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魔法。

ノアは今起きたらしいし今すぐ行けば寝起きの可愛いノアを見れるんじゃないか?


いや、流石に相手は女の子だ、支度に時間が掛かるだろうし邪魔をしに行ってはいけないだろ。


俺は一人葛藤をする。


コンコン


「ノアちゃんはいるねー」


欲に勝てない自分を殺してやりたい。


「アヤカさん!?ちょっと待ってください!!今はダメです!!」


その言葉を聞いた時には既に遅かった。


目の前には必死に下着姿を隠そうとしているノアが居た。


頬を赤らめて涙目になっているノアは驚くほど可愛かった、もう人生に悔いはないだろう。


「ごめん、故意じゃないんだ……後ろ向いてるから着替えて」


無論故意に決まっている。


女の子の姿になるとある程度の事は誤れば済むんだし最高ですな。


「着替え終わった?」


「……はい。」


振り返り顔を覗くと明らかに怒っているのが表情から読みとれた。


「何で急に入ってくるんですか」


これは拗ねてるし怒っている、どうしよう。


「ごめんね、朝一回起こしに来たらまだ寝てたからそろそろ起きてるかな?って思って」


「そんなの理由になりませn……朝一回来てたんですか?」


しまった、俺は考えて発言をする様に心掛けなくてはいけないな。


「う、うん。起きてると思って……」


「まさか寝顔とか見てないですよね……?」


「もちろん!!見たに決まってるじゃん!!」


怒っている表情から一転恥ずかしさで死にたそうな表情に変わった、表情豊かで何度でも味わえるこの可愛さ。


「穴があるなら入りたいです……なんなら蓋までしてほしいです……」


「グウー……。」


これは間違いなくノアのお腹の音だがここでツッコミを入れるのは紳士的ではないよな。


「と、とりあえず朝ご飯食べに行こっか」


「お腹は空いていませんけどアヤカさんが言うならそうしましょう……」


俺達は階段を下りて直ぐにある宿舎の食堂に向かったがその間ノアの機嫌は直らないままだ、困ったな。


食堂につくと思ったより人が居なくてほぼ貸し切り状態だ。


「何食べる?」


「これとこれとこれとこれ食べます!!凄く美味しそうですね」


え、何この子食べ物に目がない系の美少女ですか?


「朝からそんなに食べて大丈夫なの?」


「大丈夫ですよ?アヤカさんはそんなに少なくて大丈夫なんですか?」


俺は一般男性の朝食なんだが……。


席に着きご飯を幸せそうに食べているノアを見る、どうやら機嫌は直ったみたいな。


「昨日はそんなに食べてなかったよね?どうしたの」


「昨日はあの食事の一時間前にこれくらい食べえていたので……」


食費が大変そうだ。


食事を終えその足でモンスター狩りに行くことにした。


「あの、今更だけどおr、私戦った事ないんだけど大丈夫なの?死んだりしない?」


「俺のままでいいですのに……、死んじゃうかもしれませんが私が守る限り大丈夫ですよ」


ノアは今までで一番力強く言ってくれた。


「心強いよ、ありがとう。」


そういえばノアが他の町に住んでるのは知っているがどれだけ強い等は一切知らないな。


「ノアちゃんはどのくらい前にこの町から出て行ったの?」


「私はそろそろ三年くらい前になりますかね?」


「三年前!?大先輩じゃん」


「そんな……出たのは三年前でも5つほど先の町でずっと滞在してますし期待はしないください」


このノアの困っている顔は人生の中で一番可愛いと思う。


「まあ5つ先とはいっても頼りにはしてるよ、勿論早く強くなって私がノアちゃんを守ってあげられる様になるんだけどね」


「……。」


返事も何もなかったが少しだけ俯いて嬉しそうにしていたので何故かこっちが照れてしまった。


早朝レイチェルに助けられた山に入った、どうやら初めての冒険者は大体ここである程度レベルを上げるようだ。


「聞いておきたいんだけどスキル、アビリティとかはやっぱりレベルが上がれば取得したりできるの?」


「そうですね、基礎能力以外はほとんどレベルですかね、稀に特殊スキルや特殊アビリティを取得できるのですがその取得方法は謎に包まれていて初めから取得している人、高レベルになれば取得できる人、死ぬまで取得出来なかった人……私もそんな特殊スキル欲しいですね」


「へー、そんなのがあるんだ」


この他にも戦い方、冒険者としての生業などいろいろレクチャーをしてもらいやっと冒険者と言う職業を把握した、少しネトゲとは違うがまあ想定内だ。


そうこうしてる内に見覚えのある石ッころが出てきてこちらを威嚇している。


「あ!こいつ!!」


「アヤカさんこの石ころちゃん知ってるんですか?」


「いや、ちょっとね。つかこいつの名前石ころちゃん!?何でそんな安直なの!?」


「私に聞かれても……。」


適当に石ッころなど呼んでいたがまさかここのモンスターって結構適当に名前決められてんの?うわ可哀想、同情するよ。


「先生!!ひとつ質問良いですか?」


「先生はやめてください、どうしたんですか?」


「この石ッころ強いの?」


「この一帯のモンスターの中では結構弱い方ですよ?」


このクソ石ッころ弱者の癖に無防備の俺を襲って調子乗ってたのか、腹立ってきた。


恨みを込めてボコりに行こうと思ったが俺のジョブは剣士……今はちょっとした魔法すら使えない、相性は最悪だ。


「相性が悪いですね、この子は私が倒しますのでアヤカさんは次のモンスターに備えててください」


そう言ってアヤカは魔法の詠唱を始めた。


比較的弱いモンスターに使う魔法だし詠唱に時間はかからないだろうからタゲも取らずにただ眺めていた。


二秒程で詠唱を終え


「ライトニング」


最後にそう呟くと杖の先端から電流がバチバチと音を鳴らせ敵の頭上から一気に落ちる。


レイチェルの時は目を回してただけだったのだがこの状態が倒したと言う事になるのだろう。


それにしてもライトニングって……ベタすぎるな。


だが初めて魔法を見たんだ、すこぶるテンション上がるじゃんかよ!!


「ノアちゃんすごい!!初めて魔法見たけどすっごいかっこいい!!」


「魔法初めてだったんですか?私なんかの魔法ですみません……」


なぜか俯き謝ってきたが続けて


「初めてもらっちゃいましたねっ」


俯いていた顔を上げ上目使いでそう言ってきた、なんだ?誰しもが勘違いするフレーズだぞ!?恥ずかしがり屋のノアだからこそこの言葉には破壊力がある。


「う、うん貰われちゃったね」


笑顔で返してやった、動揺などはしていない。


「アヤカさん!!鼻血が出ていますよ!?大丈夫ですか!?」


しまった、またやってしまった。


前世を童貞で終わらせた自分を説教してやりたい。


「大丈夫だよ、それより次行こ?」


心配しているノアを連れて先に進む。

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