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「敵武装商用船撃沈」

 オペレーターの声に再び歓声が沸く。

「よし、無人戦闘機を全て出せ。一気に畳み掛けるのだ」

 最早喜色を隠す気も無いダンドーラ辺境伯の指示に、慌てて参謀長が進言する。

「お待ちください閣下、それでは本艦の守りが手薄になります」

「構わぬ、今更奴らに何が出来る」

 ダンドーラ辺境伯は参謀長の意見を一蹴する。

「無人戦闘機を全機発進させよ、奴らを包囲殲滅するのだ」

 無人戦闘機の発進と同時に味方の戦闘艦が宇宙海賊を包囲していく。

 しかし、宇宙海賊は周囲を包囲する戦闘艦には目もくれずに戦闘母艦目掛けて突き進む。

 今まで盾にしていた武装商用船が撃沈された為、二隻の戦闘艦には四方からレーザービームが降り注ぐが、宇宙海賊にはまったく気にする様子がない。ただひたすらに戦闘母艦に攻撃を集中させて迫り来る。

「何をしている、奴らをこれ以上近寄らせるな」

 肉迫する宇宙海賊に恐怖を抱いたダンドール辺境伯が声を上げる。

「はっ、無人戦闘機は敵の進路を塞げ、各戦闘艦は一斉掃射だ」

 参謀長が指示を飛ばしたその時、戦闘母艦が揺れた。

「どうした、何が起こった」

 突然の衝撃に指揮官席からずり落ちたダンドーラ辺境伯が、副官に支えられながら声を上げる。

「後方より攻撃、後部シールドに着弾」

「なに、どう言う事だ」

「先程の商用船からの攻撃です」

「レーダー解析完了、艦影二、商用船ではありません。何れも戦闘艦です」

「商用コードを偽装だと」

「謀られたのか」

 途端に艦橋に怒号が飛び交う。

 立て続けに着弾するレーザービームに揺れ続ける戦闘母艦。

「レーダー班、何をしていた、何故先程レーダー解析をしなかった」

 怒りで顔を真っ赤に染めたダンドーラ辺境伯が、オペレーターを怒鳴りつけるが参謀長がそれを遮る。

「閣下、今はそのような話をしている時ではありません。早く対応しなければ」

「分かっている」

 苛立ちを抑えきれないダンドーラ辺境伯は、指揮官席を蹴飛ばすと叫ぶように指示を出す。

「無人戦闘機を呼び戻せ、後方の敵に当たらせよ」

「閣下、それでは――」

「うるさい、早くしろ。各戦闘艦には包囲した敵の殲滅を急がせるのだ」

 参謀長の言葉を遮ったダンドーラ辺境伯は、癇癪を起したように騒ぎ立てて誰彼かまわずに怒鳴りつけた。

「何をしている、さっさと敵を殲滅しろ。どいつもこいつも役に立たん、何故私の言う通りに出来んのだ」

 その間も戦闘母艦は敵の攻撃に晒され続け、真っ赤だったダンドーラ辺境伯の顔色が、だんだん蒼白に変わっていく。

 無人戦闘機を全て後方に回した結果、前方より迫り来る宇宙海賊の戦闘艦を遮るものは無くなり、戦闘母艦は更なる集中砲火を浴びる事となる。

 敵の殲滅は間に合わず、後方に回した無人戦闘機は後手に回ってしまい、前後の敵から挟み撃ちにされた戦闘母艦は、為す術なく敵の攻撃に晒されていった。


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