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【書籍化】八彩国の後宮物語 ~退屈仙皇帝と本好き姫~  作者: 富士とまと


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スカーレット

 仕事を作って働かせて給料を渡す。それが国を治めるということだと……。

 うーん。姫としての役割を私は放棄した形になるんだ。反省。

 それに、よく考えると……。

 親しくなった姫に連れて行ってもらうといっても、仕事ができなきゃダメなんだよね。湯あみ係の仕事を覚えるとか侍女の仕事を覚えるとか私には必要なことなんじゃないかな?

 よし。仕事を教えてもらおう。

「湯あみ係の仕事に戻っていただいても?ただし、週の半分ほどお願いするだけで、あとは仕事を教えてほしいの」

「仕事に……戻ってもいいのですか?ありがとうございますっ!」

 湯あみ係4人が立ち上がって深々とお辞儀をする。

「仕事を教えてというのは?」

「私、湯あみ係の仕事をマスターしたいの。そうね、私の代わりに苗子を一緒に磨きましょう。いいわね、苗子。私の仕事の訓練に付き合って!」

 と、苗子の顔を見ると、苗子がすすすと隣の人の影に隠れた。

「い、いえ、それは、その、私にも仕事がありますから、湯あみ係で順番に……その、自分たちの腕を向上させることにもなるでしょうし……」

 なるほど。

「じゃ、初日はあなたが、私の代わりね」

 にこっと笑うと、指名した子の顔がちょっと青くなっている気がする。

 よし。今日の作戦会議(私が一方的に脳内で開催)は終了。

 まずは私が、仕事ができるようにならないといけない。うん。

 それから、仲良くなる候補の姫は、朱国、金国、藤国の3国。

 まずは会ったことのある……綺麗な赤い髪の朱国の姫のところへ訪ねてみよう。うん。そうしよう。

「朱国の赤の姫ってどんな方?」

 苗子に質問すると、侍女の一人に視線を向けた。

「ジョア、あなたはここに来る前に赤の宮に勤めていましたね?赤の姫について知っていることをお話ししてあげて」

 ジョアと呼ばれた侍女は、侍女の中で一番背が低くて赤と金が混じったような髪の20前後の女性だ。

「はい。今の赤の姫は、6年前から後宮にいらっしゃいます」

「6年?ずいぶん長いですね」

 仙皇帝陛下の寵愛を受けられなければ、3年前後で新しい姫と入れ替える国が多いと聞くけれど。

「赤の姫……スカーレット様は、18歳で後宮入りので、今年で24歳のはずです」

「24歳って、私と2つしか変わらないのね!もっと若いかと思ってた!」

 呂国の人間は年齢とか想像できるけど、彫の深い大人っぽい顔つきの国の人って全然わからないのよね。

「え、ええ……」

 ジョアが微妙な顔をする。

 そういえば、私のこと年増とか行き遅れとか仙皇帝陛下の寵愛が受けられるわけがないとか噂してた一人だっけ?

 とすると……。24歳といえば……年増。6年もいて寵愛を受けられなかったのだから、これから先も妃になる可能性がない……と、見限って別の宮への移動届出したってことだよね。

 まぁ仕方がないか。仙皇帝宮の地下の巨大図書保管庫に入るためなら。

いつもありがとうございます。


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ブクマありがとうございます。

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