敗北
なんとなく、思ったことを書いてみようと思いました。
つれづれなるままに・・・・。
「あーなにをしてんだろ・・・・おれ。」
飲みすぎた・・・。
酒にも、雰囲気にも流された。
もはやどう帰ったのかもわからない。
いま、冷めた風呂の中で、何となくこうしてる。
まあ、正確には昨日だが。
プレゼンで失敗した俺は、あしたの会議には出なくてもよかった。
根回しが足りない。
そう言われて、落ち込んだ。
反省会という名の、傷のなめあい。
そこで、しこたま飲んでいた。
「まだ、足りない。」
冷え切った感情は、熱い温度を求めた。
「こうなったら、シャワーを全開にしてやれ。」
湯船の方にヘッドを向けて、温度を上げて、全開にした。
「おお、こりゃいいわ。」
温かいお湯の滝が出来上がった。
滝行ってこんな気分なのだろうか?
やったことがないが、そんな感じがした。
しかし、眠い。
あったかくなってきたら、だんだん眠くなってきた。
湯船の温度はまだ冷たい。
階下で、嫁は熟睡中だろう。
「あー。いっそこのまま消えてしまおうか?」
理由はわからないが、何となくどうでもいいとおもってしまった。
でも、それではなんだか俺の人生つまらない。
ちょっと試してみよう。
このままシャワーを全開にして、俺はそっと目を瞑る。
温かいお湯とぬるい水が合わさって、だんだんいい温度になってきた。
嫁は俺の帰宅には気づいてはいない。
でも、これだけ音を出していたら、気づくかな?
俺のこと、心配して見に来てくれるかな?
すこしだけ、期待した。
しかし、嫁は一向に現れない。
そして、俺はとうとう眠気に勝てないと感じてきた。
ああ、俺の人生、こんなものか・・。
仕事では選ばれず・・・。
家庭では気づかれず・・。
すべてを放棄して、眠りの誘惑にこの身をゆだねようとしたとき、それは突然やってきた。
「あほか!水道代がもったいないやろ!」
シャワーを止められ、頭をはたかれ、扉を閉められた。
急に現実に引き戻された。
嫁には気づかれたけど、水道代には勝てなかった。
実は、この話の元ネタは、実話なのです。
あ、私ではありませんよ?
日常生活でも、ほんの少し見る目を変えると、面白いものが転がっていますね・・・・。
ちなみに、この夫婦。いまでもちゃんと夫婦です。
あと、どうでもいいことかもしれませんが、この本文777文字なのです。