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コメディー系の短編集

5行ストーリー

作者: ハルカゼ

『あっち向いてホイ!』


 公園で息子に言われて、ジャンケンを行うことにした。

「ジャンケンポイ」

 生憎(あいにく)、僕が負けてしまった。

「あっち向いてホイ」

 僕は右を向くと、妻が見知らぬ男性と寄り添って歩いているのが目に入った。


『食料』


 私は乗っていた船が沈んでしまい、この無人島まで流されたのだ。

「もう無理かな......」

 お腹が空いていて、もう力が入らない。

「何でもいいから、私に食料を与えてくれ」

 そう叫んだら、上からヤシの実が落ちてきて、ぶつかり、意識を失ってしまった。


『しりとり』


「しりとりのり」

「り、陸亀」

「め、メンマ」

「ま、マレーシア」

「あ、あなたの机の中から、へそくりを見つけちゃった」


『再会』


「お、久しぶり。三年ぶりだな」

「久しぶり。全然変わってねえな」

「当たり前だろ。おっ、その帽子めっちゃいいじゃん!」

「だろ。店でいいなと思ってたら、思わずテンション上がっちゃって、そのまま持ってきたんだー!」

 すぐさま警察に通報した。


『オレオレ詐欺』


 僕は無職でお金に困っていた。だから、恐る恐る適当に番号を押して、電話を掛けた。

「もしもし?」

「オレだよ。オレ」

「優太?」

「えっ、母ちゃん!」


『無念』


 俺は宝くじを当て、ハガキを送るために友人に切手をもらいに行った。

「見てよ、これ。宝くじを当てたんだ。だから切手、欲しいけど大丈夫か?」

 彼は(うなず)くと、俺の宝くじを奪い、ハサミで真っ二つにした。

「おい、何するんだよ」

「だって、切ってほしいって言ったから......」


『喫茶店』


「すいません。コーヒー、一杯お願いします」

「かしこまりました」

「いや、仕事が大変でね、死にたい気分ですよ」

「かしこまりました」

「えっ、なんですか、その包丁。さっきのは比喩ですよ。ちょっ、あっ......」


『タクシー』


 これから十年ぶりに友人に会うんだ。楽しみだな。

 タクシーの中から景色を眺めていると見知らぬ川が目に入った。

「あの運転手さん、道、違いますよ」

 声をかけても、なんの返事も無いため、勝手に降りようとした。

「お客さん、無理ですよ。先程、車にひかれたんですから」


『恋愛成立』


「あの、占い師さん。僕の恋愛について相談なんですけど」

「五年前に同じ部活で部長を務めていた先輩が今も気になっているんですね」

「ど、どうして、それを。やっぱり見えるんですか」

「いえ、違いますよ。私も好きでした」

「せ、先輩!」


『絶景』


 青い空、白い雲。

 見渡す限り、綺麗な海が広がっている。

 まさしく絶景じゃないか。

「今日も異常なし」

 遭難して三日目。人影すら見えません。



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― 新着の感想 ―
[良い点] どれも短く、そしてクスリとさせられました! 特にあっち向いてホイにはやられました。 とても楽しかったです!
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