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「いくら何でもこれは酷いな。ダンドーラ辺境伯が自分で指揮してるんだろうが、この前の戦闘で旗艦の艦橋スタッフだけじゃなく軍の参謀を根こそぎ失ったのが痛かったな。何より実質ダンドーラ辺境伯軍を取り仕切っていた参謀長を失ったのが大きい」

 あいつはまだマシだったと嘆く親方に柿崎が声を掛ける。

「よくそんな状態で討伐軍なんて出しましたね」

「余程切羽詰ってたんだろうよ。しかし、自軍の戦力補充どころか敵軍の情報収集すらまともに出来てねぇ。情けないどころの話じゃねぇな」

 親方は眉間に皺を寄せると大きなため息をついた。

「旗艦より通信“ダンドーラ辺境伯軍は宇宙海賊を一斉攻撃、義勇軍は陣形を崩さずそのまま待機”以上です。社長、ダンドーラ辺境伯軍は勝つ気があるのでしょうか」

「戦術もへったくれもねぇな。ミワ、そう言わずに周囲を警戒しといてくれ。カキザキ、その内出番が来るぞ。何時でも動けるようにしておけ」

 相変わらず無表情なミワの嘆きに対して親方は警戒心を露わにする。

「ダンドーラ辺境伯軍攻撃開始です」

 漆黒の宇宙に幾条もの光が軌跡を描いた。



 武装商用船を盾にするように前に出しつつ全艦で攻めてくる宇宙海賊に対して、ダンドーラ辺境伯軍は三隻の戦闘艦を横陣形で前に出し、民間から徴集された四隻の武装商用船を旗艦の周囲にぐるりと展開して守りを固めていた。

「ダンドーラ辺境伯は相当ビビってるんすね」

 旗艦の背後を守る様に言い渡された為、戦場から一番遠くに居る所為かダズの表情にも余裕が有る。

「前線に戦闘艦が三隻、その後ろで旗艦を守る様に武装商用船四隻を前後左右に展開。余程この前の戦闘が堪えたんだろうな、旗艦の守りがガッチガチだな」

「前回、背後からの奇襲で戦闘空母が撃沈されてるんすから警戒するのは分かりますけど、この陣形ってどうなんすか」

 メインモニターに映る戦況はあまり宜しくなかった。

 ダンドーラ辺境伯軍で実際に戦闘をしているのは前面の戦闘艦三隻のみ、対する宇宙海賊は四隻全てが攻撃を仕掛けて来ている。僅か一隻だが数の力で火力に勝る宇宙海賊が攻勢を強め、ダンドーラ辺境伯軍は劣勢を強いられていた。

「前線を援護するように進言した方が良いんじゃないすか」

 見かねたダズが親方に告げる。

「無駄ですよダズさん、先程から前線の戦闘艦より旗艦司令部に対して援護要請が矢のように催促されていますが、旗艦司令部の返答は判を押したように“まだその時ではない、現状を維持せよ”ですから」

 ミワから伝えられた前線と旗艦との遣り取りに親方は眉を顰める。

「こいつはやべぇかもな、中央の二番艦に攻撃を集中されてる。二番艦が撃沈すりゃ前線が崩壊するぞ」

「何で予備戦力を投入しないんでしょう。レーダー圏内に艦影はありませんし、奇襲の心配は少ないと思うんですが」

「大体、主戦力より予備戦力の方が多いってどういう事すか」

「所詮はお貴族様って事だな。戦力補充が間に合わずに民間から徴集したのはいいが、下手に戦功なんて挙げられちゃ自分とこの評価に関わる。かと言って自分達の盾として捨て駒にでも使おうもんなら、たとえ宇宙海賊の討伐に成功しても中央政府が黙っちゃいねぇ。結局自分の手下しか信用出来ねぇんだろう」


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