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奪い合い?決闘?

「ちょっと何してるんですかクソアマさんそれは私のお肉ですよ、返してください」

「もう食べちゃったから僕の野菜あげるよ」

ここまでくると本当は仲が良いのではと思えてこなくもない。

「まあまあ、食事くらいはみんなで楽しもうよ」

俺達は町に戻り、巻き上げた戦利品で豪勢な打ち上げをしている最中だ。

「今回の勝負はどっちの勝ちになるの?」

こんなつまらない事聞くのではなかった、二人の競り合いに油を注いでしまう

「宝は元々盗られていたものなんだけどこれは僕の勝ちなんじゃないかな?」

「違います、私の方が多く敵を倒したので勝敗なんて明らかですよ」

「あーわかったわかった、引き分けにして次の勝負に持ち越しってことで今日くらい仲良くしようね」

どちらも納得はしていない様だがしぶしぶ言い争いを辞めご飯を食べる。

「ところでメアリーちゃんはこれからどうするの?」

「私は先の事を考えてなんかいませんがこの町で居続けるのも退屈なのでどこか別の町に行くのではないのでしょうか?」

ふむ、メアリーの口の悪さ、レイチェルとの仲の悪さは置いておいてパーティーを組むとなればネクロマンサーなんて職業はぜひ仲間に入れておきたいと思い俺は提案をする。

「え?クソアマさんと?」

「嫌ですよ!!」

ですよねー……。

「まあそんな事言わないで、メアリーもこの町出るなら一人よりパーティー組んだ方が絶対良いじゃん!?今日だって戦ってる時二人の息の合い方良かったじゃん!!」

何とかゴリ押しでいけないかと試みたがやはり無理であった。

「私は2人と一緒に冒険がしたい……それでもダメかな?」

涙目にしお願いもしたが同性にはさほど効果はなくこれまた無理であった。

「まあ少しだけでも考えといて」

俺は二人にそう伝え、また明日ご飯にでも行こうと誘い別れた。

宿に帰ると

「いやー今日は色々ありすぎて僕疲れちゃったよ」

「何でお前は当たり前のようにここに帰ってきてるんだ?さっきまた明日って言ったじゃねえかよ!!」

「昨日から僕の宿はここなんだから帰ってくるのは当たり前じゃないか」

そのお前の当たり前がおかしいんだよ……何を言っても無駄なんだとやっと分かった。

「まあ私シャワー浴びてくるね」

「はーい!!」

お風呂を上がり部屋に戻ると

「スーッスーッ……」

レイチェルは見事に寝ていた。

「寝る準備をしようか」

俺はいつも通りベランダに出て煙草に火を点ける。

(彩花さん!!)

(お呼びじゃないし疲れたから帰れよ)

(何でそんな酷い事平然と言えるんですか!!)

神様はプンスカ怒っているがそんな事俺が知った事ではない。

(ねえ!!早くお願いしてくださいよー!!神様はお願いを叶えてあげたいんですー!!)

うぜえ……。

(つか何でそんなに急いでんの?人様のお願いを叶えたらお給料でも貰える制度なの?)

(……?ナンノコトデスカ?)

ああ……、なるほどな。

(そう言う事か)

(違うんですよ!!先月欲しいアニメグッズが一気に出たんですよ!!私は何も悪くないんですよおおおおおおおおおお)

なんだこの神様、死ぬほど哀れに見えてきた。

(仕方ねえから一つだけでも頼んどくわ、とりあえずS〇Xしたくてもできないこの体何とか出来ねえの?)

(な、なんてこと言ってるんですか!!無理ですよ!!!!今まで出来なかった分爆発させないでください!!)

ま、そうですよね。

(じゃあ神様とS〇Xで)

(……、え!?じ、冗談ですよね!?私女の子同士は……!!)

なに本気にしてんだこいつ、つかマジでお願いしたら出来そうじゃねえか?いや、そんな事しませんけどね。

(まあよく考えて明日お願いするよ)

(そう言ってまた先延ばしにするんですか!?)

(本当に明日お願いするから、じゃっ、おやすみー)

毎回毎回強制的に話を終わらしている気がするが仕方のない事だ。

ベッドに潜り込み気持ちよさそうに寝ているレイチェルを見ながら願い事を考え知らぬ間に眠りに就いていた。

翌朝起きたらレイチェルはいなかったが

「ちょっと出かけてくるけど夜までには帰るから晩御飯は絶対僕を待っててね!!」

と書き綴った置手紙があったので俺も支度を済ませ町をブラブラする。

「ん?あれはメアリーか?」

俺の前を歩いていた私服姿のメアリーを後ろから勢いよく話しかける。

「メアリーちゃんっ、私服姿も可愛いね」

一瞬ビクッっとしたが直ぐにいつも通り丁寧な口調で返事をしてくれた。

「おはようございますアヤカさん、いきなり後ろから驚かさないでください」

「ごめんごめん、ところでメアリーちゃんは今何してたの?」

「特にこれと言って用事はないんですが、暇でしたので町をブラブラしていました」

一緒じゃねえかよ。

「そうなんだ、実は私もブラブラしてたんだけど良かったらご一緒してもよろしいでしょうか?」

「断る理由もないですし大丈夫ですよ」

なんて良い子なんだ、口悪いけど。

「じゃあ行こうか」

これって普通にデートじゃねえか?俺女だけど。

一時間ほど歩きそこら辺に喫茶に入り昼食をとる事に、席に座りメアリーに質問をする。

「前も聞いたんだけど何でメアリーはレイチェルの事をそんなに嫌ってるの?ライバル関係ならそれほど毛嫌いする必要はないんじゃない?」

俺の想像するライバルってのとは多少違う関係に見えた。

「別にレイチェルの事嫌いじゃないんですよ?」

「え?」

あんなに一緒に居ることを嫌がってたしレイチェルに対してあたり強いし、それで嫌いじゃないなんて無理があるんじゃないか?

「ライバル関係と意識をしていたら何故かうまく会話が出来なくていつもあんな感じで話してしまうんです」

あー、この子あれだわ……すっげえツンツンしてる子だ。

「じゃあこの先そんな調子じゃメアリーちゃんにお友達ができにくいからPTに入って普通に会話ができるようにしよう」

こんな誘い方で参加する奴なんて居ねえだろと思っていたが

「この性格が直るのであればぜひPTに参加します」

「マジか、じゃあレイチェルにも伝えておくよ、今日も俺ら二人はお泊りするんだけど折角だしメアリーも泊まっていけば?」

「私あの人とと一緒に居たら死ぬほど口悪くなりますし……」

「それを治す為の努力だと思って泊まろうよ」

「分かりました、それではお泊りの荷物を取りに戻りますのでここでしばらく待っていてください」

そう言うとメアリーはお店を出て行った。

「こんなあっさり決定するとは思わなかったな」

俺はそのまま喫茶に残りメアリーを待つ間人間観察をしていると女二人男一人の三人組のお客様がご来店しよく見るとその内の一人にレイチェルが居た。

「誰だあの二人」

声を掛けようかと思ったが流石にそこまで空気の読めない奴ではないので顔を伏せスルーをしたが運が良いのか悪いのかひとつ前の席に座りやがった。

「今日呼んだ理由は分かってるな?」

筋肉質の明らかに強そうな大男がレイチェルに話しかけていた。

「分かってるよ、僕なりに考えたけどやっぱりその話は受けれないよ」

何この展開すっげー気になる!!

真剣な話をしている中もう一人の女の子が店員さんを呼び

「私アイスコーヒーで、レイチェルもアイスだよね?」

「うん、ありがと」

「俺はミックスジュースで」

コーヒーを吹きそうになったがバレてはいけないので我慢する。

「話に戻すけどさ、レイチェルは考え直してくれないの?私はまたレイチェルと一緒に冒険がしたい」

「ダメだよ、僕には君たちとPTを組む資格はもうないんだ」

PT?てことはこの二人がちょっと前までのレイチェルのPTメンバーって事か。

「あれは不慮の事故だったんだ、お前のせいなんかじゃない!頼むから戻ってこい」

あー話から察するにもう一人仲間が居て死んでしまったのか、流石に俺がでしゃばる所ではないな。

「違う!!あれは僕のせいだ……あそこで僕が大人しく引き下がっていたらお菓子なんかで喧嘩にならずに済んだんだ……」

はい?

「僕がちゃんと謝っていたらあの子は今でも魔王軍の幹部にならず君たちと楽しい生活を送っていたのに……」

「え?お菓子の取り合いから喧嘩に発展して拗ねた相手が魔王軍幹部?意味わかんねえよ!!」

「「誰だお前!!」」

あまりのくだらなさに声が出てしまっていた……。

「何で君がここに居るのさ」

「メアリーと待ち合わせしてたからここに居たんだよ、申し遅れました、私レイチェルの友達の彩花って言います」

「俺はグレウスこっちはラメイルだ、よろしく」

「よろしく、お菓子の取り合いで喧嘩になってレイチェルはPTを抜けてもう一人は幹部になっちゃったの?」

「まあそうだね」

聞き間違いを願って確認したがどうやら何も間違ってはいないらしい。

「なるほどね、ところでお話し中邪魔して悪いんだけどレイチェルは私ともう一人でPTを組む事になっているんだけど……」

「え?」

当たり前だがグレウスとラメイルは驚いている。

「組む事になっているって事は正式にはまだ決まっている訳じゃないんだよね?」

「まあ明日ギルドに行こうと思ってたんだけど」

「じゃあ勝負をしよう」

あー、これはめんどくさいやつですね。

「ちょっと待ってよ何で君たちが勝負なんかしなきゃいけないんだい!?」

そうだぞー、もっと言ってやれー。

「レイチェルは黙ってろ、アヤカとか言ったな?明日の朝九時ギルド前で待ってるから必ず来いよ」

なんだこのグレウスとか言う奴、人の話は聞かないし上から目線なのが腹立つんですけど

「分かった、勝負に勝った方がレイチェルとPTを組めると言う事で約束しよう」

俺は言葉を残しレイチェルの腕を引っ張っていき外に出る

「何でここにクソアマさんが居るんですか」

メアリーが戻ってくる事を忘れていた俺はそのままメアリーの腕も引っ張っていき宿に戻った。


「それでは明日の作戦会議をしよう」

「宿まで引っ張られて唐突に作戦会議なんてどうしたんですか、頭でも打ったんですか?」

「口が悪いぞメアリー、レイチェルに説明してもらって」

メアリーは説明を受けて納得をしてくれた。

「私たちは明日からPTメンバーなんですからいくら昔のメンバーだったとしても邪魔はさせません」

よほどレイチェルを奪われるのが嫌なのだろう、今までで一番やる気を出している。

「ところで勝負って言っても戦うのはアヤカなんだし僕らで作戦会議しても意味ないんじゃない?」

「まあ確かに勝負するのは変態さんだけですし、作戦会議なんかよりお風呂行きましょうよ」

「お前ら本当に冷たいな」

そう言いながらも前と同じ銭湯に向かう。

「そういやメアリーは賛成した訳だしレイチェルもこの三人でPT組むってことで良いんだよね?」

俺は背中を流している二人に聞いてみた。

「僕は元々反対してはいなかったし良いんじゃない?ネクロと剣士と盗賊のPTなんて聞いたことないけど」

「確かにバランスの悪いPTですね」

言われてみれば回復職も支援職もいないPTなんて厳しいに決まってるよなー。

「あと一人このPTに入れるつもりの魔法使いが居るんだけどその子がもう少し先の町に居るんだ、しんどいと思うけどそれまでは三人で頑張ろ?」

「私とクソアマさんが居れば少し先まではさほど辛くないですし大丈夫ですよ」

メアリーがそう言って俺の前に座った。

…………。

「変態さんは私の裸で欲情しすぎです、少し引いてしまいました」

「また倒れてたのかよ!!!!」

「アヤカは本当に変態だなあ」

「レイチェルまで茶化してんじゃねえよ」

そんな会話をしながら少し休み宿へ戻る。

俺はいつも通り煙草を吸って眠りに就こうとしたその時

「トランプでもしませんか?」

メアリーの提案を俺は即答で拒否をした。

「何でさ、どうせすることないんだし三人でやろうじゃないか!!」

何でお前もノリノリなんだ……。

「俺明日決闘なんだけどそれでも寝させてくれないの?」

「少しだけですからやりましょう?」

二人の視線に堪えれなくなり少しだけならと承諾してしまった。

結局夜遅くまでババ抜きや神経衰弱で盛り上がって気が付くと二人ともスヤスヤと寝ていた。

「じゃあ俺も寝るかー」

(させません、今日こそお願いを!!!!)

(おやすみー)

特に意味も目的もないのだが俺はレイチェルとメアリニーの間に潜り込み目を閉じた。


お久しぶりです、これからも投稿を続けますのでコメント評価よろしくお願いします。

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