表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/124

儀式の終わり

「長く仙山にいた者は、地上の穢れた空気に馴染めなくて病を発しやすくなる」

 へ?

「地上の穢れた空気?なんか、すごく失礼な言い方をしてるように聞こえます」

 さすがにレンジュの言葉にカチンと来た。

「ああ、すまん。不浄というわけではないのだ。なんといえばいいのか。仙山は高さ故か、地上の病が上がってこない。風邪をひくものも居ない」

 へ?

「仙人たちが風邪をひかないというのは、健康で丈夫だからじゃないの?本には仙人だからって書いてあったけれど……」

「いや。風邪を引き起こす穢れがないからだ。姫たちもここにいる間に風邪をひくことはない。だが、地上に戻れば穢れがある。もともと体の強いものであれば風邪で命を落とすことはないが、長く仙山にいて風邪すら引いたことのない者たちにとっては、風邪にすら打ち勝つことはむつかしい者もいる。まして、風疹などの病にかかってしまえば……」

 ちょっと待って。

「もしかして……。いやなら黒の宮を辞めればって言った私の行為は……」

 親切のつもりだったけど。

 黒の宮を辞めなさいイコール、仙山を下りろ、イコール、死んでも知らないっていう意味?

 うわあ。

「苗子、どうしよう……」

 苗子の顔を見る。

「大丈夫です。結果として皆、残っていますし、姫様方の一方的な悪意により使用人が辞めさせられないように、指示の出し方のルールやほかにもいろいろと制度がありますから」

 ほっと息を吐き出す。

「よかった。でも、彼女たちには悪いことをしちゃったわね。辞めてなんて心臓が止まる思いだったでしょうね」

「自業自得ですよ。黒の宮の悪口をあんなにはっきりと口にしていたのですから。正直、鈴華様が嫌ならやめればと言ったことで、他の者たちも胸がすっとしたと思いますよ。私を含め他の人は、この黒の宮が好きで希望を出して働いている者ばかりですから。

「そういってもらえると嬉しい。ありがとう。でも、事情を知らなかったとはいえ……悪いことをしたことは事実だわ……。できれば半年の間に彼女たちにも黒の宮を好きになってもらえるといいけれど……」

 レンジュが笑い出した。

「はははっ、お人よしだな。まぁ嫌いじゃないけどなそういうのも。さ、じゃぁ、後宮のルールを説明する儀式も終わったし。改めて、何が食べたい?」

 レンジュがパンとジャガイモをバスケットに戻し始めた。

 なっ!何をするの!

 私のジャガイモっ!

「待って!」

 ジャガイモを持つ手を勢いよくがしっと両手でつかむ。

「ジャガイモ、食べます」

 ギラギラの目つきでレンジュさんの手に握られたジャガイモを見る。

「いや、だから、これは儀式用で、ちゃんとした食事を持ってくるから」

 何を言っているんだろう。意味が分からない。

ご覧いただきありがとうございます。


不浄とい単語で表してますが、ようは、ウイルスだとか病気の元が高い山に登ってこないので。

かわりに高山病とかなんかあるんじゃないの?と思いますが、そこはそこ。


不思議な力の働く仙山ですから。


そう、分かりますね?

「ファンタジーだもの」

ええ。何か「は?」と思うことがあれば

「ファンタジーだもの」

と、いいつつ、ジャガイモとか食べ物は日本と同じです。

なんでだよ!

「ご都合主義だよ!」

(´・ω・`)ちーん

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ジャガイモは高山でも育つから問題ないのでは…収穫量は減るかも知れませんが。 日本でも北海道の寒さだと畑が凍って地面が消毒されて夏場の病原菌が少なくなるそうなので、病気が減るのはありかも…高度…
[一言] 天然無菌室状態ですか……なんか姫が登ってくるたびに姫たちの体に付着した病原菌で病気が流行りそうですね(苦笑) 実は予め除菌殺菌してから登っていたりしてw ジャガイモ…… 馬鈴薯とも言わ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ