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感情は理解を求めてタイムリープした

作者: 南雲創介

さっき僕は、本当に君が僕のことを好きなのかが不安で、その気持ちを君に思い切りぶちまけたね。「君が僕のことを構わないうちに、他に気になる人が出来てしまったかもしれない」、なんて女々しいことも言ってやった。

でも君は「どうしていいか分からないだけで、あなたのことが好きだ」と言った。

よく分からなかった。


でも今しがた、風呂場でちょっとおセンチになりながら、僕の中学時代の初恋を思い出していたところ、面白いピースの重なりがあったから君にも聞いてほしい。



君は中学生の時の僕だ

僕は中学生の時の僕の彼女だ


その子は僕に初めて出来た、大切な彼女だった。

初めて付き合うから緊張してばっかりでうまく話せないし、自分から本当に何もできなかった。

そもそも女の子の友達すらいなかった僕は、女の子とどう接していいのか分からなかった。

遊びにも誘えなくて、3ヶ月付き合ってたのに2人だけで遊んだのは1回しかない。

気持ちを口に出すのも恥ずかしくて、好きだと言ったのは告白した時だけだったかも。

それは全部どうしようもなく相手が好きだったから故の行動だった。

でも相手から見たらそれはどう見えてたんだろう。

一緒にいても手すら繋いでこない、好きの言葉も言わなければ、遊びにも誘ってこない。

「本当に好きなのかな?」そう不安になって当然だ。


彼女はある日、「他に好きな人が出来たかもしれない」、そんな曖昧な口ぶりで僕にLINEをしてきた。でも今思うと確かに、別れようとは言っていなかった。

僕は別れを切り出されるのが怖くて、自分から別れを切り出したんだ。本当は好きなのに未練たらしい長文の別れを告げたんだ。

僕と別れた後も、結局彼女が新しい誰かと付き合うことはなかった。

なるほど、今なら彼女の本当の気持ちがわかる。僕にどうして欲しかったのかがやっと分かった。



5年越し、彼女と全く同じ立場に自分が立ち、やっと分かった。

だから今、君の気持ちも分かった。君はきっと5年前の僕なんだもの。




彼女は僕と別れたい訳じゃなかったんだ

僕は君と別れたい訳じゃないんだ



僕は彼女のことが大好きだったんだ

君は僕のことを大好きでいてくれたんだ


いてくれたんだよね、ここは少し自信がないけど。



気付くのが遅すぎたね、2人ともごめんなさい


どうか僕を許さないでくれ

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