手に嫁ぎたいと思うよね……。目指してる人になぜと聞きたい。

 ……あ、思い出した。仙皇帝陛下の寵愛を受けられると国が栄えるって話があったんだ。忘れてた。だから目指すのか。呂国では仙皇帝妃を目指すなんて誰も口にしないから忘れてた。国のために他の姫は仙皇帝妃を目指してるのかな。

 と、なんと返答しようか考えていたら、マオの顔ががくんと伏せられ、私の肩の上に乗った。

「……レンジュと、キスするような関係だから?」

 は?

 レンジュと、キス?

「あーーっ!思い出した!そうなの!レンジュったら、いくらレンジュの出身国ではキスはあいさつ代わりだって言っても、呂国の私には刺激が強いっていうのにっ!まったく、気遣いのできない男……いや、宦官よね!っていうか、むしろあいさつごときであたふたしてる私を見て楽しんでるんだわ!だって、めちゃくちゃ笑ってたもの!」

 マオの肩をつかんで体を離し、賛同してもらうために、マオに訴える。

「挨拶?」

「本で読んだから知ってるのよ。翠国では、キスも抱擁も挨拶だって。レンジュ、目の髪も茶色いから何国出身か分からなかったけど、翠国だってあれでピンと来たわ!」

 と主張すると、マオが小さな声で「挨拶……」とつぶやいた。

 その、小さなつぶやきを漏らしたサクランボのような唇が、私の口をふさぐ。

 え?

 なぜ、こうなった!

 マオが私にチューしてます。えっと、えーっと……。

「レンジュと僕は兄弟だからね」

 あ!

 ああ!そうか!

 マオは髪が黒いからうっかり……そうだ、兄弟ってことはそういうことだ。

 唇が離れる。

「マオ……」

 私の話聞いた?呂国出身の私には刺激が。

 と、文句を言おうと思ったら、再び唇が合わせられる。チュッって、音!いや、本に描写されてるあれ、本当に音がするんだ。

 とか、新しい発見があってちょっと楽しいって、違う、そうじゃないのっ!

「マオって」

 すぐに離れた唇が再び迫る。

 チュッって、3回目!

 逃げようにも、枝の上だし、落ちたらただでは済まない。

「会うの3回目だよね。今まで挨拶忘れてた分」

 は?

 そんなルールってあるの?本には書いてなかったけど……?それにレンジュはそれはなかったと思うけど……?


こらー

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