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27、蛙の神の力



 「三輪は、もう休んで」


 「わしらで、なんとかなるじゃろ」


 「いや、まだ退魔士は動いてないし、赤のデンキパイロットもたくさん残っているよ」



 純野さんが、こちらを向いた。そして、目を伏せてから言った。



 「……三輪が、時間を稼いでくれたから、スィンヨーロ吉田達が来た。だから、大丈夫。休んでて」



 吉田さんと室賀さんが、来てはいた。

 しかし、僕が赤のデンキパイロットに苦戦したから気遣われたのだろうと思う。



 「まあ、石投げたりして接近戦は避けるよ」



 そう言うと、純野さんは頷いた。





 吉田さんと室賀さんが、前に出た。



 「おお?風乱党の『后土』に、姿を消していた『魔術師』ではありませんか!まさか、我々の邪魔をしに来たのですか?」


 「ああ、俺は今は鬼道士やっててな。つまり、この池を守るのが、今回の仕事ってやつだ」


 「風乱党は、依頼に偽りがあったため、今回はそちらの敵にまわる」


 「……なるほど。クフフ、こちらとしても、我々に付かない退魔組織は滅ぼす方向で動いている。お前らが敵にまわるのは、好都合」


 「邪魔者は、まとめて片付けてやるさ!」






 戦端が開かれた。


 相手の退魔士に向かったのは、吉田さんと室賀さんだ。

 僕と純野さん、登雄流さんが、大量にいる赤のデンキパイロットに対処する。

 ちなみに、后土というのは室賀さんのあだ名のようなものらしい。





 純野さんは、時々空を飛びながら赤のデンキパイロットに空気の塊をぶつけて破壊している。

 登雄流さんも、触手の範囲に入らないように、少し離れた場所から水の刃で攻撃している。しかし、純野さん程の攻撃力はないようで、近付かれることもある。

 僕は、登雄流さんに向かう赤のデンキパイロットに石を投げては、離れる。

 純野さんと登雄流さんが、一定のラインより中には入れないように動いてくれているため、僕はあまり危険な状況にはならずに済んでいる。



 「おーい、三輪ー。ちいとでかい技を使うから、5秒程、わぬしに頼む」



 登雄流さんが、そんなことを言った。

 ここまでの戦いで、赤のデンキパイロットの頭部にある、発電所を表す地図記号に石を当てると、一時的に動きを止めることがあった。……たまたまかもしれないが、狙う価値はあると思った。



 ガチョン!ガチョン!ガチョン!



 赤のデンキパイロットは、触手で移動する金のデンキパイロットや、空を飛ぶ灰色のデンキパイロットとは違って、二足歩行をする。そのため、ニンゲンに近い動きを想定して石を投げれば、よく当たった。



 「……ギギ……」



 全てが停止したわけではないが、石をぶつけた10体程のうち、半数が動きを止める。

 赤のデンキパイロットは大量にいるが、二足歩行型なので、前に動かないものがあることで、足止めになった。



 「よーし!上出来じゃ、三輪。下がれ!」



 池の水が、濁流となって流れ出した。



 「……この技、辺りが泥沼になるから、本当は使いたくなかったんじゃ。この辺は、あまり人が住んでないのが救いじゃ」



 登雄流さんは、しょんぼりしていた。



 「……後片付けが、面倒くせぇんじゃ」


 「手伝いませんよ。それと、純野さん達を巻き込んでないか、若干心配なんですが?」


 「……。純野は、飛んでたから大丈夫じゃ」


 「吉田さんと室賀さんは?」


 「……。」


 「登雄流さん?」


 「……三輪、わぬし見に行ってくれ」


 「登雄流さんは?」


 「……行きたくない。吉田らが怒ってたら、代わりに謝っといて」

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