25、赤のデンキパイロット
翌日の夕方、室賀さんが池に戻ってきた。
「風乱党の闘神と呼ばれる幹部達から、嫌味を言われたが、なんとかこの仕事をキャンセルさせてきた。……あ、一応私も幹部だぞ」
「ありがとう、退魔士。助かるのじゃ」
とりあえず、池は守られた……のかな。
「いや、どうやら企業は他の退魔組織を動かすようだ」
「ああ、国際エクソシスト会だな」
「さすが、吉田のお兄さんですね。その通りです。それに、デンキパイロットも動かしてくるようです」
「デンキパイロットは、色によってかなり違うがな。何色の奴かわかるかい?」
「そこまでは、わからないですね」
室賀さんも、一時的にこちらの味方をしてくれることになり、戦力的にはかなり充実している。
僕が戦う必要はないかもしれない。
……と思っていたのだが。
日中は吉田さんと室賀さんが、夜間は僕と純野さん中心で池を守ることにした。
朝、交代してから時春さんの祠で酒を飲んで帰り、夕方起きて池に行く。
そんな生活習慣が出来た頃、奴らは現れた。
「国際エクソシスト会の月影と申す。まあ、貴様ら邪教徒や悪魔どもはすぐに滅ぼすから、覚える必要はない」
「同じく、宇佐メリケイン」
彼らの他に、西洋の鎧武者の様な外見に、先端部が刃物になった触手が生えた機械が、数百いる。その頭部には、発電所を表す地図記号と『赤』の文字が書かれている。
初めて見た、赤のデンキパイロットだ。
「赤は、初めて見た」
「クフフ、新型だからな。こいつに殺された者は、全身がヌチャヌチャした半液体になって、燃料となるのだ!」
月影と名乗った、黒い服の髪が長めな男が説明してくれた。
「燃料?」
「そうさ、石油に代わる、新たな燃料として無能者を使う、画期的な代物さ」
今度は、宇佐メリケインと名乗った方が答えた。
金髪で、背も鼻も高い。ジーパンというと思われるズボンをはき、『USA八幡』と書かれたTシャツを着ている。
こいつが異常なのは、左手に持ったミサイルっぽいモノだ。2メートルはありそうなそれを、片手で振り回している。
……もし見た目通りミサイルだったなら、その辺にぶつけて自爆しそうである。
ついそれを眺めてしまう。
「んん?……こいつが気になるのか?こいつはミサイル風退魔兵器さ」
ミサイル風……ということは、自爆はなしかな。
「まあ、こいつを使うまでもないさ。お前らなど、デンキパイロットだけで片付くさ」
「行け、赤のデンキパイロットよ!」
赤のデンキパイロットが、3体だけ進み出てきた。
「三輪よ、吉田殿達に使いは送った。……ヤンマくんという、トンボじゃ」
「じゃあ、3分も時間を稼げば大丈夫ですね。僕は弱いので、吉田さん達が来たらサボります」
「三輪は、怠け者。スィンヨーロ吉田が来る前に、わたし達で片付けよう」
「奴ら、赤のデンキパイロットに自信ありそうじゃなあ」




