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ギルドの問題。

「やーっとついたあああ」

朝一に出たというのに時刻はもう夕方だ。

「クソアマさんにはもう二度と道案内は任せれませんね」

「まあまあ、着いたんだからいいじゃないか!!そんな事よりこれからどうするの?ノアちゃん探す?」

俺は今すぐにでも探したいと思ったが流石に歩きっぱなしは疲れただろうと思い今日は休もうと提案する。

「じゃあ宿探しだね!!お金には困ってないし良い所の宿取ろうよ!!」

「そうだね」

俺達は近くに居た人に宿の場所を聞きチェックインを済ます。

「……ってなんでワンルームなんだよ!!」

「良いじゃないですか、慣れている方が落ち着きますし」

レイチェルはうんうんと頷いている。

「まあ良いんだけどさ、とりあえず汗かいてるしお風呂行こうよ」

「賛成!!」

ここの宿には無駄に広く色々なタイプのお風呂がある大浴場が設備されていると受付のお兄さんから聞いていた。

「ひろーーーい!!」

「他のお客さんも居るんだから大声出したり走ったりするなよ」

俺ははしゃいでいるレイチェルに注意をして体を洗い湯船に浸かる。

「やっぱりお風呂は最高だね」

「そうですね」

メアリーと同じ湯に入って疲れを取る。

「あれ?レイチェルは?」

「クソアマさんなら露天風呂に行ってくるって言っていましたよ」

なんだと!?露天風呂まであるのか!!

「じゃあ私達も露天風呂にいこっか」

「賛成です」

室内の湯から出て外に出ると

「君は何なんだい!!僕は温泉に浸かりに来ているだけじゃないか!!」

声を荒げているレイチェルが居た、急いで俺は仲裁に入りレイチェルを落ち着かせる。

「とりあえず何があったか説明してもらっていいですか?」

メアリーが相手側に説明を要求した。

「あんたはこいつの仲間かい?」

「仲間です」

メアリーは即答した。

「そうかい、そいつがここ数日あたし達が作った小規模ギルドの仲間を狙って闇討ちしてるって事を知ってて仲間だなんて言っているのならあんたら二人も標的って事で良いんだね?」

「はい?」

「白を切っても意味はないよ、現にあたし自身その子の顔をこの目に焼き付けている」

そう言って今にも殴りかかってきそうな相手方、だが計算的には絶対におかしい。

「いやいや待ってください、私達三人は今日この町にたどり着いたんですけど?ちゃんと証拠もあります」

そう言ってアイリスの入り口で貰った現世で言うところの入国カード……いや、手首に巻いているテープを見せる、肌身離さずつけておいてくださいという門番に言われた事を守っておいて良かった。

「では人違いだったと……本当に失礼な事をしてしまった、どうお詫びをすれば」

そう言って深々と頭を下げた。

「まったく!!」

プンスカ怒っているレイチェルはメアリーに任せて俺は話を聞くことにした。

めんどくさいのは嫌いだがPTメンバーそっくりな奴が悪さをしているとなれば話くらいは聞いておかないと。

「分かりました、お詫びと言っては何ですが晩御飯を奢らさせて頂きますのでそちらでお話いたします」

「ご飯奢ってくれるの!?じゃあ許す!!早く行こうじゃないか!!」

切り替え早すぎだろこいつ……。

俺達は個室がある料理店に入り注文を済ませる。

「ではまず自己紹介をさせて頂きます、あたしはギルドマスターのジャンナ、あとの二人はサブマスターのケイリーとライリー……よろしくお願いします」

「よろしく、こっちは私が彩花で元気な方がレイチェル、大人しい方がメアリー」

お互い自己紹介を済ませたところで本題に入る。

「ところでさっき言っていたギルドが襲われているってどういう事?」

「そのままの意味よ、まだレベルも上がっていない若者を集中に闇討ちを仕掛けているの」

「あ!!その事なんだけど!!」

ふむふむと聞いていた所をレイチェルが割って入る。

「その子はそんなに僕と似ているのかい?」

「あたしら三人とも間違えてたんだから相当似てるわね、証拠が無ければ信じれていなかったわ」

「へえーそこまで言うならあってみたいんだけどなー」

「どうせその子は私達が見つけてジャンナさんに引き渡すんですから会えますよ」

話を聞くだけで終わる訳もなく

「まあやっぱりそんなに似ているなら何とかするしかないよね、ジャンナさん達には悪いけど私達三人も参戦させてもらうね」

「まさか悪いだなんて……でも大丈夫?始まりの町からやってきたって事はまだレベルが」

「そこは心配しなくても大丈夫」

不安が残る顔をしているが無視をして料理に手を進める。

美味しい美味しいと唸らせながらみんなで食べていると

「ジャンナマスター!!!!」

そこにはジャンナのギルドメンバーらしき人が慌てて駆け込んできた。

「場をわきまえないか!!今は」

先程まで落ち着いたジャンナではなくマスターとしてのジャンナが姿を現した。

「いいよ、こんなに慌てているんだから話くらい聞いてあげないと」

「ありがとうございます、何があったか申してみよ」

「はい!!先程またメンバーの一人がやられました!!」

「またか……アヤカさん達には悪いけどあたしはここで失礼します」

何でだよ、俺らも行くに決まってんだろと男らしく言おうとしたのだがめんどくさくなったらどうしようとか考えてるうちに

「何僕達を置いて行こうとしてんのさ」

「そうですよ、私達も行きますよ」

と二人が先に言ってくれた、躊躇したことを許してくれ……。

「じゃあ行こうか、まだ遠くには行ってない筈だから皆で探そう」

そう言って店から出てやられた場所周辺を手分けして探す。

「一番低レベルの私にまさかジャンナさんがコンビを組んでくれるとはね」

レイチェルとメアリーはなんだかんだ言っても高レベの熟練者だ、それに比べて俺は始まりの町から来たばかりの初心者プレイヤー、周りから見れば妥当のコンビなのだろうけど。

「手伝ってくれる方に危うい思いはさせたくないでしょう?」

「まあそうですね、レイチェルとメアリーちゃんは大丈夫なんですがケイリーさんとライリーさんは大丈夫なんですか?いくらサブマスターと言っても」

「あの二人は大丈夫、あたしが見込んだサブマスターだからね」

まあこれほど信頼しているという事は大丈夫か。

「こんな時に聞く事でもないのだけどこちらからも一つ質問をしても?」

「なんですか?」

「なんでアヤカさんはあの二人とPTを組んだのか、それが聞きたくてね」

なぜ?考えてもみなかった、成り行きでPTを組んだんだけどなんだろう……。

「友達だからですかね?あんな高レベ二人が私と組むこと自体確かにおかしいけどそれでも一緒に冒険をしたいって言ってくれたから」

メアリーに関しては半ば強引に入れたのだがそれでも今は仲間として友達としてやってくれている気がする。

「なるほど、二人ともいい子なんだね」

「いい子なんですかね?」

と少し笑いながら相槌を打つ。

「ん?あれはレイチェル?」

あいつは逆の道に行ったはずだ、それにメアリーが居ないが迷子か?

「レイチェル―!!」

一切聞こえていない様子なので近くまで行き肩を叩く。

「メアリーと一緒じゃないの?」

レイチェルは振り返り

「メアリー?誰ですかそれ、まずお前誰ですか」

え?

「レイチェル?」

「だから誰ですかそれ、私はミアなんですけど」

俺はジャンナさんとアイコンタクトを取り

「確保ーーーー!!!!」

ミアをがっしり捕まえる。

「いきなりなんだよ!!お前離せよ!!」

ミアは叫び散らしながら暴れているが意地でも離さない俺。

「ミアだっけ?何でジャンナさんのギルドを狙ってるの?」

単刀直入に質問をしたのがまずかったのか、先程まで暴れているだけだったミアはナイフを取り出し俺を殺しにかかってきた。

「何で関係ないお前がそれを知ってんだよ!!」

「ちょっ危ない!!ジャンナさん!!どうしよう!!」

何だ俺ポンコツじゃねえか。

ジャンナさんは間に割って入り冷静に場所を移そうと提案する。

「何でお前の言う事聞かなきゃいけねえんだよ!!」

そう言って走って逃げようとしたが誰かの足に引っかかり転げてしまった。

「本当に僕にそくっりだね!!」

そこにはレイチェルとメアリー、ケイリーとライリーが居た。

「今度こそ本物だよね?」

「君は何を言ってるんだい、本物に決まってるじゃないか」

町中で騒いでいる奴らが居ると四人とも駆けつけてきてくれたらしい。

「さあ、六対一だ……あたしの言った通り場所を変えないか?」

ケイリーとライリーがミアを引きずりながらギルドに連れて帰る。

何故かミアの目はほっとしているように見えたが気のせいだったのだろうか。

ミアが逃げない様に後ろからついて行く。

「自分で歩けるから離せよ」

先程とは落ち着いた口調で二人に手を振りほどきスタスタと歩き始めた。

「詳しい話は後でちゃんと聞くと思うんだけどさ、君はどうしてジャンナさんのギルドを狙ったんだい?」

レイチェルの質問をスルーして歩くペースを少し上げる。

それからいくつか質問をしてみたがどれもスルーで気が付けばギルドに到着した。



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