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キビタキ

 スカーレット様が、犀衣様に尋ねた。

「……誰かが妃を目指すのを妨害しようと思っているということ?」

 そういえば、嫌がらせの犯人探しに来たんだっけ。

「そんなめんどくさいことしないわよぉ。だって、30年も姿さえ現さないのに、突然妃を決めるわけないじゃないのよぉ。前の仙皇帝も在位中50年誰も妃をめとらなかったのよぉ。なんか、そうすると、仙皇帝辞めてもいいって話だからぁ、仙皇帝やりたくなきゃ50年独身でいたらいいってことでしょ?どうせ今の仙皇帝もそのタイプよぉ」

 は?

 え?

 そんなルールがあるの?

 そりゃ、50年も世継ぎが生まれなきゃ困るから、別の人に変わってもらうっていうのはありなのかもしれないけれど……。

 え?ええ?辞める方法としてあえて50年独身を貫くってこと?

 ……そんなに、仙皇帝になりたくないの?え?だって……、仙皇帝宮にある地下の巨大図書館に入り浸れるんだよね?

 それなのに、なんで、なりたくないの?

 意味がわからないよぉ!

「ある意味、いさぎいいわよねぇ。姿すら現さないって。下手な期待を姫にさせないんだから。だからぁ、姫たちだって、後宮に残ってるのなんて半分しかいないじゃない?どの国も、本気で仙皇帝妃にさせようなんて思ってないわよぉ。邪魔する必要なんてないじゃないの?」

 あー、確かに……。

 翠国、銀国、珊国、蒼国は姫が後宮にいない。

 後宮にいるのは、藤国の犀衣様。目的はお酒。

 スカーレット様もどうも妃を目指しているような感じではない。目的は何だろう。

 エカテリーナ様……とはあまり話ができないから分からない。

 私というか、呂国の姫も妃など目指していない……から。

 うん、確かに……嫌がらせまでして他の妃候補を蹴落とす必要なんてない……。

「ねぇ、スカーレット様、犀衣様の言うように、嫌がらせしてまで妃になるのを邪魔しようとする人はいないように思うんですけど」

 犯人探しの答えはこれなんじゃないかな?

「……確かに、言われてみればそうなりそうですわね……でも、だったら誰がなんの目的でキビタキを赤の宮へ……?」

 スカーレット様の言葉に、何か頭に引っかかった。

 なんだろう、理由のヒントとなる何かを私は知っている……はずなのに、思い出せない。

「キビタキ?キビ団子ならすぐに用意できますけれど」

 キビ団子!食べてみたい!

 犀衣様が、空のグラスをふっと持ち上げた。いつもそうしているのだろう。それだけで、侍女がさっと動いて、手に持っていた酒壺を傾け、グラスにワインを注いだ。

 とても美しい鮮やかな紫色。藤国自慢のものだけはある。


ご無沙汰しております。

久しぶりの更新です。そして、タイトルちょこっといじりました。

あ、評価方式変わってから初更新?下の☆にかわったの。

それから作者名も空欄にして、作者名からリンクたどれるようにしました。

有だったのが富士とまとになっているかと思います。


それでは、今後ともよろしくお願いします。

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