第4話 初めてのデート
週末の朝。
窓から差し込む柔らかな陽射しに目を覚ます。
(今日は……凪葉とデートか)
俺たちは、初体験を経て、ようやくデートすることになった。
駅前で待ち合わせ。少し早めに着いた俺は、改札前で辺りを見渡した。
すると前方から、ポニーテールを揺らしながら凪葉が歩いてくるのを見つけた。
今日の凪葉は、キャラメル色のニットにチェック柄のスカート。首元には薄手のマフラーを巻いた、秋らしいコーデだ。足元は短めのブーツで、全体的に柔らかく落ち着いた印象だった。
「……おはよう、遥斗」
「凪葉、おはよう」
凪葉も小さく手を振り、微笑み返してくれる。
その笑顔だけで、胸の奥がふっと軽くなる。
https://kakuyomu.jp/users/mm-kuroichigo/news/822139846639773500
「今日は、どこ行く?」
「んー……カフェとか、ぶらぶらするだけでもいいかな」
二人で歩き出す。昨日の夜とは違い、自然と肩が触れる距離になる。
凪葉が自然に俺の腕を取り、軽く組んできた。
「おいおい……胸当たってるぞ」
「別にいいじゃん。もう何度も直に触ってるでしょ?」
しがみつくような感覚で、凪葉の体が腕に当たる。
歩くたびにスカートの裾がひらりと揺れ、ブーツの歩幅に合わせて髪の香りがふわりと漂い、自然と心が満たされていく。
途中の公園では、色づき始めた木々の葉が風に揺れ、光を反射している。
凪葉が目を細め、微笑んだ。
「きれい……」
「だな。秋の色って、なんだか心が落ち着くよな」
目が合うたびに、胸がきゅっと締め付けられる。
凪葉の小さな手が軽く腕に触れるたび、無意識に体が反応してしまう自分に気づき、少し照れくさくなる。
カフェに入ると、テーブル越しに向かい合う。
メニューを見ているふりをしながら、自然と凪葉の仕草や表情を追ってしまう。
「これ、美味しそうだね。あ、でもこっちも……」
「じゃあ、別の頼んでシェアするか」
「うん」
コーヒーとケーキが届くと、二人で少しずつ分け合って食べる。
凪葉がスプーンをすっと差し出してくる。
「はい、遥斗。あーん」
少し照れながらも口を近づける。
「ん、甘い……」
「でしょ?」
凪葉は楽しそうに笑った。
「でも、二人で食べるともっと美味いな」
その言葉に、凪葉は小さく笑みを浮かべ、視線を少し逸らす。けれど、どこか嬉しそうだった。
ふと、同じスプーンに目がいく。
「……てかこれ、間接キスだな」
「……間接キス?」
凪葉はきょとんとしたあと、少し呆れたように笑う。
「あたしたち、もう行くところまで行ってるんだから……今さらじゃない?」
「いや、でも……こういうのは気持ちだろ」
そう言うと、凪葉は目を細めて笑った。
「ふふ……遥斗がそんなこと言うなんて、珍しいね」




