主人公と狐少女。の物語
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「で、この盗賊どもはどうするのじゃ?」
「ん〜このまま持っていってもいいけどめんどくさいんだよね。」
現状は全員ロープでぐるぐる巻きにしてある。
「馬車にくくりつけるのは?」
「馬…大変…。」
「そっかー。」
「じゃあ投げ捨てるかね。」
「「「「「「え?!」」」」」」
マイネを除く全ての人が声を揃えた。
「おいおい、こんな所で捨てられたら魔物に食われちまうぜ?」
「冗談はよしてくれよ。」
「っ?冗談じゃないよ?じゃあいくね?」
俺はロープを掴みぐるぐる回す。
「マジ?ちょっ!やめ!」
「うわぁぁぁぁ!!!」
盗賊達は遥か彼方へ飛んで行った。
「うわぁ…本当にやったよ?クロエちゃん。」
「…あの…盗賊…魔物の前に落下死…。」
あっそっか。普通のレベルだったらあの高さだとやばいんだったな。まぁいっかあいつら悪運強そうだし。
「とりあえずその子を綺麗にしようかの。」
「・・・!」
あんな汚い牢屋に居たもんな。
「大丈夫大丈夫。」
マイネの闇がこの少女を取り囲む。が少女はずっと俺の服を掴んでいてうまく取り囲めない。
「この手を離さないと綺麗にならないよ?」
「…。」
少女はフルフルと頭を横に振り手を離さない。
「まあ、クロエもついでじゃ!」
「えっ?ちょっ!」
俺も闇に飲み込まれていくんだが?
「へえ、闇の中ってこうなってるんだ。」
「…なんで助けてくれたの?」
今まで一言も喋らなかったのに喋った。闇の中は俺しか居ないから…なのか?多分マイネには聞こえているだろう。
「なんでって…ん〜と助けたかったから?」
「…変なの…。」
それからは一言も少女は喋らなかった。
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「ほう、これはまたかなりの美少女じゃないか。」
「クロエちゃんに似てない?」
「…確かに…耳と尻尾がなかったら姉妹…見たい…。」
確かに同じ金髪碧眼だけどそんなに似てるか?
「・・・お姉ちゃん…?」
誰にも聞こえない声で少女は呟いた。
「ふむ…おかしいの。試しにクロエの腕を治してみたんじゃが治らなかったのじゃ。」
「まあ、ちょっと不自由だけど慣れたから良いよ。」
これも呪いのせいじゃないかと思ってるし。てか治そうと試したけど全然ダメだったし。
そんなことを考えていたらクゥーと可愛らしい音が隣からした。
「…。」
隣を見ると少女が顔を赤くしている。
ああ、お腹空いたのね。たしかに囚われてたころはろくに食事なんて出来なかっただろうし。
「そろそろ暗くなるしここら辺で野営しよっか。」
「じゃあ馬車はここに留めておきますね。」
「薪…拾ってくる…。」
てな感じで次々と野営の準備を進める。
「そういえばお主、名はなんというのじゃ?」
マイネが俺の横にいる少女に話しかけるとビクッとなって俺の後ろに隠れた。
「うむ、嫌われとるのぉ。まあ本人が言いたくないなら我も言わないでおくのじゃ。」
あれ多分鑑定して名前分かってるけど言わないでおくってやつだな。
「別にマイネは怖くないよ?」
と言ってみたが少女は首を横に振るだけ。
「あの子…人じゃない…気がするの…。」
途切れ途切れだが俺でも聞こえた。たしかに人ではないな。魔族だし。鑑定を使っている様子も無いし獣人の勘ってやつかな?
「今…火つける…。」
薪を持ってきたルーシャが魔法で火をつけた。
「うぅ…干し肉って硬いんだよね…。」
と言いながらむしゃむしゃ食べるカルネラ。お腹は空いているのに全然干し肉を口にしない少女。
あっ…そっか、今までほとんど食べ物食べれてなかったのに急にこんな硬いのダメだよな。
「ちょっと待ってて。」
「…?」
空間から小さな鍋を取り出し、その中に水を入れる。そして同じく空間から取り出したキラーボアの骨で出汁をとる。このままだと味が薄いから醤油を足して、体力回復目当てで薬草を千切って入れる。簡易的だが飲みやすいスープならお腹にはいるだろう。
「えっ?クロエちゃん、なにそれ?美味しそう!」
「あげないよ?これはこの子の。」
そう言うとカルネラは残念そうにしたが納得した顔でまた干し肉をかじった。
「…いいの…?」
俺に聞こえるか聞こえないかくらい小さい声で少女は喋った。
「まあ、美味しいかは分からないけど。そのために作ったんだから。」
俺が小さめな器に注いで渡すとゆっくり口に運んで飲んだ。
「…おいしい…。」
そう聞こえた気がした。
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「ねぇ、本当にいいの?」
「いいよ〜!クロエちゃんは寝てて。」
「子供は…寝ないと…ダメ…。」
いや、見た目は子供だけれども俺は一応成人しているんだが?
「ほら、この子もクロエちゃんと寝たいって!」
そう言ってカルネラは俺と少女をテントに押し込む。
「はぁ。まぁ寝ながら警戒しとこう。」
「…。」
隣に寝ている少女がジロジロ見てくる。
なんだ?・・・あっ鑑定飛んできた。この子鑑定持っているのね。いや、そりゃ弾くけど。
「…!」
そんな驚かなくてもねぇ。てかマイネにも鑑定使ったのか?マイネも弾いたと思うけどもしかしたらあいつはわざとステータスを見せたりするかもしれないしなぁ。
「…なんで鑑定…わかった…?」
「ん?あー知らない?鑑定は自分より相手の方が強かったら見れないんだよ?」
「…それは知ってる…私の…上位鑑定…だから…。」
あ、上位鑑定だったのか。確かにそれなら多少格上でも気づかれずに見れるな。
「俺…じゃなくて私のステータス気になるの?」
未だに私っていうの慣れないな。
「…。」
少女はコクリと頷く。
「じゃあ、そのかわり名前教えて?名前分からないと色々大変だし。」
そう言ったらすぐさま俺の前に少女のステータスが現れた。えっ?そんなに俺のステータス見たかったの?
名前:フィリア・ルーツ
ジョブ:短剣士 Level24
HP:320/320 MP:1/1
攻撃力:295 防御力:60
体力:36/120 魔法力:1
速さ:350
・EXS
上位鑑定
・NS
短剣術 Level2
・ジョブ専用スキル
魔力激減…MP、魔法力が激減するが攻撃力、素早さが上がる。
短剣使い…短剣術のレベルが上がりやすくなる。
・称号
逆境…多大なる過酷な環境に耐えた者に与えられる。自分が不利な状況で全ステータス10倍。
ああ、そういうことか。現状、不利な状況ということでステータス10倍になっていてさらに上位鑑定なのに俺に弾かれたから驚いた顔したのか。
あと苗字持ちか。どっかの獣人の国の貴族だったりするのかな?
「ありがとう。フィリアって言うんだね。約束、ステータス見せるね。」
俺は(マイネに偽装された名前はそのままで)ステータスを見せた。
「…。」
フィリアは食い入るように俺のステータスを見ている、時々驚いた顔などいろいろな表情が出てとても可愛らしい。
「…凄い…どうやって…こんな強く…。」
「まぁ、色々とあったんだよ。」
という感じで喋っていたら見終わったらしくこちらを見てきた。
「私…なりたい…。」
ん?よく聞こえなかった。
「私…強くなって…お父さん、お母さんに見返してやりたい!」
なるほど、何か訳ありって顔だ。なんか懐かしいような気分になる。
「いいよ。私に任せて!」
次回は来週になりそうです。




