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天変地異〜Jealous fear〜  作者: 松竹梅 蒼
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「これから、俺簿記の小テストあるから少し早めに行って、予習しとくわ。バスケ三昧でまだ手をつけれてないから」

そう言うと今日の食堂のBランチの食器を戻して、賢は教室に向かった。因みに簿記の授業は、一年の時に賢が単位を落としてしまい、再履修したものだ。

「でも、賢なら少し教科書見てるだけで余裕で単位取れちゃうよなぁ。バスケも出来て、身長も高くて、おまけに勉強も出来るなんてスペック高すぎ!!」

俺はこの優太とこういう昼のひとときを過ごす事がある。賢が単位を一年の時に落としたのも、バスケの試合と簿記の小テストの日程が重なってしまい、賢は講義に出られなかったのだ。この大学の簿記の講義は期末テストなどではなく、講義の中に三回ほどある小テストで単位が決まる。


「キーンコーンーー」

「鳴ったから俺達も次の講義行くか・・・・・・」

次の講義は俺と優太が履修している科目が別で優太が社会学、俺が会計学の講義を履修している。それぞれ教室の場所が違い、俺はいつもこの曜日のこの時間だと賢と一緒に優太の教室まで行き、そのまま教室の隣にある階段でひとつ上の階にあるそれぞれの教室に向かっている。

「隆、今日も何となく一日が終わりそうだな」

「どういう意味だよ?いつもこんな感じだろ」

「まぁな。でもそれが良いよな。普通が一番って何かの漫画?映画?でも言ってた気がするし」

質問の意味がよくわからなかったが、優太は俺達の中で一番変わり者だからそこはあまり気にしなかった。

「じゃあ俺、社会学前に自販機でジュース買って行くから。またなっ!!」

「おう」

俺は生物学の教室に向かった。


いつものメンバーは凄く一緒にいて楽しい。でも教室が別れてしまったり、賢がサークル、優太がバイトに行ったりして、大学に来ない時は少しだけ暇だし、楽しさが薄い気がする。別に他にも大学には友達はいるし、彼女だっている。だけど、時々現れるこの心の隙間みたいなものが見えてしまったら、自分の中で何か蓋をしなければいけないと感じてしまう。この曜日のこの時間の講義はクラス制の大学とは言えど、講義を好きに選んで履修できるので、別々の教室に行ってしまうこともある・・・・・・。

そんな事を考えていると生物の講義は始まった。いつもよりもスムーズに進んでいる気がして、九十分があっという間に感じた。

(早く終わったから情報処理の教室にいち早く向かって、優太と賢の席を取っておこう・・・・・・。)

次の教室は俺のクラスの生徒がみんなで受ける、必修科目の情報処理。場所はひとつ上の階のパソコン室。そして今日もいつもと同じように他の二人の為に、一番後ろの席の窓際の席を取っておいた。


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