◯◯するぞ!
「鈴華様のような方に仙皇帝妃になっていただきたいですっ!」
は?いやいや、ならない、なりたくない、なるつもりはない。
「私、鈴華様を仙皇帝妃にするために、鈴華さまの侍女として働きたいですっ!」
えー、いや、あー……。
「侍女の仕事に復帰してもいいけれど……」
仙皇帝妃は目指さないよ……。むしろ、ほかの姫を仙皇帝妃にするためにはどうすればいいのかと……。
ちらりと苗子を見る。丸投げどんっ。あとは頼んだよ、苗子!
「鈴華様っどちらへ?!」
「そりゃもちろん、図書室っ!」
運ばれてきた本をさっそく読まなくちゃっ!
黒ゴマ団子が山と積まれた皿を一つ持って図書室へと向かう。
あ、図書室は、私の部屋の隣の部屋。本を並べる棚を並べて、運ばれてくる本を置いて図書室になる予定で……。
「おう、それなんだ?」
「レンジュ、ずいぶん頑張って運んでくれているのね!」
部屋にはすでに本の山が20ほどできている。
残念ながらまだ棚の設置が終わっていないため、地面に20のタワーが積みあがっている状態だ。
もちろん本を汚さないように床は入念に掃除してもらってありますよ。
「だから、お前の持ってる、真っ黒なそれなんだ?」
「ああー、どの本から読もうかなぁ。うれしいっ」
山の一つを見る。背表紙にはタイトルが書かれている。細い本はタイトルを書けないようなので後で確認するとして。
一つ目の山は、どうやら歴史の本のようだ。仙山を中心とした8国全体の歴史を記した本に、呂国の歴史本、朱国の歴史本と、各国の歴史の本が並ぶ。呂国の本に関しては国にも結構置いてあったけれど、ほかの国の歴史の本は数が少なかったんだよね。うれしい。
読んだことない本たちがいっぱい。
「皿に乗ってるってことは、食べ物か?それにしてはいくら何でも黒すぎるよな。まるでオニキスみたいだが……」
「そうだ!仲良くなろうと思ったらその国のことよく知らないといけないよね。朱国の歴史の本から読もうかな」
歴史だけじゃなくて、朱国関係の文化やそのほかいろいろ、朱国の本をまず読もう。うん、それがいい。
あと、ほかに朱国の本はどこにあるかな?
「っておい、話を聞いてるのか?」
「本は1000冊貸してもらえるんだったよね。今ここにあるのは300冊くらいかな?」
朱国関係の本を優先して運んでもらおうかな?
レンジュにリクエストすればいいのかな?
「話を聞いてないなら、抱きしめてキスするぞ」
レンジュに頼もうと振り返る。
「っ!」
な、何?




