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クソ程お口が悪いですね。

君の部屋ってシャワーしかなかったよね?」


「そうだけど、本気で泊まるの?」


完璧に酔いが覚めた俺はレイチェルに意思を確かめた。


「僕友達とお泊りとかしたことないからすっごい楽しみなんだ!!」


ああ……。


「泊まることは決定したとして僕はシャワーじゃなくて浴槽につかりたいんだ、今から近くにある温泉に行こうよ!!」


待て、待て待て!!お風呂だと!?それだけはマズいだろ!!


自分の体を見るだけで鼻血が……って違う、温泉なんて入ったら女の子だらけの上にこんなロリ僕ッ子の裸なんてR18のエロゲじゃないんだし!!ダメに決まってる!!


「タオル巻いてくれるなら」


ああ……。


俺はなんて意思の弱い人間……いや、自分に正直な人間なんだ。


「アヤカは本当に恥ずかしがり屋だなあ、僕たち女の子なんだし気にしなくても良いのに」


「ダメだよ!!俺的にも読者的にも!!」


「読者?」


「何もない、とにかくタオル巻かないと入らないからね?」


「分かったよ」


「その温泉ってお客さん多いの?」


これが一番重要だ、居てもラッキーいなければR18は避けられる。


「この時間帯は僕以外は“基本的”には見た事ないと思うよ」


ならば存分にレイチェルのタオル姿を視姦してやろうじゃないか。


「こんばんは!!おばあちゃん今日も元気―!?」


「あらレイチェルちゃん、いらっしゃい今日も元気だよ」


気さくな会話を見る限りレイチェルはここの常連さんの様だな。


「そちらに居るのはお友達かい?」


「そうだよ新しくできた僕のパートナーなんだよ!!」


「初めまして、彩花です。レイチェルとは仲良くさせてもらってます」


俺は当り障りのない挨拶をして脱衣所に向かった。


「レイチェルは私が脱いで入るまで脱いじゃダメだからね?」


「何で頑なに拒絶しているんだい?形の綺麗なおっぱいもしててスタイルも良いのにそこまで恥ずかしがるなんて僕には全く分からないよ」


「ダメなものはダメなんだよ、じゃあ先入ってるから」


俺は服を脱ぎ先にお風呂に浸かる。


「良かった、誰も居ない。本心を言えば美少女が居ても良かったんだけど」


俺は本音を口に出しながら疲れを取る。


「アヤカ―、入るよー」


ガラガラ、クソ!!ここからじゃ湯気様が邪魔であまり見えない!!


「大丈夫だよ」


「じゃあ隣失礼するよ」


信じられるか?今俺の真横に美少女がタオル一枚で居るんだぜ?


「いやあ、やっぱりお風呂は最っ高だね!!」


「そ、そうだね」


横に来てからレイチェルがはっきり見える。


艶々とした健康的な肌が何とも言えないがこれ以上見ていたら鼻血どころじゃ済まないだろう。


よくよく考えたら最後に温泉に入ったのは三年位前だ、俺は久しぶりの温泉でゆったりとした時間を過ご

す。


「ところで、何でレイチェルはレベルに見合ってないこの町に居るの?」


会話でもしてないと意識しすぎて鼻血出ちゃうし気をそらすのを目的で質問をしてみた。


「んー、僕って盗賊やってるじゃん?それでさ、今まで行ったダンジョンのお宝は全部盗れてこれたんだけ

どどうしてもここのダンジョンのお宝は巡り合えてないんだよね」


「どうして?」


「そのダンジョンに執着してる奴等が居ていつもお宝が出るたびに先に盗まれるんだよ」


こんな始まりの町にあるお宝なんてたかが知れているのに、変わった奴が居るんだな。


「まあその話は置いといて流しっこしようじゃないか!!」


テンプレキターーーーー!!


マジか、まさか女の子に洗ってもらえて更に洗えるなんて……夢みたいだ。


「良いよ、あっち行こうか」


俺とレイチェルが湯船から上がり流しっこをしようとしたその時。


「あたしの前でイチャイチャしないでほしいんですけど」


聞き覚えのない声に俺はびっくりして身構えてしまった。


「なんだ、メアリーじゃなかい」


どうやらレイチェルは知り合いの様だ。


「なんだとは何ですか、相変わらず失礼な人ですね」


「レイチェルはこの女の子と知り合いなの?つか俺達以外いないんじゃなかったのかよ」


「僕はちゃんと“基本的”にと言ったはずだよ」


そう言われてみれば確かに言っていたが……。


「初めまして、メアリーと申します」


礼儀正しいこの女の子、少しばかり影が薄そうに見えるが凄くいい人そうだ。


「私は彩花、よろしくねメアリーちゃん」


この子とは親密な関係を築いていきたいものだ。


「アヤカ、僕とペアを組んでたらメアリーとはよろしくできないよ」


「どういうことだ?」


俺がレイチェルの発言が理解できないでいるとメアリーが口を開いた。


「アヤカさん、その“クソ”程中性的でなんとも“気持ち悪い”盗賊“野郎”とパートナーを組んでいるんですか」


ん?俺の聞き間違いでなければ礼儀正しい女の子の口からクソだの気持ち悪いだの聞こえてきたんですけれども……。


「相変わらず君は口が悪いなあ、僕にだって傷つく事はあるんだよ?」


「あなたの心情なんて“クソ”程興味ありません」


なんだこの子クソ程口が悪い、礼儀正しいのになんでだよ!!


「メアリーは僕と同時期に冒険者になった死霊術士(ネクロマンサー)で何故か僕にいつも突っかかってくるんだよ」


「おいクソ盗賊野郎さん、何故かじゃないですよ。私がいつもダンジョンでお宝を取ろうとしたらあなたがいつも邪魔をしてくるからじゃないですか」


ネクロマンサーって大体が敵役じゃないか?まずジョブ一覧にそんな職業なかったはずだ、ならなぜここにいる……敵か!?


「話の腰を折って申し訳ないけどネクロマンサーって事はメアリーちゃんは私達からしたら敵なの?」


「ああ、説明が不十分で申し訳ないです。私は一度禁術に手を出し闇落ちしました、その時から私は魔王の手下になりネクロマンサーになりました。ですが今は魔王軍とは縁を切らさせていただいていますので安心してください」


え?どうしよう、話が急すぎて全然ついていけないよ。


「一時期とは言っても魔王軍に入ってたんでしょ?普通ならこっち側に戻ってこれないと思うんだけど」


「それは私が配属されていた町の幹部にとてつもない性的行為を強要された時につい幹部を殺しちゃいまして……まあ、今ではそのクソ幹部も私の玩具になってるんで呼ぼうと思えばいつでも呼べますよ」


「いや、呼ばなくていいから。じゃあ見方を殺して追放された感じなんだ」


それならなんとなく納得は出来るが幹部を殺すなんてやばすぎませんかこの女の子。


「いえ、私が抜けた理由は長時間労働、給料の未払いです」


「え?それが理由?」


「メアリーはお金が全ての子なんだよ、だからお宝を取ろうとしてるんだけど盗賊なんてそれが本職の人に魔法使いが勝てる訳ないのに」


「うるさいですよそこのクソアマ、次こそは私がお宝奪いますので」


そう言って湯船からメアリーが立ち上がる、とっさの出来事だったので避けられなかった。


「ちょっと!!メアリーちゃん!!」


「なんでアヤカさんがそんなに過剰反応するのですか?女の子同士じゃないですか」


「そ、そうなんだけど」


メアリーの裸を見てしまったせいか頭がクラクラしてきた。


「え!?アヤカさん、鼻血出てませんか?大丈夫ですか?」


「アヤカ!?大丈夫かい!?」


「人生の最後に素晴らしい物が見れてよかっtt……」


最後の言葉がこんな物だなんて恥ずかしくて親にも言えねえよ。


だんだん二人の声が遠くなっていき俺はそのまま意識を失った。

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