ああ、読書よ
みんな掃除やらなにやら忙しく働くみたいなので邪魔しないように。あ、決して私が読書の邪魔されたいからじゃないですよ。……だって、本を読み始めたら、まったく周りの声が入らなくなるから、邪魔に思うこともないんですよ。
実は、ちょっとうらやましかったんだよね。
庭に出ると大きなクスノキに向かって一直線。
マオが腰変えていた枝。気持ち様さそうだった。
不思議な形の枝で、人をしっかり支えて落とさないように作ってあるようにほかの枝に比べて横に平べったくなっていて……。
木に包まれるようにして柔らかな光と気持ちの良い風を受けながら読書したら最高じゃない?
ふふふ。見上げればマオの姿はない。よし。
脚立を設置……届かないね、明らかに。でも、この脚立は二つ折りになっているものを広げて一直線にすれば梯子にもなる優れものなので大丈夫。留め具をしっかり止めてと。倍の長さの梯子になれば8段。余裕で届きます。
梯子に手をかける。……おや?
本を持ったまま上がるの無理?ハンカチを取り出して地面に広げ、本を3冊置いて、一番小さな本を懐に入れて梯子を上る。
……た、高いっ。
見上げた時と全く違う高さに感じる。
ちょっと震える手足で枝まで登りきる。
「うわー、すごい快適っ!」
幹にもたれ、両足を伸ばして座る。少しも落っこちそうな不安感がない。少しくぼんでいるところに体が包まれる感じだ。すごい。これはいい。
思った通り、木の匂い、葉っぱが揺れて微かに立てる音、木漏れ日が柔らかく降り注いで、気持ちいい。特等席だ。
本をひらく。
ああ、文字が言葉となって私の栄養となっていく。
なんてね。ちょっと指摘に表現してみた。
えーっと、なになに?朱国の成り立ち。
神話の時代から書かれているわけねぇ。えーっと、初代の仙皇帝陛下の流した血が朱国を作った……。
血かよっ!
呂国は初代の仙皇帝陛下の絶望が生み出したとか言われてるけどね……。
一方、金国は、仙皇帝陛下の希望が作り出したとか、珊国のピンク色は、仙皇帝が恋をしたときにできたとかだっけ?……。
ふふふ、本当に、誰が作った話なのか。赤は血の色とか単純だよね。寧ろ、血が赤くない生き物もいること知らないのかな?人と違う高貴な人間なら、血も光り輝く色してる可能性だってあるじゃない?
他の国が、希望だの恋だの絶望だの感情なら、赤も情熱がとか統一したほうがいいよね。ほんとに。まだ知らないけど、こうなってくると蒼国とか、初代仙皇帝の流した涙がとか言いそうね。
で、続き続き。
え?朱国は仙皇帝の血が流れている、仙皇帝の子供のような存在で、高貴であるって続くのか……。ああ、だから血ね。悪い意味じゃないのか。そうか。
いつもありがとうございます。
ふと、思ったのですが、鈴華ほどじゃないにしろ、これを読んでいる時点で、皆さまある程度の読書好きですよね……。




