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天変地異〜Jealous fear〜  作者: 松竹梅 蒼
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6

(今日も何となく一日が終わりそう)

ふと、さっき優太が言っていた言葉が頭の中を横切った。何となくではないが、今日の俺の一日を振り返ると特に変わったこともない、可もなく不可もない一日だったと思う。でも、実際のところ普段と違い、学校の中で気持ち的に落ち着いていたのではないかと心のどこかで感じていた・・・・・・。

その気持ちの意味を理解するのは三分後だった。


情報処理の教室に着くと、部屋の電気はまだ点いていて、中に入れることを確信すると直ぐに扉に手をかけた。だが、一瞬で感じ取ったーー。

( 誰かいる?)


「ガラガラッ」

開けてみると、やっぱり中に人がいた。ホワイトボードの一番前の席で四人、パソコンに噛り付くように、深夜帯のバラエティ番組の動画を見て笑っていた。

「ん?斉田?」

「よ、よう」

扉の目の前に俺達がさっきまで座っていた席がある。その机の上のパソコンには確かに俺のイヤホンが挿さっていた。

(あった!!)

忘れ物を取ると直ぐに教室を出た。そのまま逃げるかのように門まで向かって行った。

今、俺の名前を呼んだ人の名前は一年の時から知ってるクラスメイトなのだが、出てこない・・・・・・。

正直な所、あの四人の中で顔と名前がわかっている人物は一人しかしない。

俺は門の直ぐ側にある、自販機コーナーで350ミリリットルのコーラを一本買い、直ぐに開けて飲んだ。しゅわしゅわする炭酸のこの感じが脳の中を駆け巡って行くーー。

「そうか、そういう事だったんだ・・・・・・」


理解が出来た。今日は味合うのは初めてのこの感じ。蓋が閉まっていた箱が開き、中から黒色の煙がもくもくと上がっていくかのような気持ちに包まれた。俺の脳の中で起きている工事の原因とも言える人物と、今日の中では初めて校内で会ったのだーー。


コーラの缶を握りしめ、駅の方に向かう。中身が無くなり、ゴミ箱を目の前にした俺はその人物の名前を口にして、ボコボコに缶を凹ませて捨てた。


北野きたの ひろし


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